round 1

September 05 2010
All Japan Trial Championship HIRO Sports Park
第5戦 HIROスポーツパーク

灼熱の中、互角の戦いで小川友幸が惜しくも2位表彰台

5年ぶりに鹿野町の会場で開催される全日本トライアル中国大会。ここまでの4戦を2勝で終えた小川友幸(Honda)は、同じく2勝のライバル、黒山健一(ヤマハ)とランキングポイントを同点でこの大会を迎えた。今シーズン、この大会を含めての残り3戦、いわばもう一度スタートラインに立っての戦いとなる。

会場は、大きな岩が点在する深い森の中。清流の沢もあり、トライアルらしいシチュエーションがそろっている。

序盤、小川と黒山は、クリーンをしたり5点をとったりと、シーソーゲームを演じた。10セクションを終えたときには、両者は減点8点で同点。クリーン数で小川が1つ優位に立っているという、互角の戦いだった。しかしその後、11セクションで小川が3点、黒山が1点で2点差となり、そのまま1ラップが終了。わずか2点差をもっての2ラップ目の戦いとなった。

この2人の戦いについてこれるライダーは、今回は現れなかった。3位の小川毅士(ベータ)は、小川友幸より8点多い24点、野崎史高(ヤマハ)は28点、表彰台の常連となった渋谷勲(Honda)は29点で、上位を取り戻すタイミングをうかがっていた。

  • 小川友幸小川友幸
  • 表彰台表彰台
  • 小川友幸小川友幸
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 柴田暁柴田暁
  • 表彰式表彰式

しかし、この日の敵は、ライバルや行く手を阻む大岩より、暑さだった。気温はぐんぐんと上がり、日差しの強いところでは35℃を軽く超えようかという猛暑。こんな中でマシンの操作に格闘するライダーたちにとって、正確なライディングには、強じんな肉体と同時に冷静な頭脳も必要だ。しかし、この猛暑は、どのライダーにも影響を及ぼした。同時に、岩の表面にのった土はより滑りやすいコンディションを演出し、状況はより過酷になっていた。

2ラップ目に、減点を減らせたライダーは、ほとんどいなかった。逆に小川友幸は、1ラップ目より10点も減点を増やしてしまった。これが決定的な敗因となった。ライバルの黒山は、減点を増やしながら、最終的には小川友幸に12点の差をつけて、勝利を奪った。

チャンピオンシップポイントでは黒山が3ポイントリード。残りは2戦。小川友幸にとっては、今後一戦一戦がさらに重要になった。

コメント

小川友幸(2位)「1ラップ目はシーソーゲームでしたが、黒山選手も僕も、あまり乗れていたとはいえませんでした。しかし、2ラップ目にばん回すべきところを、減点を増やしてしまって、勝利をものにすることができませんでした。尋常ならぬ暑さも、影響していたと思います。これで残り2戦。僕は2戦とも勝つしかないので、そのつもりで精一杯がんばりたいと思います」

渋谷勲(5位)「前半は早めにトライしていたのですが、思うようなライディングができないこともあって、ライバルの走りを見るように作戦を変えてみました。ところが今度は、いろんな情報で混乱してしまって、しかも時間も足りなくなってしまいました。SSの2セクションを残して残り5分となってしまって、残念ながら申告5点としました。5位と成績はよくないですが、この内容で5位ならラッキーだったのではないかという気もしています」

柴田暁(7位)「今日はうまく走れなかったですね。暑さにもまいったし、セクションが長いのにも往生しました。まだがんばれるのに、時間切れで5点というところがいくつもありました。成績も7位に落ちてしまいましたが、課題を克服して、6位の座をキープできるように、そしてその上を目指して、またがんばります」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 1 黒山健一 ヤマハ 1 36 12
2 2 小川友幸 Honda 0 48 11
3 4 小川毅士 ベータ 0 56 8
4 3 野崎史高 ヤマハ 2 60 8
5 5 渋谷勲 Honda 1 73 6
6 6 田中善弘 ベータ 0 88 3
 
7 8 柴田暁 Honda 0 93 3
10 9 斎藤晶夫 Honda 3 105 2
12 7 尾西和博 Honda 0 117 1

 

ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 92
2 小川友幸 Honda 89
3 渋谷勲 Honda 71
4 野崎史高 ヤマハ 69
5 小川毅士 ベータ 57
6 田中善弘 ベータ 49
 
7 柴田暁 Honda 48
8 斎藤晶夫 Honda 36