ROUND 06
ツインリンクもてぎ
栃木県
2017.08.20(日)・JSB1000 決勝
全日本ロードレース選手権の第6戦が、栃木県にあるツインリンクもてぎで開催されました。鈴鹿8時間耐久ロードレースでの戦いを終えたJSB1000ライダーの多くにとっては、再びここからタイトルを争うシーズン後半戦へのシフトチェンジとなります。ランキングトップからわずか3ポイントで3位の高橋巧(MuSASHi RT HARC-PRO. Honda)は、トップを奪うべくレースに挑みました。
予選はノックアウト方式で争われ、Q1のトップ6台がQ3に進出。7番手から26番手のライダーはQ2に進出し、そこでトップ4台に入れれば、Q3を走る権利を獲得できます。
Q1では、高橋巧が4番手、高橋裕紀(MORIWAKI MOTUL RACING)は6番手で通過。山口辰也(TOHO Racing)はQ2でトップタイムを記録。高橋裕紀のチームメートの清成龍一は4番手を獲得し、Q3に進出する権利を獲得します。
Q3では、野左根航汰(ヤマハ)がポールポジションを獲得。Honda勢は、高橋裕紀が4番手、高橋巧が6番手、山口が8番手、そして清成が9番手を獲得しました。秋吉耕佑(au&Teluru・Kohara RT)は14番手、渥美心(UQ & テルル ・ Kohara RT)はQ1で転倒しタイムの計測ができず予選落ちとなりました。
決勝日の朝に行われたフリー走行では、高橋巧がトップタイムを記録。レースは、曇りの中、ドライコンディションで一斉にスタートが切られました。まずは津田拓也(スズキ)が好スタートを切り、ホールショットを奪いますが、中須賀克行(ヤマハ)に2コーナーでトップを奪われます。2番手には野左根がつけ、中須賀、野左根、津田、高橋裕紀がトップグループを形成。その後方に渡辺一馬(カワサキ)と高橋巧が続き、5番手争いを繰り広げました。
途中、高橋裕紀がトップ集団から遅れたことで、首位争いは中須賀、野左根、津田の3台に。高橋裕紀が4番手を単独走行する中、高橋巧は渡辺との戦いを制し、5ラップ目の1コーナーで5番手に浮上しました。
その周の90°コーナーで津田がオーバーランし、ポジションを落としたことで、トップを争うのは中須賀と野左根の2台に絞られます。3番手は高橋裕紀を先頭に、高橋巧、渡辺、津田の4台によって争われましたが、高橋巧が高橋裕紀をパスして3番手に浮上し、トップ集団の追撃を開始しました。
10ラップ目に入ると、高橋巧が4番手以下を引き離して3番手で単独走行へ。4番手争いは追い上げてきた津田、高橋裕紀、そして渡辺によって繰り広げられました。
山口は単独7番手で続き、8番手争いを濱原颯道(スズキ)、加賀山就臣(スズキ)、そして清成が繰り広げながら周回を重ねました。12ラップ目は、トップを争う中須賀と野左根の戦いが激しくなる中、7秒以上遅れている高橋巧がそれを追いかける展開に。他方では、津田が4番手、高橋裕紀が5番手、渡辺が6番手、山口が7番手でそれぞれ単独走行。14ラップ目には9番手争いを制した清成が濱原を抜き去り、8番手へ浮上しました。上位グループでは、津田が自己ベストを記録しながら高橋巧を追いかけます。高橋巧もタイムアップして逃げきろうとしましたが、津田の勢いの方がわずかに勝り、19ラップ目には4番手へポジションを落としました。
21ラップ目には中須賀がV字でスリップダウンするというアクシデントがあり、この影響で野左根が首位に。最終ラップでは津田と高橋巧が2番手をめぐる攻防を繰り広げるも、最終的に津田が2位、高橋巧は3位でチェッカーを受けました。4位に高橋裕紀が入り、山口は6位、清成は7位となりました。秋吉は17位でレースを終えました。
高橋巧(JSB1000 3位)
「今後を見据えて、鈴鹿8耐では17インチを選択して走りきり、手応えを感じてもてぎに入りましたが、走り出しから思うような感触を得られず、苦戦しました。決勝朝のフリー走行では対策をしてトップタイムを記録できたので、決勝に向けて、もっとよくしたいとセットを変更したのですが、欲張り過ぎたようでうまくまとめることができませんでした。レース後半には、このセットに慣れてきてタイムアップできましたが、勝負しきれずに終わってしまい、悔しい結果になりました。次戦に向けてしっかり対策して、追い上げていけるようにしたいです」
高橋裕紀(JSB1000 4位)
「鈴鹿8耐に出て、マシンに乗り込めたのが、ポジションアップにつながっていると思います。まだ、タイヤとマシンの調整は続いています。今回もロングランができていなかったので不安もありましたが、ポジションを保つことができました。途中からは離れてしまいましたが、序盤はトップ争いをすることができましたし、これまで届かなかった位置なので、確実に進歩を感じています。実践テストをしっかり重ねることで、もっと攻めるレースができるように仕上げていけたらと思っています」
山口辰也(JSB1000 6位)
「鈴鹿8耐では目標の6位になることができて、大きな進歩を感じることができたのですが、もてぎ戦では、電気系とブレーキに関しての調整ができないまま、決勝になってしまい、攻めきれない状況での戦いになってしまいました。この問題を解決できれば、格段にポテンシャルを上げることができると思いますので、そこを目指して努力したいです」
清成龍一(JSB1000 7位)
「勝つためのマシンを作るために、新しいパーツを投入してセットアップを進めてきましたが、それがうまくいかずに思うように走れず、タイムアタックという状況まで持っていけませんでした。Q3に残ることができましたが、そこもうまく走れず、その状況が決勝まで続きました。この位置を走るために戦っているわけではないので、あきらめずに上位を目指したいと思います。まだまだ、トライを続けていきます」
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 野左根航汰 | ヤマハ | 23 | 42'06.975 |
2 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 23 | +9.411 |
3 | 634 | 高橋巧 | ![]() | 23 | +10.062 |
4 | 72 | 高橋裕紀 | ![]() | 23 | +27.305 |
5 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 23 | +31.423 |
6 | 104 | 山口辰也 | ![]() | 23 | +43.551 |
7 | 88 | 清成龍一 | ![]() | 23 | +49.491 |
8 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 23 | +57.879 |
9 | 46 | 松崎克哉 | カワサキ | 23 | +57.879 |
10 | 94 | 浦本修充 | スズキ | 23 | +58.541 |
17 | 090 | 秋吉耕佑 | ![]() | 23 | +1'36.888 |
22 | 73 | 大貫貴彦 | ![]() | 22 | +1Lap |
13 | 中津原尚宏 | ![]() | 1 | +22Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|---|
1 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 117 |
2 | 634 | 高橋巧 | ![]() | 112 |
3 | 23 | 渡辺一馬 | カワサキ | 110 |
4 | 9 | 藤田拓哉 | ヤマハ | 91 |
5 | 50 | 濱原颯道 | スズキ | 85 |
6 | 5 | 野左根航汰 | ヤマハ | 82 |
7 | 18 | 近藤湧也 | ヤマハ | 66 |
8 | 94 | 浦本修充 | スズキ | 63 |
9 | 46 | 松崎克哉 | カワサキ | 61 |
10 | 104 | 山口辰也 | ![]() | 59 |
13 | 090 | 秋吉耕佑 | ![]() | 51 |
15 | 72 | 高橋裕紀 | ![]() | 45 |
16 | 080 | 渥美心 | ![]() | 44 |
17 | 57 | 日浦大治朗 | ![]() | 39 |
18 | 88 | 清成龍一 | ![]() | 39 |
21 | 79 | 伊藤真一 | ![]() | 33 |
26 | 31 | 関口太郎 | ![]() | 17 |
27 | 57 | 安田毅史 | ![]() | 15 |
28 | 42 | 中村知雅 | ![]() | 14 |
36 | 13 | 中津原尚宏 | ![]() | 2 |