round 5

October 30 2011
All Japan Trial Championship Sportsland SUGO
第5戦 スポーツランドSUGO

最終戦で小川友幸が2位を守る

東日本大震災の影響で、全5戦となった2011年のトライアル全日本選手権も、東北大会で最終戦を迎えることになりました。大会前日の土曜日は晴れて暑いくらいの陽気となりましたが、当日は曇り空となって少し涼しい、絶好のトライアル日和になりました。

前戦の勝利で気持ちよく会場入りをした小川友幸(Honda)は、序盤の3セクションをクリーン。3連続クリーンをしたのは、小川友幸ただ一人でした。しかし、第4セクションで今度は5点を喫してしまいます。湿った土に岩がそそり立つ難度の高いセクションで、ここをクリーンで抜けたライダーは多くありませんでしたが、ライバル黒山健一(ヤマハ)が1点で抜けているため、この5点は手痛いものになってしまいました。

  • 小川友幸小川友幸
  • (左)小川友幸小川友幸(左)
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁

さらに、急斜面を登っていく第5セクションでも、小川友幸の5点に対して黒山がクリーン。序盤5セクションで、その差は8点に開いてしまいました。

実は、小川友幸はマシンにトラブルをかかえていました。パーツを交換すれば元に戻るのですが、パドックに戻って整備をしている時間はなかったため、苦戦を承知で1ラップ目はそのまま走りきることにしました。これが、小川友幸の5点が多かった1つの理由でした。

小川はさらに、第8セクションで5点、第11セクションで3点を取って、減点の小計は19点。黒山は5点1つもなしの5点でした。また、黒山と小川の間には、野崎史高(ヤマハ)が16点で割って入っていました。さらに小川友幸に3点差で、小川毅士(ベータ)も迫っています。小川友幸にとっては、苦しい戦いが続きます。

2ラップ目、マシンの調子を戻して追い上げたいところでしたが、黒山との点差はなかなか縮まりません。第4セクションでは2人とも5点となりましたが、第7セクションで小川友幸だけが5点。このセクションでは小川毅士と野崎が1点、黒山がクリーンだったため、これも痛い失点となりました。

結局、2ラップ目の小川友幸の減点はこの2つの5点のみ。黒山の減点は、2ラップ目も1ラップ目と同じく5点で、2ラップを終えたところで黒山と小川との点差は19点に開いていました。残るはスペシャルセクションの2つだけなので、この時点で黒山の勝利が確定しました。小川は2位を死守するべく、2つのSSを走ることになります。

野崎は2ラップ目に減点を大幅に増やし、2番手からポジションを落としましたが、小川毅士は1ラップ目と同様、小川友幸をぴったりマーク。小川毅士の2ラップ目のスコアは小川友幸より1点少ない9点で、SSに入る時点で、2人の点差はたったの2点となりました。

最初のSSで、小川友幸はまさかの失敗。難しい最後のポイントのその手前、急な下り坂でフロントタイヤを滑らせ、セクションテープを切って5点となってしまいました。小川毅士もここでは5点だったので、2位争いの勝負は最後のセクションに持ち越されます。

小川友幸が最後のセクションに到着したとき、すでにほとんどのライダーはトライを終えていました。小川毅士もすでにトライを終えていて、減点は1点。ここで大きな失敗をすると、最後の最後で2位の座を奪われてしまいます。

黒山に続いて最後のトライに入った小川友幸。黒山は、このセクションで初めてとなるクリーンで通過しています。小川友幸もまた、その黒山のライディングを上回るような完ぺきな走りでクリーンで2011年の最後のトライを終えました。

結果、優勝の黒山に対し、小川友幸が34点で2位。小川毅士には辛くも3点差で逃げきって2位の座を守りました。
柴田暁(Honda)は、いまひとつ本来の勢いを発揮できず、本人の目標にはほど遠い6位で試合を終えました。年間ランキングは5位と昨年を上回っています。

今シーズン、これが2度目の全日本選手権出場となる斎藤晶夫(Honda)は、前回中部大会に続いて10位となりました。


コメント

小川友幸(2位)「今日はトラブルもありましたが、それがなくても、今日のライバルは完ぺきでしたね。SSの1つめの下りでつまらない5点をとってしまったときには、あぶない流れだなと考えました。SSの2つ目でも小川毅士選手が1点で抜けていたため、ここで失敗したらやばいなと思ってしまったのですが、2位になれてよかったです。来年、また1番を目指すとともに、ライバルの勝利記録達成を阻止すべくがんばりたいと思います」

柴田暁(6位)「今日はあまりよくなかったですが、ランキングで5位になれたところはよかったです。今日は野本佳章選手(ベータ)に負けてしまいました。勢いがなくなっているような気がするので、そのあたりを改善して、来年はトップに食い込めるような戦いをしたいと思います」

斎藤晶夫(10位)「1ラップ目前半と、2ラップ目後半がよくなかったと思います。体調管理がうまくいきませんでした。後半は身体や集中力に問題があったようです。身体を鍛え直し、しっかり練習して来年に備えたいと思います」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 0 11 21
2 1 小川友幸 Honda 0 34 18
3 5 小川毅士 ベータ 0 37 15
4 3野崎史高ヤマハ 0 51 10
5 11 野本佳章 ベータ 0 59 9
6 7 柴田暁 Honda 0 65 10
         
10 8 斎藤晶夫 Honda 0 97 2
ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 97
2 小川友幸 Honda 86
3 野崎史高 ヤマハ 73
4 小川毅士 ベータ 63
5 柴田暁 Honda 53
6 田中善弘 ベータ 51
       
10 斎藤晶夫 Honda 12