2020年の全日本トライアル選手権開幕戦は、当初の予定から約半年遅れで開催されました。本来第3戦だったこの関東大会が、仕切り直しの開幕戦です。
全日本選手権用の10セクションは、本来なら6月に開催されていたはずの世界選手権用だったもので、難易度はかなり高くなっていました。
だれもクリーンできず、抜け出たのさえ2人だけだった第2セクションを3点で抜けた小川友幸(TEAM MITANI Honda)は、これ以外は第6セクションまでクリーンを続けてトップを走ります。開幕ダッシュでシーズンを優位に戦う素地はできてきました。
ところがこの後、難所続きの1ラップ目後半で立て続けに5点を取ってしまいます。時間がなく、クラッシュの修復を十分にしつくせなかったことも、この連続5点につながりました。1ラップ目は野崎史高(ヤマハ)に7点差の2位で、2ラップ目、そしてSSでの巻き返しをはかります。
2ラップ目、小川本来の走りが、ようやく発揮されてきました。第2セクションはやはり3点、それ以外の第6セクションまでを全部クリーンしたのは1ラップ目と変わりませんが、2ラップ目は第7セクションから第8セクションまでで5点が1つ、3点2つにクリーン1つ。1ラップ目に20点を失ったのに対し、2ラップ目は14点でまとめました。タイムオーバーの1点はありましたが、2ラップ目の減点は15点で、ラップ減点はトップでした。
2ラップを合計すると、小川の減点は38点。野崎は35点で2ラップを終了していて、3点差でSSに突入。SSは2セクションあるので、最大10点までは逆転の可能性があります。
しかし、今回のSSは、難関ぞろいだった10セクションに比べると、ややクリーンが出やすい設定でした。こうなると、よほどの失敗がなければ、逆転の可能性は低くなります。SS第1で野崎が2点を失います。これで小川との点差はたった1点に。しかし、小川はSS第2で1点を失って、再び2点差に。最後は野崎がSS第2をクリーンしたことで、優勝争いに決着がつきました。
1カ月強の間に4戦が開催される2020年の全日本選手権。ツインリンクもてぎでの関東大会に続いて、10月18日(日)には愛知県岡崎市のキョウセイドライバーランドにて、無観客試合として開催されます。
小川友幸(2位)
「出だしは、特に調子が悪いわけでもなく、開幕までのインターバルが長かった割には、いつも通りの走りができていたと思うのですが、1ラップ目後半にミスが連続してしまいました。これで野崎選手に点差をつけられて、苦しい戦いとなってしまいました。2ラップ目、追い上げはできると思っていたのですが、あともう少し届かず、残念な結果となりました。それでも、2位となって最低限の仕事はできたと思いますので、次戦までにしっかりと修正をして、勝利を目指して戦います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 野崎史高 | ヤマハ | 37 | 10 |
2 | 1 | 小川友幸 | ![]() |
39 | 12 |
3 | 5 | 小川毅士 | ベータ | 48 | 9 |
4 | 4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 49 | 10 |
5 | 6 | 氏川政哉 | ガスガス | 62 | 8 |
6 | 3 | 黒山健一 | ヤマハ | 63 | 6 |
8 | 7 | 斎藤晶夫 | ![]() |
66 | 8 |
11 | 10 | 武井誠也 | ![]() |
77 | 4 |
12 | 21 | 寺澤慎也 | ![]() |
77 | 3 |
19 | 19 | 砂田真彦 | ![]() |
93 | 1 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 2 | 野崎史高 | ヤマハ | 20 |
2 | 1 | 小川友幸 | ![]() |
17 |
3 | 5 | 小川毅士 | ベータ | 15 |
4 | 4 | 柴田暁 | ヴェルティゴ | 13 |
5 | 6 | 氏川政哉 | ガスガス | 11 |
6 | 3 | 黒山健一 | ヤマハ | 10 |
8 | 7 | 斎藤晶夫 | ![]() |
8 |
11 | 10 | 武井誠也 | ![]() |
5 |
12 | 21 | 寺澤慎也 | ![]() |
4 |
19 | 19 | 砂田真彦 | ![]() |
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