JCF MTBジャパンシリーズ・ダウンヒル第4戦が8月7日、真夏の陽射しが照りつける岐阜県・白鳥ウイングヒルズで開催された。Team G Cross Hondaは井手川直樹選手が2位の表彰台に立ち、再びポイントランキングのトップに返り咲いた。3位にはHonda RN01モニターライダーの永田隼也選手(AYEL KAMIKAZE MARSH)が入った。
毎年デポカップなどの人気シリーズ戦も開催されるウイングヒルズのコースは、ゲレンデのハイスピードコーナーやキャンバーセクション、木の根がスリッピーなシングルトラックなど、スピードセクションとテクニカルセクションが連続。ゴール付近にはジャンプの見どころもある。しかしそれよりもはるかにライダーたちを悩ませたのは、午後になると必ずといっていいほどやって来る雷雨だった。練習日は、ウエットやマディとなって滑りやすくなったコースの攻略以前に、落雷の危険でゴンドラが停止し、ときにはピットから建物内への避難命令が出されるなど、充分に走り込む時間が不足していた。決勝前日、エリートライダーが計測をおこなうタイムドセッションもまた、雷雨のために中止を余儀なくされた。
決勝当日は幸いにも雷雨はなく、酷暑の晴天中、エリートクラス67名による予選と、予選トップタイム30名による決勝が行われた。予選1位はTeam G Cross Honda内嶋亮選手の3分00秒005。しかしこれに続く丸山弘起選手(MAXXIS/cannondale)、竹本将史選手(ブリヂストンアンカー)、永田選手の予選4位までが1秒879の中にひしめき合うという接戦。決勝ではコース上のどのセクションでタイムを詰めるかが鍵となった。井手川選手は転倒を喫し、10秒以上のタイムロスのため予選は8位、決勝に備えてピットで精神集中に励んだ。
決勝レースでは、落ち着きを取り戻した井手川選手が大きなミスもなく、2分57秒590のタイムで暫定トップのライダーに用意されたホットシートに座った。しかしながらあとからゴールした丸山選手に0.917秒及ばず、ホットシートを明け渡した。内嶋選手は痛い転倒があり8位、これによりナショナルランキングは井手川選手がトップに立ち、内嶋選手を4ポイントリードする形となった。
このあと井手川、内嶋両選手は、9月はじめにイタリアでおこなわれるUCIマウンテンバイク世界選手権に日本代表選手として参戦する。世界のトップライダーとの闘いを終えてすぐ、9月10日ジャパンシリーズ第5戦大鰐大会、17日第6戦モヤヒルズ大会と青森県でのレースが2週続く。シーズンはいよいよ終盤戦へと突入していく。
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