2006年シーズン最終戦。チャンピオン争いの渦中にいる小川友幸選手(Honda)は、最終戦を前に黒山健一選手(スコルパ)と11ポイント差の2位につけている。黒山選手は今大会で7位に入ればタイトル獲得が決定するが、小川選手はライバルの動向を気にすることなく、この大会に勝利することに全精力を傾ける。
トップカテゴリーの国際A級スーパークラスは、10セクション3ラップで競われた。優勝を狙う小川選手は、第2セクションで5点減点。厳しい出足となってしまった。野崎史高選手(ヤマハ)はクリーン、黒山選手は1点減点、田中太一選手(Honda)は2点減点、成田匠選手(ヤマハ)は3点減点で、このセクションを終えた。
2mの真直角のコンクリート壁を登る第3セクションでは、トップライダーが次々とはね返されていく。小川選手も果敢にトライしたが、完全に登りきったと思われた次の瞬間にずり落ちて5点減点。クリーン可能とみて一瞬、足を出すのを我慢した結果だった。さらに小川選手は、水を含んだ沢筋の斜面を駆け上がる第4セクションでも5点減点を喫し、ライバルにリードを許す結果となってしまった。
小川選手は1ラップ目終了時点で、10セクションのうち5セクションで5点減点を喫した。それでもラップ成績は3位で、トップの黒山選手とは11点差、2位の野崎選手とは7点差。まだ優勝の可能性は十分に残されている。一方、田中選手は大量減点を喫して、1ラップ目を6位で終えた。
2ラップ目になると、小川選手は調子を上げて確実に試合を進めていった。ところが第9セクションの大きなコンクリートブロックに挑むポイントで痛恨のミス。2ラップ目終了時点で小川選手の減点は54点となった。
3ラップ目も小川選手は、黒山選手と野崎選手を必死に追い上げる。しかし野崎選手にあと一歩届かず3位。シリーズランキング2位で2006年シーズンを終えることになった。結局、最後までリードを保った黒山選手が優勝し、シリーズチャンピオンを獲得。田中選手は4位でフィニッシュし、シリーズランキング3位を獲得した。
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