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3月に行われた開幕戦の関東大会では、小川友幸(Honda)と小川毅士(Honda)が表彰台に立ち、Hondaにとって幸先のいいシーズンのスタートとなった。
続く全日本選手権第2戦は、九州の南端、鹿児島県の薩摩半島の入り口にある錫山オフロードランドで開催された。昨年、一昨年と全日本選手権の九州大会はこの会場で開催されている。3年目にして初めて好天に恵まれ、セクション設定はやや難度を高めている。
第1セクションで好調な走りを見せたのは、開幕戦に引き続き小川毅士だった。小川毅士は第1セクションをクリーン。小川友幸が減点1点、今大会でマシンをスコルパから変更した坂田匠太(ガスガス)が2点で、そのほかのライダーは5点だった。
今大会は小川友幸も好調で、序盤は2人のHondaライダーがトップをキープする展開になった。
2008年チャンピオンの黒山健一(ヤマハ)は、第1セクションで5点となるとその後も1点が並び、第5セクションまでクリーンなし。この時点で、トップの小川友幸の減点は合計3点。小川友幸は序盤にして、黒山に6点のリードを奪った。
ところがその後、黒山が急速に復調してきた。対して、小川友幸は、かろうじて1ラップ目のトップを守るものの、ラップを重ねるに従って減点を増やしていく。
小川毅士も、光るライディングを見せはしたが、結局、成績をまとめるところまでには至らず、4位をキープするという試合展開になった。
黒山がトップ、小川友幸が2位で、最終3ラップ目に突入。このラップに入って、黒山のチームメートである野崎史高(ヤマハ)が、いいペースでセクションを回り始めた。これに対して、小川友幸はついに本領を発揮できないままに試合の終盤を迎えていく。結局、小川友幸は、2位の座も野崎に譲って、3位で全日本選手権第2戦を終えた。
小川毅士は、3位の小川友幸と20点以上の差を開けての4位。今回は開幕戦のように表彰台を獲得するような走りができなかった。ライディングの技術点は確実に上がっている。次の大会以降で期待だ。
5位には、開幕戦の欠場から選手権に復帰してきた渋谷勲(Honda)が入った。新しいマシンの特性にまだ慣れておらず、まずはセッティングを完成させるのが課題のようだ。
シリーズを2戦終えて、ランキングはディフェンディングチャンピオンの黒山が一歩リード。それを小川友幸が2点差で追っている。
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 |
1 | 1 | 黒山健一 | ヤマハ | 2 | 47 | 12 |
2 | 3 | 野崎史高 | ヤマハ | 3 | 52 | 12 |
3 | 2 | 小川友幸 | Honda | 0 | 65 | 9 |
4 | 4 | 小川毅士 | Honda | 2 | 86 | 7 |
5 | 11 | 渋谷勲 | Honda | 0 | 91 | 7 |
6 | 6 | 田中善弘 | ベータ | 0 | 111 | 3 |
7 | 15 | 斎藤晶夫 | Honda | 0 | 121 | 3 |
8 | 8 | 尾西和博 | Honda | 0 | 121 | 1 |
10 | 14 | 柴田暁 | Honda | 0 | 132 | 2 |
11 | 10 | 三谷英明 | Honda | 0 | 136 | 2 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
1 | 黒山健一 | ヤマハ | 37 |
2 | 小川友幸 | Honda | 35 |
3 | 野崎史高 | ヤマハ | 30 |
4 | 小川毅士 | Honda | 28 |
5 | 田中善弘 | ベータ | 17 |
6 | 斎藤晶夫 | Honda | 17 |
7 | 尾西和博 | Honda | 17 |
8 | 柴田暁 | Honda | 16 |
9 | 渋谷勲 | Honda | 11 |
10 | 三谷英明 | Honda | 11 |
コメント
小川友幸(3位)
「1ラップ目はそれなりに点数をまとめていたのですが、2ラップ目以降、失敗が多かったですね。長いセクションを走るのに、少しミスをすると時間が足りなくなり失敗につながる。それでまた焦りを生むという状態でしたが、ここまで失敗が続いたのは、初めてかもしれません。珍しいことです。ライディングとマシンについては、そんなに悪くなかったと思います。セクションも悪くなかった。ただ、ポイントが多くて、時間がなかったかなとは思います。それでも、お客さんが見やすいようにいろいろ考えられていたし、いい大会だったと思います。しかし自分のことに目を向ければ、3位はよくないですし、3ラップ目に崩れていったことは、情けないと思います。しかし、第1戦は優勝もしていますし、昨年とは違います。ぜひ巻き返していきたいと思います」
小川毅士(4位)
「試合序盤は、いい感じで走り始められたけれど、第5セクションで5点をとって、それ以降、離されていってしまいました。ライディング自体は悪いものではなかったと思いますが、勝負に突き進む戦い方ではなかったという印象でした。次は、勝負ができる走りをしたいですね。気持ちの切り替えが一番難しいのですが、次はうまくやりたいですね」
渋谷勲(5位)
「今回、直前に新しい仕様のマシンを投入しました。ある程度まとまった状態にしようとしたのですが、やはり試合になると自分のライディングとのスタイルの違いが出て、ライディングに迷いが出てしまいました。僕は神奈川出身ですが、今は大阪に拠点があるので、次の近畿大会は地元のようなものです。ですので、お世話になっている、ぱわあくらふとさんの協力を得て、近畿大会までには自分のスタイルができるセッティングを煮詰めたいと思います」