Round03オートポリス
JSB1000 決勝
2018年5月13日(日)
大分県
全日本ロードレース選手権の第3戦が大分県のオートポリスで行われました。今大会はJSB1000のみの開催で、1レースが行われました。
快晴に恵まれた予選はノックアウト方式で行われ、Q1に全車が出走。トップ10がQ2に進み、再度、タイムアタックを行って最終グリッドが決まります。Q1トップタイムは中須賀克行(ヤマハ)となり、高橋巧(Team HRC)は5番手、秋吉耕佑(au・テルルMotoUP RT)は8番手、高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)が9番手、水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)が10番手でQ2に進みました。上位10台によるQ2のタイムアタックでポールポジションは中須賀、高橋巧は6番手、秋吉が7番手、水野が8番手、高橋裕紀が10番グリッドとなりました。以下はQ1の結果で決まり、ザクワン・ザイディ(Honda Asia Dream)は14番手、清成龍一(MORIWAKI MOTUL RACING)が15番手、日浦大治朗が(Honda Suzuka Racing Team)は16番手。肩のケガで欠場していた濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)が復帰して17番手に付けました。
決勝は朝から雨、横殴りの雨と霧で、予定されていたフリー走行が中止となりました。午後に向け、雨が上がり、決勝レースの周回数が15周へと変更され実施されました。11時50分からフリー走行が行われましたが、再び霧が多くなるとコースは視界不良となり赤旗が提示されて、そのまま終了となりました。そこで、高橋巧はトップタイムをマークし決勝の手ごたえを得ます。
12時30分に決勝のスタートが切られました。中須賀がホールショットを奪いますが、すぐに高橋巧が首位を奪い返します。2ヘアピンで中須賀が高橋巧のインに飛び込みトップに立ちます。オープニングラップはトップを追って高橋巧、秋吉などが続きます。中須賀、高橋巧、渡辺一樹(スズキ)、秋吉、津田拓也(スズキ)がトップ集団を形成。そこから、津田が遅れ、中須賀、高橋巧、渡辺一樹、秋吉の戦いとなります。その中で高橋巧はファステストラップを叩き出し中須賀に迫ります。さらに秋吉などが続きトップ集団は変わらず。最終コーナーで高橋巧がトップに立ち5ラップ目をクリアしますが、1コーナーで渡辺一樹が前へ、さらに中須賀が迫り、3台のトップ争いは激しさを増します。6ラップ目のコントロールラインを渡辺一樹、中須賀、高橋巧で通過します。7ラップ目、高橋巧が首位を奪うとスパート。2番手争いを中須賀、渡辺一樹が繰り広げます。4番手争いは秋吉、津田と変わらず。7番手に渡辺一馬(カワサキ)が浮上。トップの高橋巧が1分59秒台のラップタイムのところ、渡辺一馬は1分56秒台で追い上げ、みるみるポジションを上げて行きます。8ラップ目のオーダーは高橋巧、中須賀、渡辺、津田、渡辺一馬。この時、トップ高橋巧と渡辺一馬との差は10秒422と開いていましたが、9ラップ目には渡辺一馬が4番手に浮上。高橋裕紀も6番手へとポジションを上げています。さらに松崎克哉(カワサキ)も追い上げを開始しました。10ラップ目、首位の高橋巧の背後に2番手に浮上した渡辺一馬が迫ります。3番手中須賀、4番手渡辺一樹、5番手高橋裕紀、6番手松崎のオーダー。11ラップ目に渡辺一馬がトップに浮上。高橋巧、渡辺一樹、松崎、中須賀、高橋裕紀が続きます。松崎は1分52秒台にタイムアップしファステストラップを更新して順位を上げて、2番手の高橋巧の背後に迫ります。渡辺一馬が、そのまま首位を守り、松崎は高橋巧を抜いて2位へ、高橋裕紀も3番手に浮上します。チェッカーが振られ、渡辺一馬が優勝。2位に松崎、3位に高橋裕紀。上位3台はスリックタイヤを選択し、乾き始めた路面で威力を発揮しました。他のHonda勢は、レインタイヤを選択して挑み、前半戦は濡れた路面に助けられましたが、後半は我慢のレースを強いられました。4位に高橋巧、秋吉は12位、清成は16位、濱原は17位、ザイディは18位、日浦が21位、水野は22位となりました。
高橋裕紀(JSB1000 3位)
「カワサキの2人がスリックタイヤを選択したのを見て、スリックという判断もあると思いましたが、データがとれているわけではないので、15周を走り切れるか不安もありました。ですが、ピレリスタッフが、お前なら行けると勧めてくれ、大きな賭けだと思いましたが、スリックを選びました。前半は濡れた路面で苦戦しましたが、後半には優位性を出すことができて表彰台に上がることができました。今回は天気に助けられた形になりましたが、次戦では、晴れでも結果を残せるようにしたいと思います」
高橋巧(JSB1000 4位)
「ドライでは、まだ、ベストなセッティングが見つかっていなかったので、ウエットレースの方が勝負できると思っていました。今回のような微妙なコンディションでは自信がありました。朝のフリーで、ウエット路面での調整がうまくいき、いい感触を得ていました。決勝も作戦通りの展開で、前に出ることができたのですが、雨は降らずに乾いていく方向で、スリックタイヤを選択したライダーたちについていくことができませんでした。残念なレースになりましたが、スタート時の判断としては間違ってはいなかったと思います。このコンディションでのデータを残すことができましたし、これを、次のレースに活かせるようにしたいと思います」
Team HRC監督 宇川徹
「スタート時には雨が降る予報が出ていました。路面も濡れており、レインタイヤでいくことを決めました。トップグリッドのライダーたちは、コンパウンドの違いはありますが、レインタイヤを選択してのスタートでした。レース後には雨になり、この雨が、予報では、レース中に来るはずでしたが、山の天気を判断することは難しかったと思います。ライバルの中須賀選手(ヤマハ)が下位となりましたが、渡辺選手(カワサキ)が優勝したことでランキング争いは接戦となります。今後のレースで、しっかりばん回していけるようにしたいと思います。ウエットのセットは結果が出ていますが、課題はドライセットですので、高橋選手の要望に応えられるように最善を尽くしたいと思います」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | 渡辺一馬 | カワサキ | 15 | 29'29.057 |
2 | 15 | 松﨑克哉 | カワサキ | 15 | +4.581 |
3 | 72 | 高橋裕紀 | ![]() | 15 | +15.547 |
4 | 1 | 高橋巧 | ![]() | 15 | +20.953 |
5 | 46 | 星野知也 | BMW | 15 | +22.614 |
6 | 26 | 渡辺一樹 | スズキ | 15 | +30.578 |
7 | 31 | 津田一磨 | ヤマハ | 15 | +32.552 |
8 | 34 | 岡村光矩 | カワサキ | 15 | +40.343 |
9 | 21 | 中須賀克行 | ヤマハ | 15 | +40.678 |
10 | 22 | 児玉勇太 | ヤマハ | 15 | +41.288 |
12 | 090 | 秋吉耕佑 | ![]() | 15 | +1'19.612 |
16 | 23 | 清成龍一 | ![]() | 15 | +1'24.760 |
17 | 7 | 濱原颯道 | ![]() | 15 | +1'24.974 |
18 | 51 | ザクワン・ザイディ | ![]() | 15 | +1'35.446 |
19 | 40 | 小島一浩 | ![]() | 15 | +1'43.843 |
21 | 20 | 日浦大治朗 | ![]() | 15 | +1'45.936 |
22 | 634 | 水野涼 | ![]() |
15 | +1'48.212 |
24 | 90 | 吉田光弘 | ![]() | 14 | +1Lap |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 21 | 中須賀克行 | ヤマハ | 112 | |
2 | 11 | 渡辺一馬 | カワサキ | 99 | |
3 | 1 | 高橋巧 | ![]() | 84 | |
4 | 72 | 高橋裕紀 | ![]() | 80 | |
5 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 68 | |
6 | 090 | 秋吉耕佑 | ![]() | 67 | |
7 | 26 | 渡辺一樹 | スズキ | 65 | |
8 | 5 | 野左根航汰 | ヤマハ | 51 | |
9 | 23 | 清成龍一 | ![]() | 45 | |
10 | 46 | 星野知也 | BMW | 39 | |
13 | 8 | 山口辰也 | ![]() | 35 | |
15 | 634 | 水野涼 | ![]() | 33 | |
19 | 51 | ザクワン・ザイディ | ![]() | 26 | |
23 | 20 | 日浦大治朗 | ![]() | 15 | |
24 | 7 | 濱原颯道 | ![]() | 13 | |
27 | 40 | 小島一浩 | ![]() | 2 | |
30 | 43 | 中津原尚宏 | ![]() | 1 |