2012年5月26日(土)、27日(日)・決勝 会場:オートポリスサーキット 天候:曇り(26日)、 晴れ(27日) 気温:28.7℃(26日)、23.4℃(27日) 観客:5455人(26日)、1万1650人(27日)
昨年に引き続きオートポリスでフォーミュラ・ニッポンとST600の2&4が開催されました。オートポリスはオフシーズンにコースが全面改修されたことから、タイムアップが期待される大会となりました。今大会にはフル参戦のタイのチャロンポン・ポラマイ(ヤマハ)とデチャ・クライサルト(ヤマハ)に加え、インドネシアのモハマド・ファドリ(カワサキ)がスポット参戦しました。
金曜日には45分間のフリー走行が3度行われましたが、ウエットとなったため土曜午前にウオームアップ走行を追加。ノックアウト方式の予選は、3セッションから2セッションに予定を変更して行われました。そして決勝は2レースとなり、1回目の決勝は土曜日に、2回目は日曜日に実施されました。上位入賞の常連、渡辺一馬(Kohara Racing)やオートポリスを得意とする小林龍太(MuSASHi RT ハルクプロ)、昨年目覚ましい活躍で注目を集めた福岡県出身の岡村光矩(RSGレーシング&ドリーム北九州)のほか、オートポリスでの優勝経験もある手島雄介(CLUB PLUS ONE)らにも期待が集まりました。
金曜日のフリー走行は1回目、2回目は雨。3回目は濃霧が立ち込め、終盤になってもまだ雨が落ちるという不順な天候となりました。予選からは天気が回復するとの予報だったこともあり、走行を見合わせるライダーもいました。ここでトップタイムはスポット参戦の大崎誠之(ヤマハ)、2番手に横江竜司(ヤマハ)、3番手に岡村、4番手に手島、5番手に井筒仁康(カワサキ)、5番手に小林、7番手に渡辺のオーダーとなりました。
予選日は薄曇りでしたが、路面状況はドライコンディション。20分のウオームアップ走行後、2回の予選がインターバルを挟んで行われることになりました。
1回目の予選で1レース目の全グリッドが決定。2回目の予選には1回目の上位24台が進出し、2レース目の上位グリッドを決定します。1回目のPPは津田拓也(スズキ)、渡辺は6番手、小林が7番手に続きました。2レース目のPPはポラマイ、7番手に渡辺、8番手に小林となりました。
1レース目のホールショットはクライサルト、津田、小林が好ダッシュを見せ、3番手にジャンプアップ。さらに津田を捕らえ、2番手に浮上し、クライサイト、小林、津田、中冨伸一(HitMAN RC甲子園ヤマハ)、ポラマイのオーダーでオープニングラップを通過しました。小林はコントロールタワー前でクライサルトに並びかけ、1コーナー飛び込みで前に出て首位に立ちますが、3ラップ目にはクライサルト、ポラマイが先行、小林は3番手に後退。4ラップ目には津田が前に出て小林は4番手にさらに後退。トップ争いはクラサイト、ポラマイ、津田、小林、中冨の5台になりました。次第にクライサルト、ポラマイが3番手以下を引き離し、一騎打ちの戦いを繰り広げ始めます。
6ラップ目、3番手を走行していた津田がオイルを吹き、マシンを止めました。津田の真後ろにいた小林はかろうじて転倒をまぬがれ、3番手に浮上しますが、これでトップ2台との差が広がってしまいました。クライサルト、ポラマイが逃げ、それを小林が追いかけます。そこから約2秒遅れて中冨が追い、その背後に渡辺が迫ります。8ラップ目には、渡辺が中冨を捕らえ4番手に浮上します。
トップ争いはクライサルト、ポラマイ、小林、渡辺、中冨が等間隔で迫る戦いへと変化します。12ラップ目、渡辺はベストタイムを記録し小林に迫りますが、3位争いが激しくなり、その間、トップ2台は逃げ、3番手小林とのギャップが広がってしまいます。そして小林、渡辺、中冨の3位争いが激化しました。
15ラップ目、中冨が動き、渡辺を捕らえて4番手に浮上すると、さらに小林を捕らえ、3番手に。ポラマイもクライサルトに再び迫り、最終ラップへと突入しました。ポラマイはクライサルトのインに飛び込みましたが、そこで接触して単独転倒。その結果、クライサルトは単独トップとなり優勝。2位に中冨、3位に小林でチェッカーを受けました。4位に渡辺、12位に手島、13位に岡村が入りました。
レース2が行われた日曜日、快晴に恵まれたオートポリス、PPのポラマイは負傷のため欠場となりました。ウオームアップランはクライサルトがトップタイム。決勝ホールショットはクライサルト、それに大崎、中冨が続き、渡辺は4番手、小林は8番手からの追い上げとなります。トップはクライサルト、2ラップ目に中冨が2番手に浮上、3番手の大崎がトップを争います。それを追う渡辺は、井筒の先行を許し、ポジションダウン。セカンドグループは井筒、渡辺、岩崎哲朗(カワサキ)で争います。
4ラップ目、渡辺と岩崎が接触転倒し、戦列を離れてしまいます。トップグループのクライサルト、中冨、大崎に井筒は迫り、4台のトップ争いとなります。それを津田、佐藤裕児(ヤマハ)、稲垣誠(ヤマハ)、横江、小林が懸命に追う展開となりました。中冨はクライサルトを捕らえて首位に立ちますが、かわされてしまい、クライサルト、中冨のオーダーは変わりません。
13ラップ目、井筒は大崎を捕らえて3番手に浮上すると中冨に迫ります。トップ争いはクライサルト、中冨、井筒、大崎、津田の5台となり接戦が続きますが、次第に上位3台が4番手以降を突き放す状態となり、トップ3の戦いへと変化します。クライサルト、中冨、井筒を追うのは大崎、津田、そこから大きく離れて佐藤、稲垣、手島、小林、岡村、横江が続きます。クライサルトはラストスパートをかけ中冨を突き放し、余裕のチェッカーでダブルウイン。2番手争いは中冨、井筒の接戦となりましたが、中冨が先にゴール、3位井筒となりました。4位に大崎、5位に津田と次々にチェッカーをくぐりました。手島は8位、9位に岡村、12位に小林が入りました。
小林龍太(ST600 3位/12位) 「レース1では、津田選手の後ろにいて、白い煙が見えたので危険だと用心してよけたのですが、ヘルメットにオイルがまともにかぶり、一瞬、前が見えなくなりました。バイザーを急いで捨ててレースに集中しました。あのアクシデントがなければと思いましたが、なんとか表彰台に上がることができました。今回は、Tカーも用意してもらい、チームの厚いサポートで走ることができています。ですので、勝てなかったことが、とても悔しいです。レース2では、優勝を目指してグリッドに着いたのですが、ペースを上げることができませんでした。周回を重ねる度に難しくなってしまって、走り切ることで精一杯でした。結果は不本意ですが、オートポリスを走ることで収穫もありました。チームのバックアップがすばらしく、メカニックさんが3人もついてくれ、タイヤ屋さんのサポートの方などとしっかりコミュニケーションすることができて、経験値を上げることができたと思います。この経験を次のレースへ生かせるようにがんばります」
渡辺一馬(ST600 4位/リタイア)「レース1では、スタートでトップグループについていくことができたのですが、序盤はうまくペースをつかむことができずに、トップグループが53秒台に入れているのに、自分は54秒台と離れてしまいました。ですが、中盤以降はペースをつかむことができ、追い上げることができました。なんとか、中冨さんを抜きたかったのですが、抜くまでには至りませんでした。レース2は、チームとセッティングの変更を含めて対策をとり、自分自身も走り方のアプローチを変えるなど考えて挑みました。スタートも悪くなく、トップ争いに追い付いて行こうとした矢先に、2ヘアピンの進入で無理やりインに突っ込まれてリタイアしてしまいました。再スタートしたかったのですが、マシンのダメージが大きく、それもできなくて……。ですが、自分自身の調子は悪くなく、上向いていることが実感できました。結果は残りませんでしたが、残りのレースできちんと力を示すことができるようにします」
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 30 | D.クライサルト | ヤマハ | 30:33.183 |
2 | 43 | 中冨伸一 | ヤマハ | +2.587 |
3 | 634 | 小林龍太 | Honda | +2.764 |
4 | 3 | 渡辺一馬 | Honda | +3.578 |
5 | 77 | 井筒仁康 | カワサキ | +13.030 |
6 | 62 | 横江竜司 | ヤマハ | +15.531 |
順位 | No. | ライダー | マシン | タイム/差 |
---|---|---|---|---|
1 | 30 | D.クライサルト | ヤマハ | 30:40.525 |
2 | 43 | 中冨伸一 | ヤマハ | +0.462 |
3 | 77 | 井筒仁康 | カワサキ | +0.576 |
4 | 75 | 大崎誠之 | ヤマハ | +1.467 |
5 | 15 | 津田拓也 | スズキ | +1.868 |
6 | 6 | 佐藤裕児 | ヤマハ | +9.622 |
順位 | ライダー | マシン | 総合ポイント |
---|---|---|---|
1 | D.クライサルト | ヤマハ | 92 |
2 | 中冨伸一 | ヤマハ | 74 |
3 | 井筒仁康 | カワサキ | 56 |
4 | 津田拓也 | スズキ | 52 |
5 | 渡辺一馬 | Honda | 51 |
6 | C.ポラマイ | ヤマハ | 47 |