round 2

August 07 2011
All Japan Trial Championship Wassamu Circuit
第2戦 わっさむサーキット

小川友幸が2位、柴田暁は3位で初表彰台

東日本大震災の影響で本来の第1戦、第2戦が中止になり、夏のこの時期の北海道大会が2011年全日本トライアル選手権の第2戦となりました。会場はおなじみのわっさむサーキットですが、今年はセクションに細かい変化が加えられました。国際A級スーパーのセクションは険しく高いものとなりましたが、多くの選手にとっての難関は、北海道にして30℃を超える猛暑でした。

第1セクションでは、3人がクリーンしました。2010年全日本チャンピオンの小川友幸(Honda)と黒山健一(ヤマハ)、そして先月開催された世界選手権イタリア大会に参戦した柴田暁(Honda)でした。

第4セクションまでは、小川と黒山がオールクリーンでトップに並びます。柴田は第2セクションで5点。しかしライバルが5点を連発する中、単独3位でセクションを抜けていきます。第5セクションで、小川と黒山が初めて足を着きました。小川が2点、黒山が1点。わずか1点の差ですが、ここから試合が少しずつ動いていきます。

第6セクション、今度は小川が5点。黒山は、ここを2点で抜けていきます。トータルで4点差。さらに第7セクションで、小川が3点、黒山がクリーン。両者の点差はたった3セクションで7点に開きました。両者がクリーンした第8セクションのあと、第9セクションでは全ライダーが5点となる中、黒山がただ一人クリーン。さらに最終第10セクションでも、黒山は唯一ここを抜けて3点となりました。

1ラップ目のトップは黒山で6点、小川友幸が20点。この2人での優勝争いになるのですが、小川は1ラップ目に大きく差をつけられました。3位は野崎史高(ヤマハ)で27点、4位に柴田で28点となっています。

2ラップ目、第3セクションで黒山が5点。小川はここを1点で抜けて、その差を4点縮めましたが、まだまだ点差は小さくありません。その後、小川は第8セクションで5点を取ってしまい、黒山に対するビハインドを決定的なものにしてしまいました。

  • 小川友幸(左端)、柴田暁(右端)小川友幸(左端)、柴田暁(右端)
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁

2ラップが終わった時点で、黒山16点に対し、小川は32点。この後、第9セクションと第10セクションを使ったスペシャルステージが残されていますが、2セクションの両方で黒山が5点となり、小川がクリーンをしたとしても、両者の点差は10点しか縮まりません。この時点で、黒山の優勝が決まりました。同時に小川も、3位に16点差をつけていたので、小川の2位も確定しました。残るスペシャルステージは、今日の戦いを気持ちよく締めくくるためのエピローグとなります。

一方、柴田にとっては、スペシャルステージは大切な舞台となりました。2ラップを終えて、柴田は3位のポジションをキープしていました。4位の野崎とはわずか2点差。経験に勝る野崎には、最後の最後で逆転される恐れもあります。柴田は、小川でさえ2ラップ目にようやく2点で抜け出た第9セクションを、1点で抜けています。これは柴田にとって、この日の最高の瞬間でした。対する野崎は、2ラップを通じて第9セクション、第10セクションともに5点。柴田が第9セクションでこれまでのような走りができれば、3位は確定的となります。

しかし、柴田のトライは予想外の結果となりました。多くのライダーを苦しめ、柴田が最高のライディングを見せたセクション後半の岩場の前に、入口の大岩を上りそこねてしまい、痛恨の5点でした。建材ブロックの高い要塞を上りつめる第10セクションは、柴田も上れませんでした。降りる時に前転してしまい、最後に痛い思いをしながら22セクションの戦いを終えました。結果、スペシャルステージでは野崎も5点/5点で柴田の3位は変わらず、スーパークラス3年目にして、柴田は初めて表彰台に登壇しました。

今シーズンは残り3戦。序盤2戦を2位で終えた小川友幸にとっては、後半3戦は一つも落とせない大事な試合となります。


コメント

小川友幸(2位)「1ラップ目の後半に乱れだしてしまいました。僕の中では1ラップ目の第5セクションが勝負の流れを決定づけてしまいました。2戦続けて2位です。昨年とまったく同じパターンなので、残り3戦は勝っていくしかない状況になりました」

柴田暁(3位)「今回は、スペシャルステージ以外はとても楽しかったです。スペシャルステージに入るときは3位だということを知らなかったのですが、それを知らされてすごいプレッシャーを感じてしまいました。自分のしでかしやすいミスをしないようにと思っていたのですが、それをそのまましてしまいました。しかし初表彰台です。この流れで、もっと上を目指していきたいです」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 0 21 14
2 1 小川友幸 Honda 0 42 10
3 7 柴田暁 Honda 0 58 8
4 3 野崎史高 ヤマハ 0 60 7
5 5 小川毅士 ベータ 0 62 7
6 11 野本佳章 ベータ 0 64 8

 

ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 40
2 小川友幸 Honda 34
3 野崎史高 ヤマハ 28
4 柴田暁 Honda 24
5 田中善弘 ベータ 22
6 小川毅士 ベータ 22