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第1戦
関東・真壁
2003年3月9日 開催
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レースレポート

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第11セクションの出口の岩盤を登る小川
優勝争いが注目された小川
2位表彰台を獲得した小川(中央)
小川友幸が2位表彰台獲得の好スタート
■決勝日時 :3月9日(日)
■観客数 :2200人
第9セクションをスピーディーにクリーンする小川
第9セクションをスピーディーにクリーンする小川

 2003年全日本選手権トライアルの開幕戦が関東唯一の競技場である真壁トライアルランド(茨城県)で開催された。12のセクションが設けられダイナミックな地形に、国際A級・B級を合わせて100人以上のトライアルライダーが挑んだ。世界選手権のために渡欧しているチームHRCの藤波貴久らが残念ながら不参加となったため、最上級クラスの国際A級スーパークラスは10人によって競われた。その藤波の留守を守るのが、昨年ランキング2位の小川友幸(HRCクラブミタニ)だ。昨年の緒戦の真壁大会では優勝を飾っている。

 肩慣らしというには難易度が高い第1セクション。成田匠(ヤマハ)と渋谷勲(ヤマハ)がクリーンしているが、まったく油断はできない。田中太一(ガスガス)、三谷英明(Honda)と5点減点で続く選手も多いからだ。注目の小川は黒山健一(BETA)と牽制しあって、なかなかセクションに入ろうとしなかった。小川がエンジンを始動すると黒山もウォーミングアップを開始。小川が念を押すようにキャブレターのセッティング作業に入ると黒山はウォーミングアップを繰り返した。

 先にセクションに入ったのは黒山。まるで、小川がセッティング作業を終えてトライに注目する余裕ができるまで待っていたかのようなタイミングだった。黒山が技の光る走りを見せるが、出口で彼らしくないミスをして1点を献上。クリーンを小川に見せつけて動揺を誘いたかった黒山にとっては誤算だった。ところが、小川は黒山が牽制する以上に緊張感に包まれてトライに入り、後退の失敗を犯して5点の減点。幸先はよくないが、黒山も絶好調とはいえないので、この時点ではまだ挽回のチャンスはあった。

 第4セクション終了時点で試合をリードしていたのは若い渋谷だった。小川と黒山が7点、田中と成田が8点というなか、渋谷は4セクションのすべてでクリーン。しかし、渋谷は第5〜6セクションで続けて5点の減点。一気に勝利争いから脱落した。その一方、小川と黒山は徐々に調子を取り戻していく。

 今シーズンからFIMルールが若干の変更され、停止が減点にならなくなり、これまでなかった1ラップ目の持ち時間が3時間30分となった。さらに、1セクションあたり1分30秒の持ち時間が、今大会では1分になった。その持ち時間の終了が迫る1ラップ目の最終セクション。小川は第1セクションの失敗を克服して、黒山の12点に1点差と迫っていた。しかし、ここで小川が痛恨の5点の減点。名物のヒルクライムを登り切れなかったのだ。この失敗を見上げていた黒山に、小川は自ら5点のアドバンテージと精神的余裕を与えてしまった。

 2ラップ目、小川は減点を1ラップ目の約1/3である7点と減らし、3位以下を一気に引き離しにかかった。しかし、黒山は小川を凌ぐ1点の減点で2ラップ目を終えた。この時点で黒山の13点に対して小川は25点。小川の勝利は難しくなってきた。

 3ラップ目、黒山は完全に調子に乗った。1ラップ目に2つの5点減点を喫したライディングはどこへやら。全てのセクションをクリーンで終えた。これには、追い上げる小川も脱帽。小川は7点の減点でまとめて3位を引き離すことには成功したが、黒山を射程に捕らえるには至らなかった。しかし、調子を崩しながらも確実に表彰台に登った小川は、シーズンを通してベストを尽くし、タイトルを目指す。次戦、九州大会では、黒山とがっぷり組みあって、チャンスをつくっていきたいものである。


小川友幸(2位)
「あまりの緊張で最初の第1セクションで5点をとってしまいました。1ラップ目は黒山選手もミスが多かったので点差を縮められると思いましたが、1ラップ目の最終セクションで再度5点の減点をしてしまったのが致命傷でした。僕自身の精神的ダメージもありましたが、失敗を黒山選手に見せたことで彼に自信をつけ、一気に調子を上げさせてしまいました。次からは、こんなものでは終わりません」

 
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