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ここ数年、北国とはいえ、灼熱の中での全日本戦となっていた北海道大会だが、今年は涼しい中での開催となった。
決勝当日は朝からぽつりぽつりと雨が降り、一時、激しくなる場面もあった。わっさむサーキットの土質は少し湿ると、とたんにグリップを失う手ごわいもの。名物の最終セクションでは、ほとんどのライダーが5点という厳しい状況となった。
5月の第3戦近畿大会がインフルエンザ拡散防止に配慮して中止となって、ここまで1勝のみの小川友幸(Honda)。3位に甘んじた前戦の雪辱をはらしたいところだ。しかし小川友幸は、思い通りのレース展開に持ち込むことができなかった。第1セクションで黒山健一(ヤマハ)、そして尾西和博(Honda)がクリーンしたのに対し、小川友幸は出口の難所につかまってそのまま5点。手痛い滑り出しとなった。
その後の小川友幸は、クリーンを連発して黒山を追うが、黒山も大きな失敗なく、試合を進めていく。例年通り難所となった第7セクションでは、ほぼすべてのライダーが5点となり、小川友幸もまた5点となった。ところがここを黒山は1点で抜け、第1セクションでとられたリードはさらに開く結果となった。さらに第9セクションで小川が3点となると、1ラップめの終了時点で黒山と小川友幸の点差は、12点にまで開いた。
さらに、減点19の小川友幸に対し、もうひとりのライバルである野崎史高(ヤマハ)が減点15と好スコアをマークして2番手につけていた。小川友幸は、優勝争いの前に、まず野崎との戦いに勝利しなければいけなくなった。しかも小川友幸に2点差の21点には、渋谷勲(Honda)もつけている。黒山が頭一つリードし、2番手争いは接戦となった。
2ラップ目、雨が強く降るなど、コンディションは厳しさを増している。1ラップ目に小川友幸と野崎がクリーン、黒山が1点となった第3セクションも、2ラップ目には軒並み5点。そろって減点は増やしているが、黒山のリードは変わっていない。2ラップ目の減点は、小川友幸と黒山が同点の19点だった。逆に、1ラップ目に2番手につけていた野崎は29点と減点を増やし、小川友幸が2番手に浮上した。小川友幸が勝利を得るには、3ラップ目に黒山を12点上回る必要がある。
3ラップ目、セクションの難度はさらに増している。第2セクションから第4セクションまで、小川友幸は連続5点。追撃になかなか勢いがつかない。この3つのセクションは黒山も連続5点となったが、12点のビハインドは変わらない。
結局3ラップ目、黒山は2ラップ目より減点を6点増やして25点、トータルは51点となった。これに対して小川友幸は3ラップ目に黒山より2点多い27点。結果的には1ラップ目の減点が響いて追撃もならず、3ラップトータルで65点。野崎は3ラップ目にさらに減点を増やして75点となり、小川は2位の座を得ることになった。
1ラップ目に4番手につけた渋谷は第4セクションでクラッシュして背中を打ち、その影響からその後の減点を増やすことになった。最終結果は6位。代わって、序盤は不調だった小川毅士(Honda)が後半盛り返して4位に入った。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
1 | 1 | 黒山健一 | ヤマハ | 0 | 51 | 13 |
2 | 2 | 小川友幸 | Honda | 0 | 65 | 10 |
3 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 0 | 75 | 8 |
4 | 4 | 小川毅士 | Honda | 2 | 95 | 1 |
5 | 6 | 田中善弘 | ベータ | 0 | 100 | 7 |
6 | 11 | 渋谷勲 | Honda | 0 | 100 | 5 |
7 | 8 | 尾西和博 | Honda | 0 | 120 | 3 |
8 | 14 | 柴田暁 | Honda | 0 | 126 | 1 |
10 | 15 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 151 | 0 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 黒山健一 | ヤマハ | 57 |
2 | 小川友幸 | Honda | 52 |
3 | 野崎史高 | ヤマハ | 45 |
4 | 小川毅士 | Honda | 41 |
5 | 田中善弘 | ベータ | 28 |
6 | 尾西和博 | Honda | 26 |
7 | 柴田暁 | Honda | 24 |
8 | 斎藤晶夫 | Honda | 23 |
9 | 渋谷勲 | Honda | 21 |
11 | 三谷英明 | Honda | 11 |
コメント
小川友幸(2位)
「出だしが悪かったですね。終わってみれば、出だしの点差がそのまま試合の結果になりましたから、痛かったですね。まず第1で、止まろうか一気に行こうか悩んだ結果、少し無理に行って、結局それが5点につながって流れが向こうにいってしまったということがありましたね。第7セクションでも5点が2回ありますし、5点が多かったのが残念です。第7については、一番条件が悪かった3ラップ目に2点で抜けられたんで、もう少し5点を減らせればチャンスがあったと思います。2連勝されたのは痛いです。残り3戦、まず2回は絶対に勝たなければいけないので、ばん回したいと思います」
小川毅士(4位)
「調子は悪くはなかったと思うんですが、勝ちたかったという意識が前面に出てしまって、気負いすぎてうまくいかなかったです。体が思ったより動けてなかったり、ここを落としたら絶対にだめだという思いが強すぎたりしてあまりうまく走れませんでした。セクションは難しかったですね。特に第7はきつかった。個人的には登りの2セクションに苦手意識があるんです。次はがんばります」
渋谷勲(6位)
「2ラップ目の後半くらいから、マシントラブルも出てしまい、背中も強打し、リズムが崩れてしまいました。1ラップ目はいい感じで走れていたんですが、ちょっと惜しかった。バイクにも慣れてきたし、1ラップ目は表彰台に立てそうな位置にいたので、次は結果を残したいと思います」