Round04日本筑波サーキット
(茨城県)

2019年6月23日(日)・J-GP2 決勝

筑波サーキット

レース1では榎戸がクラス初優勝、
レース2では名越がポールトゥウイン

全日本ロードレース選手権第4戦が茨城県筑波サーキットで開催されました。今大会はJSB1000クラスを除く、J-GP2、J-GP3、ST600の各クラスがそれぞれ2レース行われます。22日(土)の午前中に予選、午後にレース1決勝、23日(日)にレース2決勝が開催されました。予選のトップタイムがレース1のグリッド、セカンドタイムがレース2のグリッドに適応されます。今大会を終えると、この3クラスの次戦は8月31日(土)から9月1日(日)の岡山国際サーキットとなるため、前半戦の締めくくりとなりました。

MuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平は、Honda Team Asiaのソムキャット・チャントラのケガにより、MotoGP第6戦イタリアGPのMoto2クラスに代役参戦し帰国。筑波戦を迎えました。名越は「グランプリで学んだことを実践できた」と、予選ではトップタイム、セカンドタイムともに最速で、ダブルポールポジションを獲得。榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO.)が3番手でフロントローからのスタート。小谷咲斗(TEAM PLUSONE with TARO)が4番手、作本輝介(Team 髙武 RSC)が5番手、徳留真紀(マルマエMTR)が8番手でグリッドに並びました。

雨となったレース1決勝では、榎戸が好スタートを切り、名越、作本が続きます。オープニングラップは、榎戸、名越、作本、小谷の順。そこから、榎戸、名越が抜けてトップ争いとなり、3番手争いを作本、岩﨑哲朗(カワサキ)、小谷、阿部恵斗(ヤマハ)で展開します。名越は4ラップ目にファステストラップを記録して榎戸に迫りますが、ポジションは変わらず。8ラップ目、岩﨑が作本をかわして3番手に浮上、岩﨑、作本、阿部、小谷のオーダーとなります。榎戸はファステストラップを更新。9ラップ目には名越との差を1秒9と広げ、逃げ始めます。10ラップ目には阿部が4番手に浮上し、作本は5番手へ。阿部は岩﨑も捉え、13ラップ目には3番手に浮上しますが、15ラップ目に作本が3番手を奪還します。17ラップ目、榎戸は独走態勢を築き、2番手の名越に8秒710ものリードを広げ、そのままチェッカーを目指しました。2番手は単独で名越。その後方3番手争いのバトルは作本、岩﨑が繰り広げ、5番手争いを阿部、小谷とばらけます。榎戸は首位を守り、J-GP参戦3年目で念願の初優勝を飾りました。2位名越、3位争いは作本が制し、小谷は7位となりました。

レース2、名越がホールショットを奪うと、小谷、作本、岩﨑、榎戸、尾野弘樹(スズキ)が追う展開となります。2ラップ目、作本はファステストとなる57秒951と、57秒台に入れ、トップの名越の背後に迫ります。3ラップ目、作本が首位に出て、作本はペースアップしますが、雨が全コースで落ち始め、レッドクロスが提示されます。レースは続行され、作本、名越に続き、3番手に浮上した榎戸、小谷の4台がトップ集団を形成。上位4台は58秒台にタイムを落としながら、周回を重ねます。7ラップ過ぎには、レッドクロスが下げられます。

10ラップ目、名越は作本の前に出て首位奪回しますが、僅差で作本が付き、それを榎戸、小谷が追います。再びトップ集団は57秒台にペースアップ。12ラップ目には名越が57秒404とファステストラップを更新し、作本を突き放します。その差、約1秒。14ラップ目に名越は、さらにファステストラップを更新し、57秒354をマークして逃げます。15ラップ目榎戸が作本を捉え2番手に浮上、榎戸、作本、小谷の2番手争いとなり、16ラップ目の1コーナーで作本は2番手を奪います。名越を追う2番手争いは、作本、榎戸となり、小谷は遅れます。名越は20ラップを走りきり、今季2勝目を飾り、ランキングトップに浮上しました。2位争いを制したのは作本、榎戸は3位で表彰台を獲得しました。小谷は4位となりました。

コメント

榎戸育寛(J-GP2 レース1 優勝/レース2 3位)作本輝介(左)、榎戸育寛(中央)、名越哲平(右)
「予選で転倒してマシンを大破させてしまい、チームが懸命に直してくれたおかげでレース1決勝のグリッドにつくことができました。クラスが変わってから優勝どころか、表彰台にも届かなくて…。なので、優勝できたことは、ものすごくうれしかったです。チームのおかげだと感謝しています。レース2決勝は、スタートに失敗してしまい、そこから追い上げのレースになりました。雨が降ってきて、白線に乗り転倒しそうになる場面もあり、赤旗になるのかもしれないと思いましたが、レース続行となり、そのあとは気持ちを入れ直して前を目指しました。勝てなかったことも、2位になれなかったことも、ただただ悔しいです」

名越哲平(J-GP2 レース1 2位/レース2 優勝)名越哲平
「金曜日のフリー(走行)からドライに自信がありました。レース1は雨で、合わせ切れずに悔しいレースになりました。レース2に、レース1の反省を活かして挑みました。途中、雨が落ちてきて、このまま強くなったら赤旗かと思い、落ち着いて、状況を判断しながら走りました。レース前も天候がどうなるか分からない部分があったので、いつ赤旗が出てもいいように、常にトップでいようと心掛けていました。最終的に勝つことができてよかったです。レース1は勝てずに悔しくて、レース2は勝つことができたので、悔しさとうれしさが半々のレースになりました」

作本輝介(J-GP2 レース1 3位/レース2 2位)作本輝介
「スタートがよくなかったので、追い上げのレースになり、なかなか自分のペースを上げることができませんでした。トップに出ましたが、そこから引き離していくことができませんでした。勝てなかったレースは、すべて悔しいので、次の岡山ではしっかり勝てるようにしたいと思います」

J-GP2 リザルト

決勝 レース1

順位 No. ライダー マシン タイム/差
171榎戸育寛Honda21'06.016
2634名越哲平Honda+9.748
34作本輝介Honda +15.110
470岩﨑哲朗カワサキ+15.416
514阿部恵斗ヤマハ+18.833
622小谷咲斗Honda +18.950
7392尾野弘樹スズキ+31.946
836徳留真紀Honda +38.210
918豊島怜ヤマハ+56.789
1019井手翔太ヤマハ+1Lap

決勝 レース2

順位 No. ライダー マシン タイム/差
1634名越哲平Honda19'19.077
24作本輝介Honda+2.044
371榎戸育寛Honda+2.745
422小谷咲斗Honda+5.69
5392尾野弘樹スズキ+14.303
670岩﨑哲朗カワサキ+14.87
714阿部恵斗ヤマハ+15.373
836徳留真紀Honda+30.306
919井手翔太ヤマハ+44.328
1018豊島怜ヤマハ+52.693

J-GP2 ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
1634名越哲平Honda94
24作本輝介Honda89
371榎戸育寛Honda81
422小谷咲斗Honda66
570岩﨑哲朗カワサキ64
6392尾野弘樹スズキ62
736徳留真紀Honda56
818豊島怜ヤマハ50
914阿部恵斗ヤマハ45
1019井手翔太ヤマハ35

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