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レポート
 選手コメント
リザルト
1 黒山健一
2 小川友幸
3 渋谷勲
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ポイント
1 黒山健一 117
2 小川友幸 92
3 田中太一 91
ポイント一覧
最後はタイムオーバーの差…。小川友幸、惜敗

決勝日:9月12日(日) 会場:鳥取県鹿野町鬼入道特設会場・ヒロスポーツランド 観客数:1700人

 残り3戦、全日本選手権も終盤戦を迎えた。会場は今年初めて全日本選手権を開催するヒロスポーツランド。かつてHondaのマシンを駆るトップライダーだった山本弘之がコツコツと整備したトライアル場は、地元の理解を得て広大な山林を敷地としている。

 小川友幸(Honda)は、北海道大会のあと、ライダー、マシンの整備にじっくり時間をかけてきた。トライアルのオリンピックとも呼ばれる国別対抗の「トライアル・デ・ナシオン」も2週間後に控え、また少年時代から苦楽をともにした藤波貴久が世界チャンピオンになった吉報の1週間後。ぜひとも自らの試合もいいニュースに加えたいところだ。

 ここ最近の全日本選手権は、世界選手権ライダーでもある黒山健一(ベータ)が常勝し、小川以下、田中太一(ガスガス)、渋谷勲(ヤマハ)が2位争いを展開するという図式だが、しかし黒山も、楽勝を続けているわけではない。九州大会ではついに田中が一勝を挙げたし、前戦北海道大会では渋谷があと一歩で勝利するところまで迫ってきている。結果だけ並べると黒山の圧勝に見えるが、その内容は毎戦誰が勝つかわからない緊迫した戦いとなっている。

 今回用意されたのは11セクション。そのうち1セクションは国際B級専用なので、国際A級スーパークラスは10セクション。さらに、第9セクションのヒルクライムは結局全ライダーが3ラップともに5点となったので、実質9セクションが戦いの舞台となった。

 9セクション以外は、トップライダーが普通に走ればまず5点にはならないセクション設定で、その通り、4人のトップライダーはわずかなミスをどう防ぐかに腐心しながら、1点を争ってトライを進めていく。

 1ラップ目の第8セクションまでで、トップは黒山健一の1点だった。続くは渋谷の3点で、小川と田中が5点でこれに続いていた。試合が大きく動いたのは1ラップ目の最終セクション。黒山健一がわずかなミスにコンセントレーションを失い、ロックを登れず5点となってしまったのだ。ライバルにとって、これは大きなチャンスだった。そんな中、渋谷がホッピングの最中にわずかにゲートマーカーに触れて5点。一見美しいクリーンだったが、ルールなので仕方がない。田中はわずかにミスをして1点。これで1ラップ目トップはわずか1点差ながら小川。2位に黒山と田中が同点で、さらに2点差で渋谷という展開となった。

 2ラップ目、絶好調だったのが渋谷。渋谷はこのラップ、難攻不落の9セクションのほかは、1点がひとつだけ。1ラップ目の借りを見事に返した格好だ。しかし黒山もこのラップを8点(そのうちの5点は9セクションの分)でまとめたため、渋谷と黒山が同点となったが、クリーン数の差でこのラップまでのトップは渋谷。

 小川はちょんちょんと足を出し続けてしまい、11点の減点。1ラップ目より、わずかながら減点を増やしてしまった。トップの2人には2点差で3位につける。

 田中は、2ラップ目に大きく調子を崩し、9セクション以外にも3つの5点を取ってトップ争いからは完全に脱落した。勝負は小川、黒山、渋谷の3人にしぼられた。

 最後の勝負の3ラップ目。ここでまた波乱が起きた。黒山が5点を取ったのだ。この失点は大きい。そして渋谷が3点。一転、小川が渋谷に1点差でトップに出て、黒山は3位に後退した。この日のセクションコンディションで5点は決定的だ。黒山の連勝は、ここでストップしたかに見えた。

 しかし、勝負は最後の最後までわからない。第5セクションでは、黒山と小川が1点ずつ失点し、そして渋谷が5点を取ってしまう。小川のトップはいよいよ安泰。3点差で2位に黒山、渋谷は黒山から2点差の3位。黒山と渋谷が逆転した。

 めまぐるしい試合展開に、勝負をするライダーたちも、試合状況が明確ではない。目前のセクションで、万全を期して走破するのが唯一の任務だ。

 第7セクションで、今度は小川がミス。痛恨の2点だ。しかしまだ小川はトップを守り、黒山とは1点差だった。残るは第10と第11の2つ。この2つのセクションで勝負が決まる。

 第9セクション、黒山が1点。しかし小川は、ほんの小さな、しかし致命的な2点の減点を喫した。渋谷も同じく2点。これで、減点はまったくの同点となった。しかし、最後に思わぬ落とし穴があった。2ラップ目から3ラップ目、トップライダーたちは、トライに予想以上の時間を費やしていた。トップの3人にはタイムオーバーの減点も課せられたのだ。

 タイムオーバー減点は、黒山が1点、小川が2点、そして渋谷は6点。トライアルは、セクションでの減点と同時に、持ち時間を守ることも成績の大きな鍵となるのだ。結局、トータル減点では黒山が32点、小川は33点、渋谷は40点というスコアが残された。

 勝利した黒山健一は「今日のぼくは負けです。ほんの少し、運があったのと、チャンピオンとしての意地があったということです」とコメントした。この日の小川は、ほんのわずか、運が足りなかった。

 次戦は10月10日、岐阜県坂内村での中部大会となる。

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小川友幸(2位)
「3ラップ目の第1セクションでトップにつけていましたから、今日はかなり勝てるチャンスが多かった試合だったと思います。しかしミスが多かった。しかも最後はタイムオーバーの1分の差での負けですから、なんともくやしい限りです。とにかく、細かいミスが多かった。ここ一番でぼくは本当に弱い。ぼくにとって、大きな大きな課題です」

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