初開催の会場であることに加え、土曜日から日曜日の朝にかけて降った雨がライダーたちを悩ませる。天候が回復するにつれて雨を含んだ泥が乾き、刻々とグリップが悪化。しかし、トップライダーたちは続々と第1セクションをクリーンしていく。
ところが、第2セクションのヒルクライムで昨年のチャンピオンの黒山健一(ヤマハ)が減点5点。さらに第3セクションでは小川がミスをして3点減点。田中太一(Honda)も第4セクションまでに2つの5点減点を喫してしまう。第5セクションまでオールクリーンの野崎史高(ヤマハ)が序盤戦をリード。これに3点減点の小川、7点減点の坂田匠太(ガスガス)、9点減点の黒山らが続いた。
流れが大きく動いたのは、難所続きの第6、第7セクション。この両セクションで5点減点が1つもなかったのは小川と田中だった。1ラップ目終了時点で、第6、第7以外の全セクションをクリーンした野崎がトップを守るも、小川が1点差で肉薄。田中は減点23点で、渋谷勲(ベータ)と同点ながら4位につけた。
2ラップ目、小川は第2セクションで減点2点を喫したものの、滑る岩を登る第3セクションをクリーンし、ここで減点5点となった野崎を逆転してトップに浮上。難所の第6、第7、第9セクション以外をクリーンして、トップの座を死守する。
小川と野崎は2点差で3ラップ目に突入。わずかなミスが勝負の明暗を分ける緊張した状況の中、小川は1回の足つきもなく、全10セクションを走りきった。一方、野崎は減点7点を喫したため、小川が開幕戦に続いて2連勝を果たした。また、田中は3ラップ目に8つのクリーンを奪ったものの、トータルで9つの減点5点を喫したため、不本意な4位で競技を終えた。なお、尾西和博(Honda)は、手首の骨折が完治してから試合に復帰する予定で、今大会は欠場した。
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