今季から始まったST1000クラスは、JSB1000クラスと同様に最新のリッタースーパースポーツバイクによって争われますが、改造範囲が狭く、よりスタンダード(市販状態)に近いクラスです。ダンロップタイヤのワンメイクで争われ、アジアロードレース選手権(ARRC)のASB1000クラスと似た規則で、交流にも期待が集まっています。
雨となった予選では高橋裕紀(日本郵便HondaDream TP)がポールポジションを獲得します。決勝は太陽が顔を出し快晴となりました。一斉にスタートが切られ、高橋がホールショットを奪いレースをリードします。星野知也(BMW)、作本輝介(Keihin Honda Dream SI Racing)、名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO)、榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO)が続きます。トップ争いは高橋、星野、作本、名越に絞られ、そこから高橋、星野のトップ争い、作本、名越の3番手争いに分裂。その後方、榎戸が単独5番手でトップ争いを追いました。
トップ争いに3番手争いが追いつき、再び4台の争いは接近戦となります。この集団から馬の背で名越が転倒してしまいます。作本は星野を捉え2番手浮上し、ファステストラップを記録しますが、9周目に同じく馬の背で転倒してしまいます。さらに3番手浮上した榎戸がシケインで転倒、再スタートしますが下位に沈みます。13ラップ目に首位高橋は安定したライディングで2番手星野に5.7秒もの差を築き、独走態勢となります。14ラップ目に赤旗が提示され、そのままレース成立となり、高橋が開幕戦を制し優勝となりました。
高橋裕紀(ST1000 優勝)
「最善の走りをすることだけを考えて走り切りました。トップに立ちましたが、2番手の星野選手をなかなか引き離すことができませんでした。そんな中でもとにかく集中して走り、誰かに抜かれたとしても、これ以上の走りはできないというギリギリの状態でした。その順位が何位でもいい。全力で最後まで走り切ることだけが今できることだと、必死にチェッカーを目指しました。赤旗中断となりましたが、初戦を優勝で終われてよかったです」
作本輝介(ST1000 リタイア)
「朝のウォームアップランで初めてドライコンディション走りました。試したいことがたくさんありましが、限られた時間の中で、決勝に向けての準備を整えました。テストから苦戦していましたが、決勝ではトップを狙えるところまできて、これからだと思ったら転倒してしまいました。残念ですし、チームにも申し訳ない気持ちです。ですが初めてロングランができ、ドライのデータが取れました。フィーリングもつかむことができたので、次の岡山国際は、予選からしっかりと上位を狙っていきます」
名越哲平(ST1000 リタイア)
「事前テストからウイット路面での感触がよく、いい感触をつかめていたのに、初日の走行で転倒してしまい、そこからリズムを崩してしまいました。雨の予選から晴れの決勝と状況が変わり、思うように攻めることができずにいましたが、それでも高橋裕紀さんがくることは予想していたので、絶対に後ろについて走りを見ようと思って、離れないように無理をしてしまいました。追いかけたい気持ちをコントロールできなかったと反省しています。結果を残すことができずチームに申し訳ないですが、この経験を絶対に活かします」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | 高橋裕紀 | ![]() | 13 | 19'44.129 |
2 | 46 | 星野知也 | BMW | 13 | +5.73 |
3 | 85 | 津田拓也 | スズキ | 13 | +21.042 |
4 | 12 | 長谷川聖 | スズキ | 13 | +22.703 |
5 | 33 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 13 | +23.512 |
6 | 14 | 伊藤和輝 | カワサキ | 13 | +28.141 |
7 | 57 | 奥田教介 | カワサキ | 13 | +35.492 |
8 | 7 | 新庄雅浩 | カワサキ | 13 | +36.457 |
9 | 87 | 清末尚樹 | カワサキ | 13 | +37.101 |
10 | 16 | 松川泰宏 | ![]() | 13 | +53.574 |
15 | 71 | 榎戸育寛 | ![]() | 12 | +1Lap |
17 | 作本輝介 | ![]() | 8 | +5Laps | |
634 | 名越哲平 | ![]() | 7 | +6Laps | |
104 | 國川浩道 | ![]() | 4 | +9Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 23 | 高橋裕紀 | Honda | 25 | |
2 | 46 | 星野知也 | BMW | 22 | |
3 | 85 | 津田拓也 | スズキ | 20 | |
4 | 12 | 長谷川聖 | スズキ | 18 | |
5 | 33 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 16 | |
6 | 14 | 伊藤和輝 | カワサキ | 15 | |
7 | 57 | 奥田教介 | カワサキ | 14 | |
8 | 7 | 新庄雅浩 | カワサキ | 13 | |
9 | 87 | 清末尚樹 | カワサキ | 12 | |
10 | 16 | 松川泰宏 | Honda | 11 | |
15 | 71 | 榎戸育寛 | Honda | 6 |