round 4

October 16 2011
All Japan Trial Championship Kyosei driver Land
第4戦 キョウセイドライバーランド

1点差で小川友幸が勝利を奪い取る

前日の雨は、大会当日の朝にはきれいに上がりました。一度濡れた路面は簡単には乾かず、水を含んだ泥はライダーを苦しめることになる可能性が高く、観戦には絶好のコンディションとなりました。気温もぐんぐんと上昇し、トップ争いにも熱が入りました。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸(左)
  • 小川友幸小川友幸
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁
  • 斎藤晶夫斎藤晶夫

小川友幸(Honda)と黒山健一(ヤマハ)のトップ争いは、13セクション2ラップとスペシャルセクション3セクションの間、ずっと僅差を保って繰り広げられました。序盤の第2セクションで、小川友幸が3点、黒山が1点と、黒山がリードしたかと思えば、第4セクションでは小川友幸の3点に対して黒山が5点と、一歩も引かない戦いになりました。第5セクションでは小川友幸の5点に対して黒山がクリーンと、一気に点差を広げたかに見えましたが、第7セクションでは小川友幸の1点に対して黒山が5点。13セクションの1ラップ目が終わってみると、トップは黒山の28点に対し、小川友幸がわずか3点差の31点で続いていました。3番手は38点の小川毅士(ベータ)、4番手は41点の野崎史高(ヤマハ)と続きますが、トップ争いは明らかに小川友幸と黒山に絞られました。

2ラップ目は黒山が5点減点の多いラップとなりました。小川友幸が2度の5点を取ったのに対し、黒山には4度の5点となりました。しかし黒山は、5点が多かった代わりに1点に抑えるセクションも多かったため、思ったほど両者の点差は縮まらず、2ラップ目を終えて小川友幸と黒山はまったく同点の49点となりました。勝負は、3つ用意されたスペシャルセクションに持ち越されました。

中部大会以来、全日本選手権の終盤のハイライトを担っているスペシャルセクションは、観客の注目を集めています。ダイナミックなトライアルを楽しんでもらおうという趣旨で導入されました。トップカテゴリーの国際A級スーパークラスに限り、13セクションのあとに3セクションにトライして勝敗を決します。

平地に並んだ大岩をリズミカルに飛んでいく第1セクション、湿り気のある急斜面を駆け登り、最後に豪快ながけ登りをする第2セクション、大きなタイヤをポンポンと飛び越え、高い土手の上まで駆け上がる最後のセクション。第1セクションは、上位3人がクリーン、続く第2セクションは、小川友幸だけが3点で抜け出し、ほかのすべてのライダーは5点となりました。

これで、小川友幸は黒山に対し2点のリードを築きました。残りは1セクション。しかし、この時点でトップライダーの大半は持ち時間を消化。持ち時間との勝負も、勝敗を分ける重要な要素となってきました。

最終セクション、黒山は最初の大きなタイヤに飛びつく際に足が出ましたが、そのまま最後の急坂を登りきって1点でクリアしました。次にトライしたのが小川友幸。今回のスタートは前年の成績順のため、タイムは黒山よりも1分ほど余裕がありますが、セクションの走破に約1分半かかるので、条件はほぼ同じ。最後の最後でいいトライを見せた小川友幸はクリーンでセクションアウト。勝敗はタイムオーバーの差に委ねられました。結局、タイムオーバーは小川友幸が3点、黒山が2点。トータル2点差で、小川友幸が昨年の最終戦以来、4戦ぶりとなる勝利を挙げました。

そのほかのHonda勢は、柴田暁が7位、今年初めて全日本選手権に参戦する斎藤晶夫が10位となりました。

次戦は10月30日、宮城県のスポーツランドSUGOでの最終戦となります。


コメント

小川友幸(優勝)「勝ててうれしいですし、ほっとしています。ゼッケン1番をつけて勝てたのはこれが初めてです。ゼッケン1をつけると勝てないライダーというレッテルを貼られそうだったので、ようやく勝つことができてうれしいです。今日は調子がいいとは言えなかったのですが、我慢を続けるトライアルはできていたと思います。黒山選手と接戦をしているのは分かっていましたし、向こうもそれを意識しているのが伝わってきました。最後まで我慢することで、相手にプレッシャーを与えることができたのが、今回の勝因だと思います。この勢いで、最終戦にも勝利して、来年に向けていい流れをつくりたいと思います」

柴田暁(7位)「今回はダメでしたね。いいところが無くはなかったのですが、悪いところもあって、残念な結果になってしまいました。課題はいろいろありますが、今回はちょっと思いきりが足りなかったと思います。また次の戦いをがんばります」

斎藤晶夫(10位)「久しぶりの全日本選手権で、1ラップ目を走り終えたところでカード交換を忘れるという大失敗をしてしまい、第1セクションの1点が10点になってしまいました。そのほかにもいろいろ失敗があって、自分の納得できるトライアルができませんでした。また最終戦も出場できるので、成績はどうあっても自分が納得できる走りをしたいと思います」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 1 小川友幸 Honda 3 55 13
2 2 黒山健一 ヤマハ 2 57 14
3 3 野崎史高 ヤマハ 2 78 9
4 5 小川毅士 ベータ 3 92 8
5 6 田中善弘 ベータ 1 103 4
6 11 野本佳章 ベータ 0 118 1
         
7 7 柴田暁 Honda 2 121 3
10 8 斎藤晶夫 Honda 8 141 1

 

ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 77
2 小川友幸 Honda 69
3 野崎史高 ヤマハ 60
4 小川毅士 ベータ 48
5 柴田暁 Honda 43
6 田中善弘 ベータ 42
    
10 斎藤晶夫 Honda 6