モータースポーツ > 全日本トライアル選手権 > 第3戦 兵庫・猪名川サーキット 決勝
リザルト ポイント
第3戦 猪名川サーキット 第3戦 兵庫・猪名川サーキットview

小川友幸、苦しいレースで3位に終わる

2008年5月25日(日)
決勝
会場:猪名川サーキット
天候:雨のち曇りのち晴れ
気温:17℃
観客:1200人
セクション:泥、沢、岩

チャンピオンゼッケンをつけた小川友幸(Honda)に今シーズンの勝ち星がないまま、全日本選手権は兵庫県猪名川サーキットで第3戦を迎えた。前日から雨模様で、当日は雨が上がるという予報だったものの、細かい雨はなかなか止まない。雨が降れば沢の流れが増し、止めば止んだで、重たく滑りやすい泥がライダーを苦しめることになった。

泥の斜面と大岩の組み合わせの第1セクション、田中善弘(Honda)が真っ先にクリーン。しかしそのあとが続かず、小川毅士(Honda)が5点、小川(友)のライバル野崎史高(ヤマハ)も5点となった。結局このセクションをクリーンしたのは、田中(善)と黒山健一(ヤマハ)の2人だけだった。

第2セクションでは、大きなアクシデントが発生した。黒山がクリーンしたあと、1分のセクショントライの制限時間が残りわずかとなった田中太一(Honda)が、あせりからか岩からの飛び降りに失敗。顔面から岩盤に激突してしまった。鼻を切り、あごを骨折する重傷を負った田中(太)は、タンカで運ばれて戦列を離脱。トップ争いの一角がリタイアとなった。

また、このセッションで小川(友)は1点の減点を加え、クリーンを続ける黒山に4点差をつけられてしまった。さらに第3セクションではタイムオーバーで5点となるなど、小川(友)らしいキレのある走りが見られない。

小川(友)は、数日前の練習中に肩を痛めてしまい、ようやく2日ほど前にオートバイに乗れるようになったばかりという状況だった。痛みが激しいため、動きを止めてしまったマシンを押し出すにも気合いが必要になる。いつもと比べて、その分、タイミングが遅れてマシンを押し出すこととなり、それがタイムを使い果たすことになったり、走破できずに終わったりする結果につながっている。

それでも、1ラップ後半のセクションを手堅くまとめた小川(友)は、トップの黒山に5点差まで詰め寄った。1ラップ目の黒山の減点が21点、タイムオーバー減点が9点で30点。対して小川(友)は減点26点、タイムオーバー減点が9点で35点。5点差と、まだ逆転のチャンスはあった。しかし、一方で3位につける野崎が減点32点、タイムオーバー減点4点の36点で、小川(友)に1点差と迫っていた。

2ラップ目になっても、小川(友)の調子は上がらない。黒山が1ラップ目の21点から16点に、野崎が32点から18点に減点数を減らしてくる中、小川(友)は26点から29点に減点を増やしてしまった。これで黒山に点差を広げられただけでなく、野崎に2位の座を10点差つけられて譲ることとなってしまった。結局、このまま黒山がリードを保って3連勝。2位に野崎、小川(友)は野崎に6点差で3位だった。

1ラップ目に9位と出遅れた小川毅士(Honda)は、1ラップ目、3点がたった1つで、残りはすべて5点。1ラップだけで減点58と厳しいスコアとなった。しかし2ラップ目以降、気を取り直して自分のトライを心がけた結果、減点数こそ137点とトップ3には大きく離されたものの、小川(友)に続く4位を獲得した。

5位には田中(善)が入った。第1セクションでのクリーンは見事だった。第1セクションは田中(善)の十八番のようで、この日は3ラップともクリーン。そのほかのセクションではクリーンが出なかったものの、Hondaへの乗り換え3戦目にして躍進を見せた。そのほかHonda勢は、尾西和博が6位に1点差の7位、三谷英明が9位、小森文彦が10位だった。

コメント

小川友幸(3位)

「ライディングにキレがなかったですね。2日前の練習で肩を痛めてしまい、それがかなりつらかった。1ラップを終わった時点で、5点差まで追いつめることができたのでチャンスはあったと思います。しかしそのあとは自滅パターンでした。クリーンか5点というセクション設定だったので、失敗するとガタッと落ちますね。ここで3位の成績は厳しいです。タイトルを目指すには、残りはすべて優勝していくしかないです。でも、あきらめずにがんばっていきます」

小川毅士(4位)

「1ラップ目の第1セクションで失敗してから微妙に気分が悪くなりました。第2セクションで、カードに触ったという理由の5点で、さらに気分が悪くなって、そこから立ち直れませんでした。1ラップ目は最後まで集中力が持たないというか、かなり減点を取り、上位に食い込むには点差が開き過ぎました。2ラップ目以降で追い上げることはできたと思いますが、1ラップ目の減点が最後まで響いてしまいました」

田中善弘(5位)

「今年からHondaに乗り換えて、すぐに成績が上がってきてとてもうれしいです。気持ちが変わり、やる気が去年より出ています。今日は第1セクションしかクリーンが出なかったのですが、3ラップともクリーンというのは気持ちがいいです。先日、この会場で行われた近畿選手権に、練習のために走りにきました。その成果があったと思います」

決勝リザルト

順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 2 黒山健一 ヤマハ 10 63 14
2 3 野崎史高 ヤマハ 4 80 9
3 1 小川友幸 Honda 10 86 11
4 10 小川毅士 Honda 7 137 5
5 6 田中善弘 Honda 1 150 3
6 5 井内将太郎 ベータ 4 158 0
7 9 尾西和博 Honda 1 159 0
9 14 三谷英明 Honda 2 164 0
10 13 小森文彦 Honda 7 175 0
RT 4 田中太一 Honda - - -

ポイントスタンディング

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 黒山健一 ヤマハ 60
2 小川友幸 Honda 49
3 野崎史高 ヤマハ 47
4 小川毅士 Honda 37
5 井内将太郎 ベータ 30
6 田中善弘 Honda 28
7 田中太一 Honda 24
9 三谷英明 Honda 20
10 尾西和博 Honda 18
11 小森文彦 Honda 13

フォトギャラリー

  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット
  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット
  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット
  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット
  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット
  • 第3戦 兵庫・猪名川サーキット