全日本ロードレース選手権第2戦レース2が三重県鈴鹿サーキットで開催されました。予選グリッドは、前日に行われた予選のセカンドタイムで決まり、セカンドタイムも2分3秒台に入れた高橋巧(Team HRC)がポールポジショングリッド。水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)が5番手、の秋吉耕佑(テルル MotoUP Racing Team)は8番手。高橋裕紀(KYB MORIWAKI RACING)が12番手、ザクワン・ザイディ(Honda Asia-Dream Racing with SHOWA)が13番手。濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)は14番手。羽田太河(テルル MotoUP Racing Team)は25番手。関口太郎(Team ATJ)は28番手からのスタートとなりました。
決勝朝のウォームアップラインでも高橋巧は、2分5秒183を、走行開始3ラップ目で叩き出しトップ。5秒台は高橋巧のみで、ここでも、好調を印象付けます。決勝でも、その速さは変わらず、ホールショットは、渡辺一馬(カワサキ)が奪いますが、すぐに高橋巧が首位に立ち渡辺一馬、水野が続きます。オープニングラップは、高橋巧、渡辺一馬、水野、渡辺一樹(スズキ)、中須賀克行(ヤマハ)、野左根航汰(ヤマハ)、岩戸亮介(カワサキ)が2番手争いの集団となります。高橋巧は2分5秒台で2ラップ目を通過、2番手に浮上した水野に、3秒611と差をつけ、早くも独走態勢。2番手争いは水野、渡辺一馬、加賀山就臣(スズキ)、野左根、中須賀、岩戸、渡辺一樹が僅差で続きます。高橋巧は2分5秒台で周回、2番手争いは6秒台から7秒台ペースのため、高橋は、周回ごとに2秒弱の差を築くことになり、その差を広げて行きます。
5ラップ目、2番手争いは、渡辺一馬、野左根、中須賀、加賀山、水野、岩戸、渡辺一樹の大きな集団となり、激しいポジション争いを繰り広げます。単独9番手に秋吉、その後方、高橋裕紀、ザクワンが続きます。レース折り返しとなる9ラップ目、高橋は2番手に11秒ものリードを築きます。2番手争いは続き、渡辺一馬、中須賀、野左根、加賀山、水野となり、渡辺一樹、岩戸が遅れ、7番手争い。それを秋吉、高橋裕紀、ザクワンが追う展開となります。10ラップ目水野は加賀山をかわし5番手浮上します。2番手争いに岩戸をかわした渡辺一樹が加わり、2番手争いは6台。13ラップ目ザクワンは高橋裕紀をかわして10番手浮上します。
14ラップ目に中須賀、野左根が渡辺一馬をパス。水野も16ラップ目に渡辺一馬を抜いて4番手へと上がり、2番手を争い、中須賀、野左根へと迫ります。中須賀は、スパートをかけ、単独2番手走行。3番手争いを野左根、水野、渡辺一馬で争います。最終ラップに突入し水野が1コーナーで野左根を捕らえますが、クロスラインで、ポジションは変わらず、テールトウノーズの戦いとなります。
高橋巧は、2位中須賀に16秒857の大差をつけてゴールラインを通過、ダブルウインを飾りました。注目の3位争いは、僅差で野左根が前、水野が4位でチェッカー。秋吉は9位。ザクワン10位、高橋裕紀は12位、濱原は14位。関口は18位となりました。
高橋巧(JSB1000 レース2 優勝)
「レースウイークを通して全セッションでトップタイムを記録できたのはレース人生初だと思います。レース1に続き、レース2でも勝つことができてうれしいです。これが実力だとは思わず、たまたま勝てたのだと天狗になることなく、気を引きしめていきたい。この調子をこれからも継続して勝ち続けたいです。次戦SUGOは、昨年、中須賀さんとトップ争いをして勝てず、とても悔しい思いをしたレースなので、今年は、中須賀さんの前でゴールしたいです」
宇川徹監督|Team HRC監督
「レース1からレース2に向けて、マシン的には細かいアジャストをしたくらいで、大きな変更点なく挑みました。中須賀選手とのバトルになると予想していましたが、序盤から大きなアドバンテージを築くレースになりました。あそこまで大きく広がると、かえって落ち着かず、早くチェッカーが振られてほしいと思いました。開幕戦でも調子が上向いていただけに、負けた悔しさは大きかったので、ここで両レースを勝てたことは、本当にうれしく、大きな手応えを感じることができました。目標である鈴鹿8時間耐久優勝に向けて重要な優勝になると思っています。今後も、この好調を維持できるように努めて行きます」
水野涼(JSB1000 レース2 4位)
「あと少しで表彰台に届いたと思うと悔しいですが、昨年JSB1000に上がって、やっと、レースができたという実感があります。バトルができて自信になりました。昨年は雨のレースが多く、うまく乗りきれない部分がありましたが、今年は、開幕戦も鈴鹿も晴れでドライで走れたことで、データを積み重ねていけていることが大きい。昨年からマシンが変わっていることにも順応でき、自分でも成長を感じることができています。SUGOでは、表彰台を目指して全力で挑みます」
秋吉耕佑(JSB1000 レース2 9位)
「トラブルが続いたこともあり、まだ、自分の走りができていません。チームとしても、このマシンをセットアップするのは初めてなので、ライダーもメカニックも手探り状態。まだまだ、学ぶ期間が必要だと感じています。ポテンシャルの高いマシンを仕上げる難しさを感じながら、まずは、ベースを作ろうとトライしています。走行を重ねるごとに前進していますので、勝負できる状況に持ち込みたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | 高橋巧 | 18 | 37'49.976 | |
2 | 1 | 中須賀克行 | ヤマハ | 18 | +16.857 |
3 | 4 | 野左根航汰 | ヤマハ | 18 | +20.010 |
4 | 634 | 水野涼 | 18 | +20.055 | |
5 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 18 | +20.461 |
6 | 26 | 渡辺一樹 | スズキ | 18 | +20.714 |
7 | 12 | 加賀山就臣 | スズキ | 18 | +26.734 |
8 | 64 | 岩戸亮介 | カワサキ | 18 | +32.158 |
9 | 090 | 秋吉耕佑 | 18 | +45.467 | |
10 | 15 | ザクワン・ザイディ | 18 | +58.086 | |
12 | 72 | 高橋裕紀 | 18 | +1'04.971 | |
14 | 19 | 濱原颯道 | 18 | +1'13.796 | |
18 | 44 | 関口太郎 | 18 | +1'34.623 | |
21 | 080 | 羽田太河 | 18 | +1'54.745 | |
24 | 31 | 小島一浩 | 18 | +2'04.797 | |
31 | 55 | 中島元気 | 17 | +1Lap | |
34 | 40 | 西中綱 | 17 | +1Lap | |
35 | 35 | 亀井雄大 | 15 | +3Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | 高橋巧 | 94 | ||
2 | 4 | 野左根航汰 | ヤマハ | 80 | |
3 | 26 | 渡辺一樹 | スズキ | 73 | |
4 | 1 | 中須賀克行 | ヤマハ | 72 | |
5 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 64 | |
6 | 634 | 水野涼 | 61 | ||
7 | 090 | 秋吉耕佑 | 57 | ||
8 | 12 | 加賀山就臣 | スズキ | 56 | |
9 | 64 | 岩戸亮介 | カワサキ | 49 | |
10 | 15 | ザクワン・ザイディ | 47 | ||
13 | 35 | 亀井雄大 | 21 | ||
14 | 19 | 濱原颯道 | 20 | ||
16 | 72 | 高橋裕紀 | 19 | ||
19 | 44 | 関口太郎 | 12 | ||
22 | 080 | 羽田太河 | 9 |