全日本ロードレース選手権の第2戦、NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース・鈴鹿200km耐久レースが、三重県鈴鹿サーキットで開催されました。鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)の前哨戦として親しまれてきた、鈴鹿200km耐久レースが13年ぶりに復活しました。今回はライダー2名体制での参戦も可能で、1度はピットインすることが義務付けられています。
全日本ロードレース選手権のうち、JSB1000は今大会が開幕戦で、シリーズチャンピオンを狙うライダーたちの多くは単独で参戦しましたが、鈴鹿8耐を見据えて2名体制で挑むチームもあり、熱戦が繰り広げられました。
山口辰也
高橋巧(#634)
予選では、中須賀克行(ヤマハ)がトップとなり、ポールポジションを獲得。高橋巧(MuSASHi RT ハルク・プロ)は3番手。秋吉耕佑(au & テルル ・ Kohara RT)は5番手。山口辰也(TOHORacing)は6番手、4月10日に行われたル・マン24時間耐久ロードレースで、初参戦ながら3位を獲得した渡辺一馬(F.C.C. TSR Teluru )は11番手。J-GP2の2年連続チャンピオンの高橋裕紀(MORIWAKI RACING)が、今季からJSB1000にスイッチ、15番手となりました。
決勝前夜には雨が降り、天候が心配されましたが、決勝は晴れました。早朝に行われたウォームアップランでは、各チームとライダーが、最終調整やピットワークの確認作業を行い、緊迫した時間となりました。ウォームアップランでは、高橋巧は2番手、秋吉が3番手、山口が5番手、注目の高橋裕紀が9番手タイムを記録し決勝への期待を高めました。
渡辺一馬
秋吉耕佑
15ラップ目は中須賀、柳川、津田がトップ争いを繰り広げ、野左根、渡辺一樹、山口が4番手争いを繰り広げました。レース中盤には各ライダーが続々とピットインし、ピットレーンが慌ただしくなります。レース終盤は、中須賀が首位を独走し、それを津田、柳川が追う展開となりました。高橋巧と山口は5位争いを繰り広げ、25ラップ目には山口が5番手に浮上しました。これにより、先頭から中須賀、津田、柳川、野左根、山口、加賀山、高橋巧、渡辺一樹、渡辺一馬となりました。28ラップ目の最終コーナーで転倒車が出て、赤旗が提示されてレースが終了すると、そのままレースが成立したと認定されました。優勝は中須賀、2位が津田、3位が柳川、5位が山口、7位が高橋巧、9位が渡辺一馬、12位が秋吉、13位が高橋裕紀という結果になりました。
高橋裕紀
ディマス・プラタマ
このレースは、鈴鹿8耐の選抜レースも兼ねていました。世界耐久選手権を主催する国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は、今年からレギュレーションを変更し、鈴鹿8耐にエントリーできるチーム数を70チームに制限しました。昨年の鈴鹿8耐の実績から、22チームは参戦資格が認められましたが、残りの鈴鹿8耐のグリッドを獲得するために、多くのチームが今回の鈴鹿200km耐久レースに参加し、今レースは81チームで争われました。また、2名体制での参戦も可能なため、鈴鹿8耐を見据えた戦い方で参戦するチームが多くありました。予選を通過したのは52チーム、決勝で鈴鹿8耐への参戦をかけて戦ったのは26チームで、そのうち上位10チームまでが鈴鹿8耐に参戦する権利を得ました。
中津原尚宏
順位 | No. | ライダー | マシン | 周回数 | タイム/差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 中須賀克行 | ヤマハ | 29 | 1:03'03.694 |
2 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 29 | +7.544 |
3 | 87 | 柳川明 | カワサキ | 29 | +15.416 |
4 | 7 | 野左根航汰 | ヤマハ | 29 | +31.587 |
5 | 104 | 山口辰也 | ![]() |
29 | +40.828 |
6 | 71 | 加賀山就臣/浦本修充 | スズキ | 29 | +44.064 |
7 | 634 | 高橋巧 | ![]() |
29 | +45.158 |
8 | 26 | 渡辺一樹 | カワサキ | 29 | +55.363 |
9 | 49 | 渡辺一馬 | ![]() |
29 | +1'03.508 |
10 | 32 | 今野由寛/J.ウォーターズ | スズキ | 29 | +1'13.157 |
12 | 090 | 秋吉耕佑 | ![]() |
29 | +1'40.357 |
13 | 72 | 高橋裕紀 | ![]() |
29 | +1'42.963 |
15 | 50 | ディマス・プラタマ | ![]() |
29 | +1'59.531 |
18 | 44 | 関口太郎 | ![]() |
28 | +1Lap |
20 | 18 | 中津原尚宏/小林龍太 | ![]() |
28 | +1Lap |
22 | 28 | 安田毅史/亀井雄大 | ![]() |
28 | +1Lap |
26 | 47 | 中村敬司 | ![]() |
28 | +1Lap |
29 | 16 | 清水郁巳/大木崇行 | ![]() |
28 | +1Lap |
32 | 86 | 山中正之 | ![]() |
28 | +1Lap |
33 | 96 | 徳留和樹 | ![]() |
28 | +1Lap |
37 | 66 | 筒井伸 | ![]() |
28 | +1Lap |
41 | 57 | 片平亮輔 | ![]() |
27 | +2Laps |
43 | 24 | 久保山正朗/野寄真二 | ![]() |
27 | +2Laps |
順位 | No. | ライダー | マシン | 総合ポイント | |
---|---|---|---|---|---|
- | 1 | 1 | 中須賀克行 | ヤマハ | 35 |
- | 2 | 12 | 津田拓也 | スズキ | 32 |
- | 3 | 87 | 柳川明 | カワサキ | 30 |
- | 4 | 7 | 野左根航汰 | ヤマハ | 28 |
- | 5 | 104 | 山口辰也 | Honda | 26 |
- | 6 | 71 | 加賀山就臣 | スズキ | 25 |
- | 7 | 634 | 高橋巧 | Honda | 24 |
- | 8 | 26 | 渡辺一樹 | カワサキ | 23 |
- | 9 | 49 | 渡辺一馬 | Honda | 22 |
- | 10 | 32 | 今野由寛 | スズキ | 21 |
- | 10 | - | J.ウォーターズ | スズキ | 21 |
- | 13 | 90 | 秋吉耕佑 | Honda | 19 |
- | 14 | 72 | 高橋裕紀 | Honda | 18 |
- | 16 | - | ディマス・プラタマ | Honda | 16 |
- | 20 | 44 | 関口太郎 | Honda | 13 |
- | 23 | 18 | 中津原尚宏 | Honda | 11 |
山口辰也(JSB1000 5位)
「Honda勢でトップになったのは、プライベーターとして、キットバイクでJSB1000に参戦するようになって初めてのことです。それは、とても誇れることだと思います。今回のレースは、無事に走りきれてよかったというのが正直なところです。今年からブレーキのメーカーが変わったので、サスペンションのセッティングも、それに合わせて調整しなければならなかったのですが、テストの時間がなく、準備が不足していると感じていました。このマシン、まだで3ラップ以上走っていないという状況からレースに臨み、5位になれたのは、よかったです。次戦は、しっかり準備したいです」
高橋巧(JSB1000 7位)
「鈴鹿200km耐久レースは、何が起きるかわからないレースなので、序盤でピットインし、そこから走り続けて前に出るという作戦をとりました。ですが、マシンのセットアップができていませんでした。ブレーキとサスペンションが変わったので、そのポテンシャルを引き出すための時間が足りなかったと感じています。昨年のタイムを超えることができずに、我慢のレースになりました。悔しいですし、自分のポジションが信じられない気持ちです。次戦は自信を持って挑めるようにしたいです」
渡辺一馬(JSB1000 9位)
「サスペンションが代わり、ル・マンでのマシンと違うこともあり、こちらのマシンに合わせて感覚を修正しきれませんでした。それでも少しずつではありますが、方向性は見えてきたと思います。次のレースでは、マシンのポテンシャルを発揮できるようにしたいと思います」