最初の難所は第3セクションだった。沢から大岩が突き出た斜面を駆け上る。ここで小川友幸(Honda)、野崎史高(ヤマハ)が失敗して、減点5点となった。対して黒山健一(ヤマハ)はクリーン、田中太一(Honda)が1点でここを抜けて、レースをリードしはじめる。
野崎が岩の正面を避けて横から上るラインでクリーンした第4セクション、小川はそこに至る下り坂で斜面を落ちてしまう。さらに黒山も真正面から岩に対峙して減点5点。一方の田中は、ここを3点で抜けた。
小川はこの連続の5点で乱れ、さらにこの日一番の難所となった、沢の一番奥の第7セクションでも5点を喫した。田中は、序盤にリードをとったものの、その後細かいミスが目立って、そのリードを守りきれなかった。1ラップ目に減点5点が1つもないのは田中ただ1人。田中は、2週間前に右手親指のじん帯を痛めていたが、その痛みに耐えながらトップ争いを繰り広げていた。
1ラップ目が終わると、トップは黒山で12点。2位が田中で14点。野崎が15点で3位、そして小川が17点と続く。小川とトップの黒山までが5点差という接戦で、2ラップ目に突入した。
小川は、ここから少しずつペースを取り戻してきたものの、最難関の第6セクションと、すべりやすい泥のヒルクライムの第8セクションで減点5点を喫している。それでも3ラップ目にはようやく減点5点なしで12セクションを走り終えた。鬼門となった第6セクションだけはクリーンできず、3点で通過。1ラップ目の4位から、毎ラップで順位を上げて、2戦連続の2位となった。
逆に田中は、指の痛みもあって、ラップごとに減点を増やしていってしまう。最終的には、持ち時間を20秒ほどオーバーしてタイム減点を1点加算。渋谷勲(ベータ)と同点となり、クリーン差で破れて5位となった。
前戦に続く2位となった小川は、4戦を終わってランキングトップの座をキープ。2位の黒山とのポイント差は7点となっている。 |