2012年9月9日(日)・決勝 天候:曇り 気温:32℃ 観客:1500人 セクション:土・岩・沢
全日本選手権第5戦は中国大会。中国地方の全日本選手権は、2年ごとに会場を変えて開催されています。
昨年までの2年間は鳥取県のヒロスポーツでの開催でした。今年は山口県下関市のフィールド幸楽トライアルパーク。広大な敷地と変化に富んだセクション群で、全日本選手権会場の中でも屈指のトライアル環境を備えています。
選手による前日の下見では、クリーンの出るセクションが多く、勝負は低い点数になることが予想されていました。しかし、土曜日の雨と、日曜日もはっきりしない空模様で、必ずしも予想通りになるとは思えません。試合途中に雨が降り、コンディションが悪化することも考えられました。
きびきびとスピーディなトライをしていったのが小川友幸選手(Honda)でした。普段ならゼッケン番号の大きい下位選手からトライしていきますが、この日は同じチームのメンバーである斎藤晶夫選手、柴田暁選手と同じセクションを走るなど、場合によっては斎藤選手に先んじて、だれも走っていないセクションにトライすることもあった小川友幸選手でした。
この日も黒山健一選手(ヤマハ)は次々にクリーンを叩き出していきます。第2セクションでは、ただ一人クリーンを出して、ほかの選手を引き離しにかかります。
小川友幸選手も第2セクションを時間をギリギリまで使いクリアしようとしますが、セクションアウト寸前に後輪がマーカーに触れてしまい5点に。そのあとは第3、第4、第5、第6セクションと1点2点が続きます。「ポカミスだった」と本人は振り返りますが、それでもライディングの調子そのものは悪くなかったようです。第9セクションでは野崎史高選手(ヤマハ)に追いつき逆転、2位に浮上します。第10、第11セクションで1点、5点となって、1ラップ目を終了したときには16点となり、野崎選手に次いでの3位となりました。黒山選手は1ラップ目をわずか1点で終え、この時点で小川友幸選手の優勝は厳しいものとなりました。
勝負の2ラップ目。なんとしても2位を狙いたい小川友幸選手。第2セクションでは再び5点。しかし、それ以降はクリーンを連発。1ラップ目に5点となった第11セクションを含め、9セクション連続でクリーンを叩き出しました。第12セクションで1度だけ足が出て1点、結果、2ラップ目の減点は6点。黒山選手は5点、野崎選手は8点で2ラップ目を終えました。
小川友幸選手の2ラップトータルの減点は22点。野崎選手は21点で、その差はわずか1点となり、2位争いは2つのスペシャルセクション(SS)で決着がつくことになりました。
1つ目は、大岩がごろごろした沢筋を登り、最後に3メートルほどの崖を登るセクション。ここは小川友幸選手も野崎選手もクリーンとなります。
そして、入口から出口まですべて難関な最後のセクション。小川友幸選手は入口の最初のポイントで失敗し、5点となってしまいます。ここで小川友幸選手の3位が決定しました。野崎選手はここを3点で抜け、2位となりました。
2戦続けて野崎選手に続く3位。ライディングの感触は悪くなかったものの、結果が3位では満足とはいえない小川友幸選手です。次は地元中部大会となり、期待が高まります。
小川友幸(3位)「神経戦となるだろうという予想はしていたので、そのプレッシャーからか、序盤から小さなミスが重なってしまい、それで減点を積み重ねてしまいました。全体的に走りは悪くなかったと思うのですが、結果については情けないです。SSでも野崎選手を逆転できる点差だったのですが、最後のセクションで、どうしてああいう失敗になってしまったのか、自分でもわからない失敗をしてしまい、3位を決定してしまいました。次は中部大会、勝たなければいけませんね」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 6 | 24 |
2 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 24 | 18 |
3 | 2 | 小川友幸 | Honda | 0 | 27 | 16 |
4 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 1 | 43 | 12 |
5 | 6 | 田中善弘 | ベータ | 0 | 64 | 9 |
6 | 7 | 野本佳章 | ベータ | 0 | 86 | 1 |
7 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 88 | 3 |
8 | 5 | 柴田暁 | Honda | 0 | 92 | 4 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 黒山健一 | ヤマハ | 100 |
2 | 小川友幸 | Honda | 79 |
3 | 野崎史高 | ヤマハ | 77 |
4 | 小川毅士 | ベータ | 69 |
5 | 柴田暁 | Honda | 52 |
6 | 野本佳章 | ベータ | 45 |
7 | 斎藤晶夫 | Honda | 42 |