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第7戦
中部大会(岐阜)
2003年10月12日 開催
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レースレポート

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第13セクション入口。ここでの失敗が小川に重くのしかかる
敗れはしたものの、納得行く走りができたと小川は語った
2位の小川(左)。中央はチャンピオンを獲得した黒山

運命の最終セクション。小川友幸は2位に

■決勝日時 :10月12日(日)
■観客数 :1000人 
黒山との接戦の末、2位になった小川友幸
黒山との接戦の末、2位になった小川友幸

 高低差があり、見応えあるセクションとして、全日本中部大会恒例の開催場所となっている坂内バイクランド。心配された天候は、午前中に少しの雨が降ったもののすぐに止み、その後再び降り出すことはなかった。約1000人の観客が見守る中を、持ち時間5時間30分の競技が展開された。

 黒山健一(BETA)が6連勝している全日本選手権シリーズ。今回の第7戦で黒山が3位以内に入れば、最終戦を前にして黒山のシリーズチャンピオンが決定する。波に乗っている黒山の連勝を阻止するべく、現在ランキング2位の小川友幸(HRCクラブミタニ)は本大会に挑んだ。

 今回は15個のセクションを5時間30分で2ラップする競技内容。河川敷から立ち上がる急勾配の斜面。そこに沢と岩盤が広がる環境を存分に利用し、国際B級クラスから最上クラスの国際A級スーパークラスまで、ハイレベルなセクション設定で競技が行われた。特に国際A級スーパークラスのセクション設定は極めて難しく、見応え十分である。優勝争いをする黒山と小川の果敢なトライを見守る観客達は、ライダーがセクションを移るたびに大移動、歓声も止むことがなかった。

 少しだけ雨が降った1ラップ目の第1セクションで、連勝中の黒山は1点の減点を取った。対する小川は流れるような、美しく安定したフォームでクリーンを出し、好調なスタート。その後、小川は第5セクションで2点を取ってしまうが、第11セクションまで小川はトータル2点、黒山は1点という接戦が続いた。今日の小川のテクニックは実に冴えわたっていた。

 しかしながら第12セクションで小川は、安易なポイントでわずかなミスを犯し、1点の足つき。続く第13セクションの豪快な岩盤登りも失敗して5点。黒山はこのどちらのセクションもクリーンしたことで、小川と黒山との点差が開きはじめた。

 今大会の最難関である第15セクションは、その難しさもさることながら、1ラップ目の持ち時間が残りわずかとなったため、小川を含むほとんどの選手が申告の減点5でパスしている。黒山は果敢にトライするが、2つ目の岩の壁面に前輪がささって失敗した。これで1ラップ目の合計は黒山が6点でトップ。小川は13点で2番手となる。3番手は23点の田中太一(GAS GAS)となるが、黒山と小川の減点数は3位以下を大きく引き離す高次元の争いを展開している。

 第2ラップ目に入るなり黒山は、第1セクションで5点を取った。対する小川はクリーンすることで、一気に黒山に2点差へと迫る。そのまま逆転を目論む小川は続けざまにクリーンを続けるが、第8セクションで2点のミス。一方黒山は第10セクションで1点減点と、緊張感みなぎる接戦が続いた。そして黒山と小川の点差は3点で、最難関の最終セクションを迎える。

 その2ラップ目の最終セクション。巨大な2段ステアケース(段差)がライダーを苦しめ、走破不可能としてエスケープするか大クラッシュするかで、結局第1、2ラップとも誰一人としてここを登ることができないままだ。

 小川はこの最終セクションで勝負をかけた。ここで小川が登れば逆転優勝の可能性がある。ゴール時間が迫る中をあわただしくセクションイン。問題の2段ステアケースへ突進して行くが、2段目の壁へ突き当たるようにして失敗し、5点減点となる。この瞬間に小川の2位が決まった。

 黒山はここを失敗しても優勝が決まっている。もしクラッシュしてマシントラブルを起こしたとしても、リタイアすることなく競技を終了することもできる。そこで黒山は失敗を恐れず大胆な方法で挑戦した。1段目から2段目まで一気にジャンプしてしまう方法だ。大観衆が見守る中を黒山は大ジャンプのパフォーマンスを見せ、1点の足つきでセクションアウト。ただ1人だけ最難関の第15セクションを走破したライダーとなり、優勝を決めるとともに、最終戦を前にしてシリーズチャンピオンが決定した。

 黒山の圧勝続きの全日本選手権シリーズではあったが、今日の小川の戦いぶりは見事だった。次戦、第8戦東北大会には世界選手権シリーズ参戦から帰国する藤波貴久が参戦予定。久しぶりにフルメンバーの全日本選手権となる。


小川友幸(2位)
「今日は自分なりに納得行く走りができました。黒山選手と競り合いながら戦ったのは久しぶりです。1ラップ目の12、13セクションのミスが悔しかったですね。結局あの2つのミスが最終的な点差になってしまったので。次の最終戦は藤波選手も参戦しての久しぶりの全日本フルメンバーです。きっと高いレベルの戦いになるでしょう。やる気十分で臨みます」

 
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