全日本トライアル選手権 Honda Racing
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レース情報 決勝レポート フォトギャラリー
2006.09.10 Rd.06 中国・幸楽
スケジュール
Rd. Date
01 3/12
関東・真壁
02 3/26
九州・矢谷渓谷
03 5/7
北陸・大日ヶ原
04 5/28
近畿・猪名川
05 8/6
北海道・わっさむ
06 9/10
中国・幸楽
07 10/15
中部・キョウセイ
08 10/29
東北・SUGO
第6戦 中国・幸楽
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田中太一が2位。小川友幸、4連勝ならず3位
決勝日:2006年9月10日(日)
会場:山口県下関市員光フィールド幸楽トライアルパーク 天候:晴れ 気温:25℃ 観客数:2000人
リザルト&ポイント

 前戦まで3連勝を挙げ、好調をキープする小川友幸選手(Honda)。今回勝って4連勝とすれば、チャンピオンシップを優位に進めることができる。そういう意味でも、小川選手にとってはこれまでの3戦以上に、今回は重要な一戦となる。

第6戦 中国・幸楽
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第6戦 中国・幸楽
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 コンディションはすこぶる快調。小川選手には腰痛という長年の持病があるが、最近は体調維持にも努めていて、ライディングに影響が出るほどの症状までには至らず、レースにはまったく支障のない状態が続いている。加えてマシンのコンディションが、どんどんとよくなっている。小川選手には、勝ちパターンが備わってきていた。

 しかし一方、4連勝への思いは、大きなプレッシャーとなって小川選手を襲った。決勝の朝の小川選手は、身体がかたかった。野崎史高選手(ヤマハ)と黒山健一選手(スコルパ)がクリーンした第1セクションで減点2点。直角にたった岩に飛びつくポイントだったが、必要以上に構えてしまった結果の減点だった。

 この後、発射台がない、2メートル級の岩に飛びつくポイントのある第4セクションで1回足つきを喫した小川選手だったが、それでもこの時点では、いくつか細かいミスを犯した黒山選手と同点。次の第5セクションでは、黒山選手のフロントホイールに木の枝が刺さって進路を乱すというハプニングもあって、この日初めて1点差ながら試合をリードすることになった。

 この日の勝負の焦点となった第6セクション。助走のない滑りやすい大岩を駆け上がっていくポイントで、小川選手はこの日初めての5点を喫する。1ラップ目のこのセクションをクリーンしたのは、黒山選手ただ一人だった。1点のリードは一気に解消されて、逆に黒山選手の4点リードを追う展開となった。

 さらに追い討ちをかけるように、ヒルクライムの先に横たわる岩に飛びつく第9セクションで、小川選手はまたもこれを上れずに5点。ここでは黒山選手をはじめ、野崎選手、そしてこの日は出だしから5点を取って波に乗れなかった田中太一選手(Honda)もクリーンを叩き出した。小川選手の連勝は、ここにきて危うい状況となりはじめた。

 1ラップ目、トップは黒山選手の4点(タイム減点を含むと6点)で、小川選手は5点が2つ多い14点。両者の間には、野崎選手が入り、小川選手の苦戦が続く。

 2ラップ目、小川選手にさらに悪夢が襲いかかる。点差を縮めるには、なんとしてもクリーンを続けなければいけない。第4セクションの直角岩は、足をついてマシンを持ち上げれば確実性は上がるが、ここでクリーンを狙った小川選手は、足を出すことを拒んだ代償としてリアタイヤを滑らせて、後輪でゲートマーカーを跳ねてしまった。これで小川選手はさらに5点を追加した。

 この後、さらに第6セクションでも1ラップ目と同じ状況で小川選手は5点。もっとも、このセクションは今回の難セクションのひとつで、黒山選手も2ラップ目には上りきれずに5点となった。

 ここで調子の波に乗ったのが田中選手だった。滑りやすい斜め岩の上で、田中選手はグリップを確かめるように、グイグイと確実にマシンを前進させて上りきった。これは大きなアドバンテージとなり、田中選手のばん回が始まった。

 2ラップ目が終わったところで、黒山選手は若干減点を増やしたもののトータル11点(タイム減点を含むと13点)。対して小川選手は31点となっていた。2ラップ目の時点で2位につけたのは田中選手で25点。さらに野崎選手が29点につけて、小川選手を上回った。

 最後の3ラップ目、黒山選手は難関の第6セクションを、安全策をとったラインで2点で切り抜ける。小川選手も同じような安全策をとって1点。しかし田中選手は、ただ一人でクリーンを狙い、2ラップ目と同じく見事にクリーン。2ラップ目の第6セクションから調子づいた田中選手が、ゴールに向けてさらに気合の入った走りを見せた。

 3ラップ目は、黒山選手の8点に対して、小川選手は5点、さらに田中選手は4点のベストスコアタイで10セクションを走り終えた。しかし黒山選手の独走を阻むまでは及ばず、田中選手は久々の2位表彰台を獲得、小川選手はなんとか野崎選手をかわして3位表彰台に滑り込んだ。

 この試合前までに3点あった小川選手のシリーズポイントのビハインドは、これで8点に広がった。残りは2戦。小川選手がチャンピオンになるには、小川選手が2連勝し、黒山選手が3位以下になる必要がある。

第6戦 中国・幸楽
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コメント

田中太一選手 2位
「今回からマインダーが変わって、不安要素の多い戦いになりました。ライダーがその不安をカバーするということで試合を始めたんですが、セクションが思ったよりハードだったので、やはり不安はぬぐい切れませんでした。1ラップ目は持ち時間もハードでした。それで多くの減点をとってしまいました。でも2、3ラップを足せば、黒山選手よりもいい点数で回っているわけで、これはいい結果でした。マシンも仕上がって、いよいよ戦えるレベルになってきたなと確信できます。そういう点で、今回はよかったと思います。でもまだ上があるし、開幕戦が2位でしたから、ようやくここまで戻ってきたというところです。第6セクションは、スタートがシビアでしたけど、そういう練習をしてきたし、マシンのクラッチとかがよくなっているので、トータルで勝ちえたクリーンでした」

小川友幸選手 3位
「思えば、昨日の夜から不調の兆候はありました。勝ちへのプレッシャーで眠れず、苦しい一夜を過ごしました。それでも、ウオーミングアップで流れを変えるべくマシンを仕上げたりしたのですが、第1セクションで2点をとって、悪い流れのまま試合を運んでしまいました。勝負どころの第6セクションで失敗して、黒山選手と点差が開いたのも知っていましたから、そのあとクリーン勝負をして、裏目に出たのも痛かったです。やはり試合では、相手から追われる立場になることが大事だと痛感しました。まだまだ勝ち続けるには経験が必要です。今日は一日中波に乗れずに、苦しい戦いをしてしまいました。これで自力チャンピオンはなくなりましたから、あとは勝つしかない。がんばるしかないです」

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決勝リザルト&ポイントランキング
順位 No. ライダー マシン タイム減点 総減点 クリーン数
1 1 黒山健一 スコルパ 2 21 21
2 2 田中太一 Honda 0 29 18
3 3 小川友幸 Honda 0 36 17
4 8 野崎史高 ヤマハ 0 42 17
5 5 成田匠 ヤマハ 0 72 8
6 9 尾西和博 Honda 4 73 9

順位 ライダー マシン 総合ポイント  
1 黒山健一 スコルパ 111

 

2 小川友幸 Honda 103  
3 田中太一 Honda 90  
4 野崎史高 ヤマハ 80  
5 尾西和博 Honda 54  
6 渋谷勲 シェルコ 50  
ポイント一覧  

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