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リザルト ポイント
第4戦 北海道・わっさむサーキット 第4戦 北海道・わっさむサーキットview

小川友幸、惜しくも勝利を逃して2位表彰台

2008年8月3日(日)
決勝
会場:わっさむサーキット
天候:曇りときどき雨
気温:26℃
観客:920人
セクション:岩、泥

毎年、8月の初めに開催される全日本選手権北海道大会。会場のわっさむサーキットのレイアウトはコンパクトで、歩いて観戦するのも容易だ。

小川友幸(Honda)は3戦連続で優勝を逃していて、背水の陣で北海道大会に臨んだ。第3戦では3位表彰台と、今シーズンで初めて2位の座をも失う結果に終わり、今大会は起死回生を期す一戦となる。

第3戦で大ケガを負った田中太一(Honda)は、顔の手術を受け、まだ骨が完全にはくっついていない状態でレースに臨んだ。ここ数年、歯車がかみ合わない戦いを続けてきた田中だが、負傷リタイアにより無得点のまま入院、そして手術と大変な苦境に立たされたことで、逆に勝利に向けて気合いが増しているようだ。

1ラップ目序盤、小川の調子が上がらない。第1セクションでカード不通過を取られて減点5点、第2セクションでも土の壁を上りあぐねて3点。そして、第3セクションの大岩で1点と、3つのセクションを終えて合計9点は、いつものペースからすると低調だ。

一方で、スタートからキレのいい走りを見せているのは野崎史高(ヤマハ)。しかし野崎は、第3セクションで後輪にテープを絡まらせてしまい5点。序盤の戦いを有利に展開したのは、ポイントリーダーの黒山健一(ヤマハ)だった。第1セクションで1点、第3セクションで2点とぽつぽつ減点してはいるが、序盤4セクションを終えて減点4点と、乗れている野崎の減点6点をしのいでトップに立つ。小川は減点10点、田中は減点11点だった。

ところが第6セクション以降、川が絡んだセクションが出てくると、黒山が減点を取り始めた。第6セクションの最後の大岩を上れず、第8セクションも川からの大岩を上れなかった。

ここで小川が一気に攻勢をかけた。序盤の走りは、本人も首をかしげるような不調だったが、そのままでは終わらない。第6セクションをクリーン、第7セクションは全員が5点となったが、第8セクションは1点と、黒山のリードを一気にひっくり返してトップに躍り出た。

1ラップ目、小川の減点は21点。そして、黒山の減点26点を追い抜いて田中が2位。田中も小川と同様に後半で追い上げのレースを見せ、ほかの全員が上れなかった最終セクションのコンクリートブロックで、見事なクリーンを果たしたのだった。

2ラップ目、小川の走りはさえていた。1ラップ目にクリーンした第6セクションでこそ5点となったが、最終セクションでもクリーン。ラップの減点を9点に抑える見事な走りを見せた。黒山も減点9点で両者の差は縮まらず。田中は減点10点で2ラップ目を終え、3位の黒山に1点差の2位。小川がトップで最終ラップに突入することになった。

3ラップ目、ここで黒山が踏ん張りを見せた。小川は、ぽつぽつ減点を重ねていく。それでも、3ラップ目第5セクションまでは小川がトップを守っていた。第6セクションは、1ラップ目に黒山がペースを乱し始めたセクションだが、3ラップ目には小川がペースを乱し始めた。第6セクションでは、黒山と田中のクリーンに対して小川が5点。これで田中がトップ、2位に黒山が浮上した。小川は黒山に1点差の3位に落ちてしまった。

第7セクション、黒山が1点で通過。小川と田中が5点となったことで、黒山が頭1つリードしてトップに立つ。田中が2点差で2位、小川は黒山に5点差で3位。

その後、1ラップ目、2ラップ目と最終セクションをクリーンした田中が最後の最後で5点をとり、小川が田中を抜いて黒山に次ぐ2位。大ケガからの復帰戦となった田中は、勝ってもおかしくない走りを見せるも3位となった。

以下、4位には、途中、エンジンにトラブルが発生した野崎。小川毅士(Honda)は、点数は上位4人に大きく離されたものの5位に入った。

コメント

小川友幸(2位)

「1ラップ目の出だしが悪くて自滅してしまった感じです。今日のセクション設定は、クリーンか、失敗すると5点。どっちかに転ぶような設定でしたので、あきらめずに走ったところ、トップに出ることができました。でも最終的にあと少しのところで逆転されてしまいました。正直、ランキングを守るのは難しい段階かもしれません。ただ、1勝もしていないことが自分としては納得できてないので、残りの大会は勝利を目指して試合に挑みます」

田中太一(3位)

「前回のケガという逆境はかえってよかったと思います。あとはもう優勝を狙っていくだけですしね。競技中は点数を把握していなくて、つらかった治療のことや励まして応援してくれた人たちのことを思い出してがんばりました。ケガのあとで、体力的にも不安があったのですが、最後の最後まで気力で走りました。正直、今日のライディングはまだ自分で満足できていません。自分のライディングをマシンの状態に合わせていけば、今回のパフォーマンスをコンスタントに出せると思うので、シリーズ後半戦への流れを作れると思います。まずは1勝を挙げたいです」

小川毅士(5位)

「調子がいいのか悪いのか、自分でもよくわからない一日でした。出だしは、まあまあの走りができましたが、自分とバイクのバランスがかみ合わなかった。よいときは決まりますが、少しでもバランスを崩してしまうと、修正できずにパタッと5点になってしまう。思ったより順位は落ちませんでしたが、トップ集団とは大きく点差をつけられました。次回は表彰台を目指してがんばります」

決勝リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 0 39 14
2 1 小川友幸 Honda 0 43 16
3 4 田中太一 Honda 0 46 15
4 3 野崎史高 ヤマハ 0 54 13
5 10 小川毅士 Honda 0 90 5
6 8 坂田匠太 ガスガス 0 109 3
8 6 田中善弘 Honda 0 116 3
9 9 尾西和博 Honda 0 117 1
10 14 三谷英明 Honda 0 136 0
11 13 小森文彦 Honda 0 139 0

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 80
2 小川友幸 Honda 66
3 野崎史高 ヤマハ 60
4 小川毅士 Honda 48
5 田中太一 Honda 39
6 井内将太郎 ベータ 39
7 田中善弘 Honda 36
9 三谷英明 Honda 26
10 尾西和博 Honda 25
11 小森文彦 Honda 13

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