Round06日本ツインリンクもてぎ

JSB1000 決勝

2018年8月18日(土)-19(日)

栃木県

高橋巧が3位表彰台。ランキング2位に浮上

全日本ロードレース選手権第6戦は、栃木県のツインリンクもてぎで全日本スーパーフォーミュラ選手権との共催となる2&4レースとして行われました。鈴鹿8時間耐久ロードレースの決勝中に転倒して左手首を骨折した水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)は6日に手術をして8日に退院しましたが、まだマシンをコントロールすることができないと判断して参戦を断念。チームメートでJ-GP2クラスに参戦している名越哲平が代役参戦することになりました。

予選日は日差しが強かったものの、気温26℃で湿度も下がる爽やかな天候となりました。ノックアウト方式で行われた予選は、Q1で11番手以下のグリッドが決まり、上位10台がQ2に進みます。

Honda勢最上位は、3番手の高橋巧(Team HRC)でフロントローを獲得。秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)は5番手。高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING )は9番手。ザクワン・ザイディ(Honda Asia-Dream)がQ1で自身初のトップ10に入りQ2へ進出して10番手を獲得しました。

以下、清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)が11番手、日浦大治朗(Honda Suzuka Racing Team)は12番手。山口辰也(Team SUP Dream Hond)は16番手。名越は18番手となりました。濱原颯道(Honda Dream RT桜井ホンダ)は、Q1のオープニングラップの最終コーナーでハイサイドを起こして転倒。病院に運ばれ胸椎12番の圧迫骨折と、左手首の舟状骨骨折と診断され、レースは不参加となりました。

決勝日も爽やかな天候でレース日和となりました。朝のフリー走行で高橋巧は1分48秒820と自身の予選を超えるタイムを記録してトップに付けます。決勝ホールショットは高橋巧が奪い、レースをリードします。それを津田拓也(スズキ)、野左根航汰、中須賀克行(ともにヤマハ)、渡辺一馬(カワサキ)、秋吉という順で追い、オープニングラップを通過。高橋巧が首位をキープし、2番手に中須賀が上がります。その後方、津田、野左根、渡辺一樹(スズキ)が3番手争い、野左根が3番手浮上しトップ争いを追います。4番手争いを津田、渡辺一樹、6番手争いは渡辺一馬、秋吉が繰り広げます。

4ラップ目、高橋巧がファステストラップを記録して中須賀を突き放そうとしますが、その差は約0.3秒と僅差、3番手には野左根で単独走行、その後方で4番手争いを津田、渡辺一樹という形で走行。6番手争いは渡辺一馬、秋吉で、2人の差は0.1秒となり、秋吉が渡辺一馬に迫ります。8番手に加賀山就臣(スズキ)、9番手争いを高橋裕紀、生形秀之(スズキ)、清成、ザイディの大きな集団が繰り広げます。そこから高橋裕紀が抜け出して単独9番手に浮上します。

トップ争いは、高橋巧、中須賀の戦いに野左根が加わり3人になり、1分48秒台のハイペースで周回を重ねます。中須賀が13ラップ目にファステストラップを記録して高橋巧に迫ります。野左根は90度コーナーで2番手へ浮上します。14ラップ目、高橋、野左根、中須賀のオーダーから、5コーナーで野左根が首位に立ちますが、高橋巧は抜き返し、トップを守ります。しかし、S字で野左根が前に出て、高橋巧、中須賀が追います。中須賀が高橋巧を捉えて2番手となり、3番手高橋巧とオーダーが変化、中須賀は17ラップ目に野左根を捉えてトップへ浮上。18ラップ目には、トップ争いに周回遅れが絡み、中須賀が逃げ、野左根、高橋巧のオーダーとなります。このまま中須賀、野左根、高橋巧の順でチェッカー。秋吉が7位、清成9位、高橋裕紀が10位、ザイディが11位、日浦が12位、名越は15位でチェカ―を受けました。

コメント

高橋巧(3位)
高橋巧 「今年はスタートがいいので、前に出て逃げながら、トップ争いの台数を絞り、じっくりと勝負できる状態を作りたいと思いました。ペースをコントロールしながらタイムを上げて1分48秒台に入れましたが、後ろは離れず、3台のバトルになりました。その中でトップに出るチャンスを探しましたが、3コーナー立ち上がりでミスをして離れてしまったあたりからリズムを崩し、それを取り戻そうとしましたが、ばん回することができませんでした。決勝朝のフリーから路面温度が10℃上がり、4輪カテゴリーの走行後でコンディションが大きく変わってしまったようです。その路面に合わせきれなかったことも、逃げきれなかった要因でもあるので、セッティングを含めてしっかり見直していきたいと思います」

宇川徹|Team HRC監督
「決勝朝のフリー走行では予選を上回るタイムを記録していましたし、中須賀選手がケガをしているという状況もあり、勝てる可能性が高いと思っていましたが、残念な結果になりました。しかし、タイムもコンスタントに記録することができていますし、開幕戦のもてぎでは手のケガもありましたが、あのときに比べて確実に向上できていると思うので、今回の結果を踏まえて、次戦では勝てるように挑みたいです」

秋吉耕佑(7位)
秋吉耕佑 「予選までは調子よく走れていたと思いますが、決勝朝フリー走行で少し違和感があり、そのまま決勝を迎えました。嫌な予感は当たり、トラブルが出てしまったので、その影響が出ないよう慎重に走り続けるしかありませんでした。渡辺選手に迫ることができましたが、パスするまでは至らず、トラブルの影響もあって離れてしまいました。ただ、トラブルがなければもう少し差を詰めることができたと思うので、しっかりマシンを見直し、次戦でも上位を目指します」

清成龍一(9位)
清成龍一 「今回のレースは、決勝までのすべての走行を使って、レースへの準備を進めてきました。朝のフリー走行で、ギリギリの妥協点を見つけてセットアップ。レンジの広いタイヤを選択して、決勝で上位に迫りたかったのですが、決勝ではコンディションが変わってしまい、その成果を出すことができませんでした。スタートからチェッカーまで、安定したペースで走ることができましたが、思うようなポジションにはいけませんでした。次戦のオートポリスに向けたテストがすぐにあるので、そこでしっかりとタイヤ選択をして決勝に備えたいと思います」

高橋裕紀(10位)
高橋裕紀 「決勝では想定していた路面コンディションと違ったので、清成選手が選択していたタイヤを選びました。違うタイヤでセットを詰めていたので、賭けというか、難しいレースになりました。後ろを振り向かなくても、タイムの刻み方で清成選手が迫っていることは分かっていたので、抜かれてからは清成選手の走りを勉強しようとついていきました。最終的には離れてしまいましたが、同じタイヤを履いていたので、その使い方を見ることができたのは収穫でした。この経験を今後に生かしたいと思います。オートポリスでは表彰台に上がっているので、またトップに迫ることができるようにしたいと思います」

名越哲平(15位)
名越哲平 「今回は代役参戦というチャンスをいただきました。鈴鹿8耐後なので、そのままの感覚で乗り込むことができましたが、バイクが違うこともあり、簡単ではありませんでした。できればトップ10、最低でもポイント圏内でチェッカーを目指しました。23ラップの長いレースでしたが、体力的には問題ありませんでした。トップライダーの人たちの走りを見ることができて、勉強になりました。この経験は、J-GP2に生きるはずですし、生かしたいと思っています。参戦させてもらって本当によかったと感謝しています。ありがとうございました」

JSB1000 リザルト

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム/差
121中須賀克行ヤマハ2342'04.904
25野左根航汰ヤマハ23+2.339
31高橋巧Honda23+5.283
412津田拓也スズキ23+17.366
526渡辺一樹スズキ23+24.267
611渡辺一馬カワサキ23+26.656
7090秋吉耕佑Honda23+35.03
871加賀山就臣スズキ23+43.985
923清成龍一Honda23+44.246
1072高橋裕紀Honda23+45.336
1151ザクワン・ザイディHonda23+55.827
1220日浦大治朗Honda23+57.42
138山口辰也Honda23+1'01.156
           
15634 名越哲平Honda23+1'19.645
2343中津原尚宏Honda22+1Lap
2560木村思音Honda22+1Lap
RT77吉廣光Honda10+13Laps

JSB1000 ポイントランキング

ライダー

順位 No. ライダー マシン 総合ポイント
121中須賀克行ヤマハ187
21高橋巧Honda148
311渡辺一馬カワサキ143
472高橋裕紀Honda119
512津田拓也スズキ116
65野左根航汰ヤマハ113
726渡辺一樹スズキ108
8090秋吉耕佑Honda108
923清成龍一Honda83
1071加賀山就臣スズキ69
11634水野涼Honda64
         
1451ザクワン・ザイディHonda45
168山口辰也Honda43
2020日浦大治朗Honda33
227濱原颯道Honda24
27 名越哲平Honda6
3040小島一浩Honda2
3232中村知雅Honda1
3343中津原尚宏Honda1

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