round 1

May 23 2010
All Japan Trial Championship Inagawa Circuit
第3戦 猪名川サーキット

嵐の中、小川友幸、渋谷勲がワンツーを飾る

天気予報通り、大荒れの一日となった全日本トライアル選手権第3戦。大阪中心街から1時間ちょっとの兵庫県猪名川町、猪名川サーキットは、全日本選手権でも屈指のタフなコース。雨に加え、ときに強風をともなう天候は、さらにライダーを苦しめることとなった。

こんな条件の下、Honda勢は好調ぶりを見せた。前半、渋谷勲が快調にトップをキープし、後半に小川友幸が追い上げ、1年2カ月ぶりとなる全日本勝利を遂げた。

第2戦九州で、あと少しのところで初勝利を逃していた渋谷は、第1セクションをただ一人クリーンすると、2位小川に5点のリードをつけて1ラップを回った。九州大会の優勝者の黒山健一(ヤマハ)は、小川に1点差の3位。さらに野崎史高(ヤマハ)が1点差で続くという接戦となった。

  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 小川友幸小川友幸
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 渋谷勲渋谷勲
  • 柴田暁柴田暁
  • 柴田暁柴田暁

2ラップ目、小川は一気に調子を上げて、渋谷を10点上回るスコアをマーク。好調の小川は、多くのライダーが苦しみ5点となった第4セクションを3点で抜け出してみせた。

今年、全日本選手権では競技に様々な試みが導入されている。今回は、12セクション2ラップを走り終えたあとに2セクションのスペシャルステージが用意された。セクションは第11セクションと第12セクションをそのまま使うが、スペシャルステージ専用のゲートマーカーが一部に用意された。当然、難度も上がっている。

この2つのセクションを渋谷が両方ともクリーンすれば、渋谷の初優勝も夢ではない。しかし、渋谷は古傷の左親指を2ラップ目に痛めてしまい、痛みを引きずったまま第11セクションにトライ。さらに傷を大きくしてしまう結果となった。結局、渋谷のスペシャルステージは5点が2つ。黒山に同点にまで追いつかれたが、1点の個数の差で2位を確保。それでも、渋谷の初優勝は次回以降にお預けとなった。

小川は、最終セクションを登れず、最後にクリーンして勝利を飾ることはできなかったが、渋谷に7点差をつけ勝利。昨年の開幕戦から勝利がなかったことを考えると、なんともうれしい結果となった。

IASクラス2年目の柴田暁(Honda)は、パワフルなベテラン田中善弘(ベータ)と同点。クリーン数も、1点の数も同じという接戦で、2点の数の差で6位を得た。これで今シーズン2度目の6位。さらに上位を狙っていく。手ごわい難関を前に一歩もひるまない走りも、元気いっぱいだ。

コメント

小川友幸(優勝) 「久しぶりに1位を取れました。実は昨日も今日もセッティングを変えて走っているので、みんなのバックアップのおかげだと思います。今日は、序盤に5点をいくつか取りましたが、結局ライバルも惜しいところまでいきながら5点になっているケースが多かったので、前回の九州と同じく、そんなに大きな差になってはいないという実感は持っていました。雨のせいでグリップが落ちているところもありましたが、いつもの猪名川よりかえって走りやすい所もありました。ダンロップのタイヤも、ここに合ったいい性能を発揮してくれました。チームのみんなにはいろいろなことで助けられました。これからはタイトル争いもあり、優勝争いをしなさいとみんなに言われているので、次もがんばりたいと思います」

渋谷勲(2位) 「1ラップ目トップで、ちょっと差があったのを知っていたので、2ラップ目に差を広げようと思い、3点でいけばいいところをクリーンを狙って5点になったりしてしまいました。また、最後のスペシャルステージで、前から危ない感じだった指を痛めてしまい、踏ん張れなかったのが残念でした。本当に残念です。自分でも自信があったんですけれどね。まだ、ちょっと経験不足なんでしょう。これからも、優勝争いをしていきたいと思います」

柴田暁(6位) 「今日のセクションは結構好きなコースで、第7セクションくらいまではよかったのですが、第8セクション以降で、時間がなかったりしたので、とても焦ってしまいました。持ち時間が少なくなってきたため、第10セクションをエスケープしてしまったのですが、これが比較的易しいセクションだったりしたので、時間の使い方が、まだまだ分かっていないと痛感しました。でも今日、とにかくうれしかったのが、チームメートの小川さんが勝ったことです」

決勝
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 小川友幸 Honda 3 48 12
2 5 渋谷勲 Honda 0 55 11
3 1 黒山健一 ヤマハ 0 55 11
4 3 野崎史高 ヤマハ 6 63 11
5 4 小川毅士 ベータ 1 76 6
6 8 柴田暁 Honda 1 91 4
 
8 9 斎藤晶夫 Honda 0 95 6
11 7 尾西和博 Honda 0 100 4
ポイントスタンディング
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 55
2 小川友幸 Honda 52
3 渋谷勲 Honda 47
4 野崎史高 ヤマハ 41
5 小川毅士 ベータ 31
6 田中善弘 ベータ 30
 
7 柴田暁 Honda 29
8 斎藤晶夫 Honda 23