round 1

May 15 2011
All Japan Trial Championship Kodanoura Wadayama Tanaka Forest Farm
第1戦 小田浦和田山タナカ森林農場

小川友幸、2位で2011年をスタート

2カ月遅れの開幕。東日本大震災の影響で関東大会と近畿大会が中止となったことを受けて、2011年全日本トライアル選手権は、本来第3戦だった九州大会が開幕戦となった。快晴に恵まれて、コンディションも上々。2010年チャンピオンの小川友幸(Honda)は、自身2度目となるゼッケン1番をつけてスタートラインに並んだ。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸(中央)
  • 柴田暁柴田暁

最大のライバル黒山健一(ヤマハ)の1分後にスタートした小川は、第1セクションを華麗にクリーンし、連覇に向けて確実に走り始めた。しかし、次の第2セクションでわずかに失敗。2点の減点を取ってしまった。黒山はここを1点。わずか1点の差だが、小川は早めにこの遅れを取り戻しておこうと考えた。

そして第3セクション。出口付近の最後の関門。ここで小川は、1回の足つきを大事に利用しようと考えたのだが、これが裏目。5点となってしまった。黒山はここで3点となっていたため、小川が1点で抜けていれば逆転することができたが、その差は3点に開いてしまった。追う展開となった小川の苦しい戦いが始まった。

これ以降、どこかで点差を縮めようと努めたが、思うように縮まらないばかりか、逆に点差は開いていく。1ラップ目の10セクションが終わったときには、小川の14点に対し黒山は6点と、8点差まで広がっていた。5点2つで逆転可能な点差ではあるが、そのためには、小川はクリーンを連発していかなければならない。

しかし2ラップ目、小川のスコアは1ラップ目を上回ってしまった。ライダーが走ることで路面のコンディションも変化する。黒山も2ラップ目のスコアは1ラップ目より多くなっていた。それでも、小川が19点のところ、黒山は9点と、点差はさらに大きくなっていた。

今回の九州大会では、咋年と同様、予選と決勝のスケジュールを分けて開催された。10セクション2ラップを3時間半で走り、その結果によって午後にもう一度スタートし、8セクション1ラップを1時間半で走る。予選での小川の減点は33点。黒山の14点に対し、19点差は苦しい展開となった。残るは8セクションでの決勝ラップのみ。

ここでも、小川は黒山を逆転することができなかった。この日の黒山はよく集中して乗れていた。残念ながら、この日の小川に、勝利の目はなかった。最終的には黒山の24点に対し、小川は47点となった。

今シーズンは2戦がキャンセルとなって、残るはわずか4戦。1戦1戦を丁寧に戦わなければならないシーズンだが、その滑り出しは2位。残る4戦でのばん回に照準を定める小川だった。

ゼッケン7を付ける柴田暁(Honda)は、若手ライダーの中では最も期待される成長株。本人も、早くトップグループに切り込みたいと意欲を見せる。しかし、その意気込みが空回りにつながったか、今回は昨年のような活躍を見せられずに終わってしまった。

昨年の活躍からすると、柴田の定位置は悪くても5位。調子がよければ、さらに上のポジションをねらうこともできた。しかし、レースが始まってみると、柴田のスコアは意外に伸びない。2ラップ目後半には持ち時間が足りなくなり、満足なトライもできないまま試合を進めることになった。トップグループと一緒に走り、彼らのテクニック、試合運びを盗んでやろうという作戦が裏目に出たという。

6位にわずか3点差の7位に甘んじた柴田は、約3カ月後に開催される北海道大会での巻き返しを誓った。

コメント

小川友幸(2位)「特に調子が悪いということはなかったのですが、試合の流れをつかみきれないままで終わってしまいました。逆転を意識して、ねらいすぎて5点になった序盤の第3セクションも痛かったですね。試合のブランクが長かったので、やはりペースが微妙に狂っていたのか、集中しきれなかったという思いもあります。課題をしっかり修正して、次回の北海道で雪辱を果たしたいと思います」

柴田暁(7位)「全然ダメでした。トップグループに早く肩を並べようと、いろいろ考えていたのですが、すべてうまくいきませんでした。昨年は運がよかっただけという評価にならないように、しっかり見つめ直さないといけません。直していかなければならないところがたくさんあります」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 0 24 19
2 1 小川友幸 Honda 0 47 13
3 3 野崎史高 ヤマハ 0 57 10
4 6 田中善弘 ベータ 0 83 5
5 5 小川毅士 ベータ 0 92 4
6 11 野本佳章 ベータ 0 95 4
         
7 7 柴田暁 Honda 0 98 5
ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 20
2 小川友幸 Honda 17
3 野崎史高 ヤマハ 15
4 田中善弘 ベータ 13
5 小川毅士 ベータ 11
6 野本佳章 ベータ 10
 
7 柴田暁 Honda 9