round 3

September 04 2011
All Japan Trial Championship HIRO Sports Park
第3戦 HIROスポーツパーク

嵐のあと、小川友幸は3位表彰台を獲得

西日本を中心に大きな被害を残した台風12号。その直撃を受ける形になったのが、全日本選手権第3戦中国大会でした。台風がこの地方を直撃したのは、大会前日の土曜日。会場ではセクションやコースの最後の仕上げをしている真っ最中で、台風の状況を探りながら、流れがきつくなった川のセクションなどをキャンセルして、日曜日の開催を迎えました。台風の通過中も、不思議と会場では風はなく、雨が降るだけだったのは不幸中の幸いでした。

大会当日は、雨が降ったり止んだり、いまだ台風の余波を感じる天候となりましたが、前日の雨と比べれば、ずいぶんと過ごしやすい一日となりました。ただし、選手にとっては、雨の様子を見ながらトライしなければならない、やや難しいコンディションとなりました。台風を想定してセクションの難易度も下がっていたため、勝負はより難しくなっていました。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸(左)小川友幸(左)
  • 小川友幸小川友幸
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁

小川友幸(Honda)は、第1セクションを1点で抜けて試合をスタート。黒山健一(ヤマハ)は3点。野崎史高(ヤマハ)が唯一クリーンしました。

第2セクションは、ほぼ全員がクリーンでしたが、第3セクションは、泥々の滑る設定に全員が5点となりました。続く第4セクションはトップライダーがそろってクリーンと、なかなか勝負が動きません。

第6セクションでは、小川の3点、野崎の5点に対し、黒山がクリーンしてトップに出ます。しかし、小川とはわずか1点差、野崎も小川に遅れることわずか1点で、まだまだ僅差です。

続く第7セクションでは黒山と野崎が3点。小川はここを1点で抜け、今度は小川が黒山に1点のリード。さらに第8セクションでは小川の1点に対して、黒山は丸太の一本橋に失敗して5点。小川のリードは5点に広がりました。その後、第10セクションで小川が1点、黒山がクリーンでその差は4点。

そして、第11セクション。小川は痛恨のミス。1ラップ目では、9人中2人しか記録していない5点をとってしまいました。これで黒山が1点のリード。さらに最終12セクションで黒山が1点、小川が3点をとったことで、両者の点差は3点となりました。

そしてもう1人、小川と並んで20点で1ラップ目を折り返したのが、野崎でした。ラップの序盤は失点を重ねた野崎が、小川の5点で一気に差を縮め、さらに最終セクションを1点で抜けて同点に追いついたのです。

トップの3人が3点差という状態で2ラップ目に入りました。一つひとつのセクションが、優勝戦線に直接影響するし烈な戦いとなりました。そんな中、小川は第1セクションで3点。追う立場としては、いきなり苦しい状況を作ってしまいました。

しかし中盤の第6セクションから第8セクションでは、黒山が3セクション連続で3点。3点、1点、1点でここを抜けた小川との差は、再び僅差となりました。野崎は、ここを3点、2点、3点と失点しています。

最終の第12セクションに到着したとき、小川の減点は30点でした。黒山は28点、野崎が31点。小川が逆転優勝を飾るには、このセクションをクリーンする必要があります。対して黒山は、1回の足つきでセクションアウトすれば、小川がクリーンをしたとしても勝利が手に入ります。

しかし、この最後の勝負で、小川は5点となってしまいました。黒山はクリーン。野崎も1点でここを抜け、最後の最後で小川は2位表彰台を野崎に譲り、3位となってしまいました。

2週間後のトライアル・デ・ナシオンへの参戦が決まっている柴田暁(Honda)は減点がかさみ、前回の3位表彰台から今回は6位とやや不本意な結果に終わりました。クリーンセクションでも5点を取るなどの失敗が敗因でした。

東日本大震災の影響で全5戦となった今シーズンの全日本選手権。残るは中部大会と東北大会の2戦のみとなります。


コメント

小川友幸(3位)「今日は自分のライディングとしては悪くなかったのですが、勝負どころが少なかったようで、この結果になりました。失敗らしい失敗は1ラップ目の第11セクションくらいだったのですが、結果的にはそれが致命的となりました。あと2戦、今年はまだ勝ちがないので、とにかく1勝を挙げるべくがんばります」

柴田暁(6位)「今回は狙っていたのですが、それが空回りを生む結果となりました。最後までクリーンしていたのに5点となるなどしたため、実際以上に自分の結果が悪く思えてきて、それも悪く作用してしまいました。2週間後のトライアル・デ・ナシオンで、また刺激を受けて、後半の2戦をきっちり走りたいと思います」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 0 28 14
2 3 野崎史高 ヤマハ 0 32 13
3 1 小川友幸 Honda 0 35 9
4 5 小川毅士 ベータ 0 50 11
5 9 宮崎航 ベータ 0 81 2
6 7 柴田暁 Honda 0 85 2

 

ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 60
2 小川友幸 Honda 49
3 野崎史高 ヤマハ 45
4 小川毅士 ベータ 35
5 柴田暁 Honda 34
6 田中善弘 ベータ 31