全日本ロードレース選手権第4戦が茨城県筑波サーキットで開催されました。今大会はJSB1000クラスを除く、J-GP2、J-GP3、ST600の各クラスがそれぞれ2レース行われます。22日(土)の午前中に予選、午後にレース1決勝、23日(日)にレース2決勝が開催されました。予選のトップタイムがレース1のグリッド、セカンドタイムがレース2のグリッドに適応されます。今大会を終えると、この3クラスの次戦は8月31日(土)から9月1日(日)の岡山国際サーキットとなるため、前半戦の締めくくりとなりました。
MuSASHi RT HARC-PRO.の名越哲平は、Honda Team Asiaのソムキャット・チャントラのケガにより、MotoGP第6戦イタリアGPのMoto2クラスに代役参戦し帰国。筑波戦を迎えました。名越は「グランプリで学んだことを実践できた」と、予選ではトップタイム、セカンドタイムともに最速で、ダブルポールポジションを獲得。榎戸育寛(SDG Mistresa RT HARC-PRO.)が3番手でフロントローからのスタート。小谷咲斗(TEAM PLUSONE with TARO)が4番手、作本輝介(Team 髙武 RSC)が5番手、徳留真紀(マルマエMTR)が8番手でグリッドに並びました。
雨となったレース1決勝では、榎戸が好スタートを切り、名越、作本が続きます。オープニングラップは、榎戸、名越、作本、小谷の順。そこから、榎戸、名越が抜けてトップ争いとなり、3番手争いを作本、岩﨑哲朗(カワサキ)、小谷、阿部恵斗(ヤマハ)で展開します。名越は4ラップ目にファステストラップを記録して榎戸に迫りますが、ポジションは変わらず。8ラップ目、岩﨑が作本をかわして3番手に浮上、岩﨑、作本、阿部、小谷のオーダーとなります。榎戸はファステストラップを更新。9ラップ目には名越との差を1秒9と広げ、逃げ始めます。10ラップ目には阿部が4番手に浮上し、作本は5番手へ。阿部は岩﨑も捉え、13ラップ目には3番手に浮上しますが、15ラップ目に作本が3番手を奪還します。17ラップ目、榎戸は独走態勢を築き、2番手の名越に8秒710ものリードを広げ、そのままチェッカーを目指しました。2番手は単独で名越。その後方3番手争いのバトルは作本、岩﨑が繰り広げ、5番手争いを阿部、小谷とばらけます。榎戸は首位を守り、J-GP参戦3年目で念願の初優勝を飾りました。2位名越、3位争いは作本が制し、小谷は7位となりました。
レース2、名越がホールショットを奪うと、小谷、作本、岩﨑、榎戸、尾野弘樹(スズキ)が追う展開となります。2ラップ目、作本はファステストとなる57秒951と、57秒台に入れ、トップの名越の背後に迫ります。3ラップ目、作本が首位に出て、作本はペースアップしますが、雨が全コースで落ち始め、レッドクロスが提示されます。レースは続行され、作本、名越に続き、3番手に浮上した榎戸、小谷の4台がトップ集団を形成。上位4台は58秒台にタイムを落としながら、周回を重ねます。7ラップ過ぎには、レッドクロスが下げられます。
10ラップ目、名越は作本の前に出て首位奪回しますが、僅差で作本が付き、それを榎戸、小谷が追います。再びトップ集団は57秒台にペースアップ。12ラップ目には名越が57秒404とファステストラップを更新し、作本を突き放します。その差、約1秒。14ラップ目に名越は、さらにファステストラップを更新し、57秒354をマークして逃げます。15ラップ目榎戸が作本を捉え2番手に浮上、榎戸、作本、小谷の2番手争いとなり、16ラップ目の1コーナーで作本は2番手を奪います。名越を追う2番手争いは、作本、榎戸となり、小谷は遅れます。名越は20ラップを走りきり、今季2勝目を飾り、ランキングトップに浮上しました。2位争いを制したのは作本、榎戸は3位で表彰台を獲得しました。小谷は4位となりました。
榎戸育寛(J-GP2 レース1 優勝/レース2 3位)
「予選で転倒してマシンを大破させてしまい、チームが懸命に直してくれたおかげでレース1決勝のグリッドにつくことができました。クラスが変わってから優勝どころか、表彰台にも届かなくて…。なので、優勝できたことは、ものすごくうれしかったです。チームのおかげだと感謝しています。レース2決勝は、スタートに失敗してしまい、そこから追い上げのレースになりました。雨が降ってきて、白線に乗り転倒しそうになる場面もあり、赤旗になるのかもしれないと思いましたが、レース続行となり、そのあとは気持ちを入れ直して前を目指しました。勝てなかったことも、2位になれなかったことも、ただただ悔しいです」
名越哲平(J-GP2 レース1 2位/レース2 優勝)
「金曜日のフリー(走行)からドライに自信がありました。レース1は雨で、合わせ切れずに悔しいレースになりました。レース2に、レース1の反省を活かして挑みました。途中、雨が落ちてきて、このまま強くなったら赤旗かと思い、落ち着いて、状況を判断しながら走りました。レース前も天候がどうなるか分からない部分があったので、いつ赤旗が出てもいいように、常にトップでいようと心掛けていました。最終的に勝つことができてよかったです。レース1は勝てずに悔しくて、レース2は勝つことができたので、悔しさとうれしさが半々のレースになりました」
作本輝介(J-GP2 レース1 3位/レース2 2位)
「スタートがよくなかったので、追い上げのレースになり、なかなか自分のペースを上げることができませんでした。トップに出ましたが、そこから引き離していくことができませんでした。勝てなかったレースは、すべて悔しいので、次の岡山ではしっかり勝てるようにしたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 71 | 榎戸育寛 | ![]() | 21'06.016 |
2 | 634 | 名越哲平 | ![]() | +9.748 |
3 | 4 | 作本輝介 | ![]() |
+15.110 |
4 | 70 | 岩﨑哲朗 | カワサキ | +15.416 |
5 | 14 | 阿部恵斗 | ヤマハ | +18.833 |
6 | 22 | 小谷咲斗 | ![]() |
+18.950 |
7 | 392 | 尾野弘樹 | スズキ | +31.946 |
8 | 36 | 徳留真紀 | ![]() |
+38.210 |
9 | 18 | 豊島怜 | ヤマハ | +56.789 |
10 | 19 | 井手翔太 | ヤマハ | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 634 | 名越哲平 | ![]() | 19'19.077 |
2 | 4 | 作本輝介 | ![]() | +2.044 |
3 | 71 | 榎戸育寛 | ![]() | +2.745 |
4 | 22 | 小谷咲斗 | ![]() | +5.69 |
5 | 392 | 尾野弘樹 | スズキ | +14.303 |
6 | 70 | 岩﨑哲朗 | カワサキ | +14.87 |
7 | 14 | 阿部恵斗 | ヤマハ | +15.373 |
8 | 36 | 徳留真紀 | ![]() | +30.306 |
9 | 19 | 井手翔太 | ヤマハ | +44.328 |
10 | 18 | 豊島怜 | ヤマハ | +52.693 |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 634 | 名越哲平 | ![]() | 94 |
2 | 4 | 作本輝介 | ![]() | 89 |
3 | 71 | 榎戸育寛 | ![]() | 81 |
4 | 22 | 小谷咲斗 | ![]() | 66 |
5 | 70 | 岩﨑哲朗 | カワサキ | 64 |
6 | 392 | 尾野弘樹 | スズキ | 62 |
7 | 36 | 徳留真紀 | ![]() | 56 |
8 | 18 | 豊島怜 | ヤマハ | 50 |
9 | 14 | 阿部恵斗 | ヤマハ | 45 |
10 | 19 | 井手翔太 | ヤマハ | 35 |