最先端の昂ぶりを。心震う最上の躍動感に挑んだ音 02_Krell オーディオシステム

世界で初めてKrellと組み、
一体となって開発

移動の時間も人生の喜びになるクルマをつくりたい。
感動的な音響空間の体験もまた、レジェンドがめざした昂ぶりのひとつだった。
プレミアムオーディオの開発パートナーとして手を組んだのは米国のKrell(クレル)社。
世界で称賛されながら自動車用としては初参入となるブランドだった。

レジェンドにふさわしい音とは。そこにはある明快な想いがあった。先代レジェンドが世に送った画期的な駆動システム。それを3モーターハイブリッドとして電動化し、自在さを一段と進化させた運動性能。その走りと相通じるのは圧倒的な臨場感を伴う「躍動感」のある音だった。音の躍動感を決めるのは低音のキレ。その特性に強みを持つオーディオメーカーを幾つか挙げ、協力を打診したところ、開発条件の前に「創りたい音について尋ねたい」と答えた会社が一社だけあった。米国のKrellだった。Krellは1980年創業。日本では知る人ぞ知る存在だが、世界のハイファイ愛好家の間では最高位の知名度を誇り、マークレビンソンと並ぶプレミアム性を有するハイエンドホームオーディオブランドだ。先進的な技術開発で数々の賞も受賞している。HondaとKrell、理想とするビジョンを互いに交わす中で意気が合い、世界初となるKrellカーオーディオの共同開発が始まった。

車両は静粛化を徹底した。自在な運動性能と上質な乗り味を狙った骨格の高剛性化は静粛性も磨き、エンジンとモーターも静音化。アルミホイールには消音機能を備え、車内に残るノイズを音響的に打ち消す装置も入れた。オーディオの筐体に及ぶ振動を抑える手法にも、Hondaの長年の知見が活かされた。音響機器はすべてに歪みのない再現性を求めて心血が注がれたが、やはり注力したのは低音の再現性だった。決め手は世界最高峰の強靭さを持つ繊維ザイロン®採用のスピーカーその硬さゆえ音が伝わる速度と、振動が収束する速度が速いため低音が歪まず、そのぶん高出力にもできた。しかし取付パネルの剛性が低いと、パネルが共振して真価を発揮できない。そのため硬いプレートを挟んだうえ、スピーカー部を厚くしたドアの鉄板に固定。音のために骨格からこだわった。また、乗り降りの際に足の接触からスピーカーを守るメッシュカバーは、音の透過性と強度を考え、開口率の大きな穴を打ち抜いた金属板とした。※中低域用6スピーカー。

音質の調整いわゆるイコライジングにも精魂を傾けた。人の可聴帯域の20~2万ヘルツ。通常はこれを5~7の帯域に分けて調整を行うが、このシステムでは30数個に区切り、0.01dB単位の極めて緻密な調整を行った。HondaとKrell双方の音の匠が、音楽ジャンル、各スピーカー、音楽ソースごとに、計測器での測定と、実際にクルマを走らせながら耳で聴いた感覚を駆使して調整するという膨大な手数をかけた。同時に追求されたのは全席でのリアリティーと臨場感。どの席でも同じ感覚が得られるよう14個のスピーカーを備え、配置・角度を考え抜いた。ライブ音源では客席から演者を仰ぎ見る風ではなく、眼前でボーカリストが自分のためだけに歌ってくれているかのような特別感が味わえ、楽器の位置も鮮やかにイメージできる。開発者が「できることはすべてやった」と語るオーディオシステム。2018年の一部改良で車両骨格の剛性感が高められ、それに伴い静粛性にも磨きがかかったことに合わせ、音質の調整をやり直すなど、こだわりが尽くされている。価値ある、至高の音とのひととき。ぜひ聞き馴染んだCD音源で、ご試聴いただきたい。

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