2012年4月22日(日)・決勝 会場:奈良県名阪スポーツランド 天候:曇り 気温:13℃ 観客:1960人 セクション:砂・土・岩
昨年は東日本大震災の影響で中止となり、2年ぶりの開催となった近畿大会。これまで長く全日本会場として親しまれていた兵庫県猪名川サーキットから、今年は奈良県名阪スポーツランドでの開催となりました。
サーキットの周囲を切り開いたセクションで、砂地の斜面がメインとなる今大会。とにかく滑るという事前の情報に加えて、当日は荒れ模様の天候となり、ライダーたちの苦戦が予想されます。
第1セクションは、全員がクリーンで通過し、スムーズに試合が始まりました。事前の予想に反して砂地はグリップがよく、乾いていると滑りやすい砂は水を含んで落ち着き、グリップを助けているようなスタートとなりました。
第2セクションは、切り立った崖を登る難セクションです。5点が続出しましたが、小川友幸(Honda)と黒山健一(ヤマハ)は2点で抜けました。ここから、開幕戦優勝の黒山と、前回3位から優勝を狙う小川友幸の激しい戦いが始まります。
続く第3セクション、小川友幸は砂の斜面でリアタイヤを滑らせてしまいます。ここは黒山のみが2点で抜けたので、リードを3点と広げました。前回2位の小川毅士(ベータ)は第2セクション、第3セクションと5点となりました。黒山、小川友幸以外の全員が3点差で上位2人を追いかけます。
さらに第4セクション、小川友幸がこの日2つ目のクリーン。黒山は最後の上りでマシンを滑らせて2点となりました。これで黒山のリードはわずか1点となります。勝負の行方が分からなくなってきました。
第5セクションは、全選手が5点と、3ラップを通じて誰も攻略できない鬼門となり、第6セクションは、小川友幸、黒山ともに1点で通過。
第7セクションは、細いコンクリートブロックの1本橋から、土の斜面に飛びつくちょっと変わったセクション。ここを小川友幸は1点で切り抜けましたが、黒山がクリーンしたので、その差は2点と開きます。
さらに最終セクションで小川友幸が3点となり、黒山がクリーンとしたため、8セクション1ラップを終えて、小川友幸は黒山との5点差を追う展開となりました。
しかし2ラップ目、小川友幸の追撃が思うように進みません。1ラップ目に5点となったところは2ラップ目も5点となってしまった上に、第2セクション、第6セクションと5点を増やしてしまいました。対して黒山は、第5セクション以外では5点がなく、2ラップ目だけで小川友幸との差を13点差とし、小川友幸の優勝には暗雲が立ち込めました。
2ラップ目を終えて、トップ黒山の22点に対し、2位に続くのが39点で小川毅士、3位は40点で野崎史高(ヤマハ)、4位は40点で小川友幸となりました。小川友幸は野崎と同点でしたが、クリーン数の差で野崎の方が上位となりました。
3ラップ目が始まると、ラインが崩れて走りにくくなったセクションにも関わらず、黒山はクリーンを連発。小川友幸は確実に自分のポジションを得るために、一つひとつのセクションを大切に走っていきます。黒山のラップ5点に比べれば失点は多かったものの、16点は2位争いのライバルの中では最善で、野崎に1点差をつけて、2位でフィニッシュしました。柴田暁(Honda)は5位、斎藤晶夫(Honda)は8位で終えています。
2戦を終えて小川友幸は3位と2位。ポイント争いでも、黒山とは少し点差が離れてしまいました。2位以下はし烈な争いとなっています。今年は野崎に加えて、小川毅士も強力なライバルとなりました。しかし、小川友幸の土俵は2位争いではありません。次の九州大会で、小川友幸は最大のライバル黒山に勝負を挑むべく、気持ちを切り替えて臨んでいきます。
小川友幸(2位)「人間、マシンともに問題あるところはなく、ライディングも特に問題となるところはありませんでした。ただ、一日を通して安定しないまま、5点を取って点数を増やしてしまいました。2位争いが僅差で接戦だということは把握していましたので、終盤に気持ちを入れ替えて、気合いを入れ直して走りました。第5セクション以外は十分にクリーンができるセクションと読んでいましたが、思っていたよりも減点がかさんでしまいました」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
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1 | 1 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 27 | 14 |
2 | 2 | 小川友幸 | Honda | 0 | 56 | 9 |
3 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 57 | 11 |
4 | 4 | 小川毅士 | ベータ | 0 | 62 | 7 |
5 | 5 | 柴田暁 | Honda | 0 | 72 | 6 |
6 | 6 | 田中善弘 | ベータ | 0 | 81 | 4 |
8 | 10 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 96 | 4 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | 黒山健一 | ヤマハ | 40 |
2 | 小川友幸 | Honda | 32 |
3 | 小川毅士 | ベータ | 30 |
4 | 野崎史高 | ヤマハ | 28 |
5 | 柴田暁 | Honda | 22 |
6 | 野本佳章 | ベータ | 19 |
9 | 斉藤晶夫 | Honda | 14 |