JCF MTBジャパンシリーズ・ダウンヒル第6戦が9月17日、青森県モヤヒルズスキー場で開催され、Team
G Cross Hondaの井手川直樹選手がジャパンシリーズ今季2度目の優勝を飾った。チームメイトの内嶋亮選手は転倒とパーツ破損が重なり16位となった。
会場となったモヤヒルズは、青森港の向こうに北海道を見渡す風光明媚なロケーション。大会期間中も秋の晴天に恵まれ、ゴール付近からは山頂から駆け下りるライダーたちの姿を一望できる。
昨年の開催時よりも短くなった全長1700メートルのコースは、スタート直後から急激に落ち込むようなテクニカルな斜面が連続し、ゴールへ近づくにつれハイスピードの漕ぎコースとなる。決勝日の前日に行われたエリート・タイムドセッション(計測システムのリハーサルを兼ね、エリートライダーのみタイム計測を行う)で、このコースを得意とする井手川選手が1分52秒台のトップタイムを出したことで、予選、決勝は1分40秒台の戦いとなることが予想された。
そして迎えた予選では、内嶋、井手川両選手ともに難所も大きなミスなくまとめ、内嶋選手が1分45秒733のタイムで予選トップに、そして井手川選手が1分45秒804で内嶋選手と0.071秒という僅差で予選2位につける。午後の決勝は、チーム内一騎打ちの様相を呈した。
決勝のスタート前、モヤヒルズ山頂に設置されている『幸福の鐘』を必勝祈願で高らかに鳴らした両ライダー。井手川選手は、予選時にタイムが出なかったというセクションを歩き、最後のチェックを行った。予選タイムのリバーススタートによる30名での決勝が始まり、予選よりタイムアップして1分40秒台に入るライダーも増える。そして、最後から2台目に井手川選手がスタート。予選よりもさらに積極的な走りを見せ、1分45秒233のタイムで暫定1位につけ、最終ライダーである内嶋選手のゴールを待つ。しかし、内嶋選手はスタート後しばらくのところでリズムを崩した瞬間、フロントブレーキ部をコース内の石にヒットさせてしまい、その後はゴールまでフロントブレーキの利かない状態での走行を余儀なくされた。さらに手痛い転倒を喫したものの、こん身の走りでゴールへ駆け込んだ内嶋選手であったがタイムは遅れた。その結果、井手川選手のシリーズ今季2度目、そしてモヤヒルズ大会では2年連続の優勝が決定した。
今大会の獲得ポイントにより、来月の最終戦を待たずして、ナショナルランキングの首位争いはTeam
G Cross Hondaの両ライダーに絞られた。今大会終了時点の1位は内嶋選手で、井手川選手が8ポイント差で追う。ジャパンシリーズランキングでは、その2人に丸山弘起選手(#3
MAXXISS/cannondale)、安達靖選手(#1 Team
Ikuzawa)が迫っている。今季のチャンピオンは10月8日の最終戦、石川県瀬女大会にて決定する。なお瀬女大会では、昨年に引き続きすでに2005年ワールドカップチャンピオンが確定しているTeam
G Cross Hondaのグレッグ・ミナー選手の特別参加(デモラン)が予定されている。昨年は、ファンの熱い歓迎に日本が大好きになったというグレッグ選手、再び世界一の走りを披露してくれることだろう。
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