round 1

August 01 2010
All Japan Trial Championship Wassamu Circuit
第4戦 わっさむサーキット

小川友幸、雨中で2連勝を飾る

前戦に引き続き、天気予報のとおり、土曜日の晴天から一転、日曜日は雨の一日となって、ライダー、観客、関係者ともに苦しい戦いを強いられることになった。

そのような中、本領を発揮し、勝利を収めたのは小川友幸(Honda)。最終セクションでの大逆転で、前戦の近畿大会に続く2連勝。これにより黒山健一(ヤマハ)と同点ながら、ランキングトップとなった。

今回はこれまでの10セクション3ラップに代わって、9セクション(当初は10セクションだったが、1セクションがキャンセル)2ラップに加え、国際A級スーパークラスのみ2セクションのスペシャルステージ開催という試合形態となった。

序盤、第3セクションまでをすべてクリーンしたのは小川だけだった。第4セクションは、金曜日までの大雨でセクションが水没してキャンセル。続く第5セクションは、流量の増した川を渡って大岩を上る難セクションだ。ここでは小川も5点となった。続く第6セクションで小川は痛恨のミス。滑りやすい難セクションではあったが、小川の力量を持ってすればクリーンはたやすいはずだった。しかし、最後のポイントを攻略できずに、5点。

ここまで、ライバル黒山に最大7点差をつけていた小川だったが、第5、第6セクションで、そのリードを一気に帳消しにしてしまった。黒山とは同点、逆に野崎史高(ヤマハ)に3点のリードを奪われた。

後半の難セクションでは、黒山が3点で抜け出て優位を固めていった。9セクションによる1ラップが終わったとき、トップは黒山の18点、続く野崎が19点。小川の減点は21点、3位で試合を折り返すことになった。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸(中央)小川友幸(中央)
  • 小川友幸小川友幸
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁

2ラップ目も、難セクションは変わらない。雨は時折激しくなり、また止んだりする。2ラップ目も、第3セクションまでをすべてクリーンしたのは小川のみ。黒山は2点、1点と減点し、野崎は第3セクションで5点となった。これで勝負は分からなくなった。

小川は第7から3連続で5点を喫するなど、ライバルが減点すれば、こちらもまた減点するという状況で、トップ3は接近戦を演じた。そのまま、9セクション2ラップによる戦いが終わり、勝負はスペシャルステージにもつれ込んだ。

2ラップを終えて、小川の減点は40点。これに対して野崎が39点、黒山が36点と、僅差。しかし、スペシャルステージはこれまでに戦った第9セクションと第10セクションを使用し、さらに第9セクションは2ラップの結果を踏まえ、少しラインが広げられ、難度が下げられた。こうなると、逆転は難しい。

小川にできることは、この2つをクリーンするしかない。まず小川は、2つのセクションをきっちりクリーンして、ライバルの動向を待つことになった。最初の、第9セクションは、野崎もクリーン。ここで、黒山が2点。点差はさらに縮まったが、それでも黒山のトップは変わらない。ここで3人は、1点差ずつで並んで最終セクションに入るという、まれに見る接戦となった。

まず野崎がトライ。ところが野崎は、最後のゲートマーカーをはねてしまい、5点となった。続く黒山は岩の上から落ちてしまう。なんとかふんばってトライを続行するも、オブザーバーの判定は転倒の5点。ライバルが最終セクションで相次ぐ5点となる中、冷静にクリーンで走りきった小川が、最後の最後で勝利を勝ち取ることになった。

これで小川と黒山は2勝2敗で同点。ランキング順としては、同点ながらも小川が1位、黒山が2位となった。残りは3戦。両者の争いは振り出しに戻り、し烈なタイトル争いが始まる。2007年に小川がチャンピオンを獲得してから3年。再び勝利の可能性が見えてきた。

コメント

小川友幸(優勝)「序盤、調子がよい中、みんながクリーンしているところで5点になり、リードが帳消しになってしまいました。今日は、クリーンも多かったのですが5点も多くて、それで苦しい展開になってしまいました。5点が多かったから、2位かな、3位はいやだなと思いながら結果を待つことになったのですが、ライバルが最後に5点となって勝利しました。彼らは納得がいかない5点だったようで、ちょっと後味の悪い勝負になりましたが、正直、勝ててうれしいです。残り3戦。2007年のような戦いがまたできるように、後半戦もがんばります」

渋谷勲(4位)「今日は前半がまったくダメでした。第5セクションで水を吸ってしまい、それもあってマシンも調子を崩してしまって、乗りきれませんでした。それでも、最悪だった1ラップ目から、2ラップ目に4位までポジションを上げることができました。満足はしていないですが、こんな状況では悪くない結果だったと思います」

柴田暁(6位)「今日は厳しい戦いになって、走っていておもしろかったです。つまらない5点が前半だけで4個もあり、それだけで20点ですから、成績はもっと上げられたのだろうという悔いもあります。しかし、満足いく走りもあり、いろんな思いが絡みあっています。次は、今日のような悔しい部分をなくして、上に食い込めるようにしていきたいです」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 小川友幸 Honda 0 40 10
2 1 黒山健一 ヤマハ 0 43 5
3 3 野崎史高 ヤマハ 0 44 7
4 5 渋谷勲 Honda 0 64 6
5 4 小川毅士 ベータ 0 73 2
6 8 柴田暁 Honda 0 78 0
 
9 9 斎藤晶夫 Honda 0 94 0

 

ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 小川友幸 Honda 72
2 黒山健一 ヤマハ 72
3 渋谷勲 Honda 60
4 野崎史高 ヤマハ 56
5 小川毅士 ベータ 42
6 田中善弘 ベータ 39
 
7 柴田暁 Honda 39
8 斎藤晶夫 Honda 30