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日本 東北・SUGO
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ROUND
#06
SEPTEMBER 02, 2007
リザルト ポイント

小川は2位でランキングトップをキープ

第6戦 東北・SUGO
会場:スポーツランドSUGO
天候:曇りときどき雨
気温:20℃
観客:1100人
セクション:泥、岩、コンクリート

今シーズン、初の全日本チャンピオンに向けてまい進する小川友幸(Honda)。ここまで3勝、敗れたときも必ず2位に入るというステディな戦いをしてきた小川にとって、この大会はライバルを突き放して、リードを広げる大きなチャンスの一戦となる。

第6戦 東北・SUGO

いつものように、各選手が長い下見を繰り返して、なかなかトライに入らない第1セクション。トップライダーの中では、真っ先にトライしたのが小川だった。急な岩盤を上り、難度の高い出口で小川の減点は1点。ここで黒山健一(ヤマハ)は減点5点。野崎史高(ヤマハ)はただ一人クリーンして、SUGOが得意なところをアピールする。

黒山は、続く第2セクションでも5点。小川とのチャンピオン争いに臨む緊張が、正確なライディングに狂いを生じさせていた。ここは小川も野崎とともにクリーンしている。

岩を積み上げた第3セクション、今度は小川と野崎が5点になると、黒山はここをわずか1点で通過する。野崎が試合をリード、これを追う小川という展開となったが、黒山も調子を取り戻してきた。

トップクラスの動きがふたたび止まったのが第5セクション。ざくざくとした地面の上りで、ラインができていないため、様子見で全員がけん制しあう状況となった。ここでも小川が真っ先に動く。しかし、今度はそれが裏目に出て5点。このあと、さらに長い下見をしてトライした黒山は1点、野崎はクリーン。小川は野崎に5点のリードを許し、さらに田中太一(Honda)にも3点リードされ、黒山には1点差まで詰め寄られる結果となった。

水が流れる沢から岩を駆け上がっていく、自然の中に設定された第7、8セクションは、今回の中では数少ないトライアルらしいセクション。一歩先んじて第7セクションに到着した小川は、ライバルがまだ到着する前にトライを開始して3点。田中は5点となったが、黒山、野崎はともにクリーンして、この時点で小川は4位まで後退してしまった。さらに第9セクションの大岩上りでも5点となった小川は、1ラップ目を終えたところでトップの黒山に6点差、3位の田中とは1点差の4位となった。

しかし、小川以外のトップグループは、前半の下見に時間を使いすぎたために、1ラップ終盤にタイムオーバーの危機にあった。ランキングトップの小川は最もスタートが遅いが、そんな中で先頭を切って走る小川は、1ラップ3時間半の持ち時間に間に合った。ライバルたちはタイムオーバー減点を取り、中でも野崎はタイムオーバーを嫌って比較的クリーンの出やすい第10セクションを回避した。野崎の1ラップ目の順位は2位だが、小川とはわずか2点差だ。

2ラップ目。第1セクションと第3セクションは全員が5点。第4セクションで黒山が1点をついて、小川との点差は5点に。小川は第4セクションからクリーンを続けて第9セクションにやってきた。ここで1点の小川。しかし黒山もここで1点。小川は第1から第3まで連続5点の田中、第4まで連続5点の野崎を逆転して、2位までポジションを回復してきた。

しかし、2ラップ目の最終セクション、小川がゲートマーカーに触れたとして5点を宣告される。これで黒山との差は10点に。優勝を争うには、やや点差が開きつつあった。2ラップを終えて、黒山25点、小川35点、田中と野崎が46点(クリーン差で田中が上位)と、田中と野崎の3位争い以外は点差が開いて、いよいよ勝負は3ラップ目に入った。

小川は、この時点で確実に2位を守る作戦にシフトしつつあった。今シーズン、ランキングトップを守っている一因には、勝てないときの2位キープがあった。第4セクションの泥の斜面を滑り落ちてしまった小川は、優勝争いはこれまでと、完全に2位キープに戦法を切り替えていた。

ところがこのあと、黒山が減点を重ねはじめた。第7、そして最終セクションで5点をとった黒山は、さらにタイムオーバー減点が6点。トータルで減点は50点となった。これに対して、第4セクションの5点以降は1点が3つと、確実にセクションを走り終えた小川は、タイムオーバーなしでトータル減点は51点。終わってみれば、小川はわずか1点差で勝利を逃す結果となった。

今回2位を守り、ランキングでは黒山にいまだ6ポイントをリードしている小川だが、試合後は勝てる試合を落とした悔しさをにじませていた。

序盤、好調だった田中太一は、トップ争いに加われた実感には満足しつつも、トップとの19点差が課題となった。終盤に減点をとって、野崎に3点差で逆転を許してしまったのも悔しいところだ。シーズンオフの負傷から復帰した尾西和博(Honda)は、最下位の7位で試合を終えている。

次戦は9月16日。本州の西の端、山口県下関のフィールド幸楽トライアルパークにて開催される。全日本選手権もいよいよ残り2戦となった。ランキングトップの小川と2位の黒山の点差は6ポイントとなっている。

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COMMENT

コメント

Tomoyuki Ogawa 小川友幸(2位)
  「1点差の2位はとても悔しいです。競技中はもう少し離されている思っていたのですが。1ラップ目の第4セクションまではリードできていたのですが、第5で失敗しました。その失敗を、最後まで引きずってしまったようです。ポイントラインキングではトップにいるので、今回はもうちょっと離したかったです。今日のミスの多い試合展開でも1点差だったので、ある意味では自信につながったともいえます。残り2戦。なんとしても攻めのトライアルでいきます!」
Taichi Tanaka 田中太一(4位)
「調子も戻って、自分自身しっかり戦った感触はありました。でも結果は悔しいですね。3ラップ目の第8セクションでエアターンした瞬間にテープからはみ出てしまったんです。初歩的なミスです。あの5点が今日いちばん悔しかった。点数的にもランキング的にも、トップからずいぶん離されてしまったので、順位より、内容を高めるように、次戦がんばります」
Kazuhiro Onishi 尾西和博(7位)
「とても残念な結果でした。ケガは大分よくはなっています。ケガを言い訳にはしたくないと思っているので、次回はもっと順位を上げるつもりでがんばります」
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RESULT × POINT

決勝リザルト

レース
ROUND
#06
SEPTEMBER 02, 2007
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 1 黒山健一 ヤマハ 6 50 16
2 2 小川友幸 Honda 0 51 15
3 4 野崎史高 ヤマハ 1 66 13
4 3 田中太一 Honda 3 69 12
5 8 井内将太郎 ベータ 3 116 3
6 9 田中善弘 ガスガス 1 119 3
7 5 尾西和博 Honda 0 123 3
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ポイントスタンディング

ライダー
 
順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 小川友幸 Honda 111
2 黒山健一 ヤマハ 105
3 野崎史高 ヤマハ 96
4 田中太一 Honda 72
5 井内将太郎 ベータ 58
6 渋谷勲 ベータ 48
7 坂田匠太 ガスガス 37
8 田中善弘 ガスガス 35
9 尾西和博 Honda 19
10 小川毅士 Honda 13
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