JSB1000伊藤真一が両レース3位で2年ぶりの表彰台
GP250高橋巧が最終戦を待たず初の栄冠に輝く!
GP125菊池寛幸が今季3勝目でランキングトップに浮上
岩田悟がST600初優勝を飾る!
2008年9月7日(日)
決勝 |
会場:三重県・鈴鹿サーキット
天気:晴れ
気温:31.8℃
観客:1万7000人 |
鈴鹿サーキットが改修工事に入るため、例年最終戦として行われていた鈴鹿大会が第5戦に組み込まれ、現状のコースでの全日本選手権の開催は最後となる。今季も残り2戦となり、タイトル争いも大詰め。JSB1000は残り鈴鹿、岡山と2大会だが、それぞれ2レース制となるためポイントは2戦分ずつと大逆転の可能性を秘めた戦いとなる。他クラスは通常通り1レースずつで行われる。
金曜日には強い雨が降り、予選の天気が心配されたが、土曜日は強い日差しが照りつけ、残暑が厳しい天候となった。予選は、雨上がりの路面コンディションであることや、湿度の高さが影響して各クラス、なかなかタイムが上がらず苦戦。セットアップも難しいものとなった。
注目のJSB1000は安田毅史(急募.com HARC-PRO.)が鈴鹿8時間耐久ロードレースで負ったケガから復帰。A、B組に分かれ行われた予選1回目B組では安田がヘアピンで失速、そこに手島雄介(DREAM Honda Racing Team 48)が接触して転倒、安田は自力でピットに戻ったが、手島は左手甲を骨折しドクターストップ。予選、決勝とキャンセルせざるをえなくなった。酒井大作(スズキ)も200Rでハイサイド転倒、最終予選では、中須賀克行(ヤマハ)、柳川明(カワサキ)らも転倒と、転倒者続出の予選となった。
最終的に秋吉耕佑(スズキ)がコースレコードを更新する快走でPP。2番手中須賀、3番手伊藤真一(KEIHIN Kohara R.T.)、4番手安田、5番手に山口辰也(モリワキMOTULレーシング)、6番手柳川、7番手に徳留和樹(DREAM Honda Racing Team 11)、10番手に辻村猛(F.C.C.TSR)、14番手に亀谷長純(Team 桜井ホンダ)となった。
決勝日は鈴鹿8耐並みの暑さとなった。1レース目、ホールショットの秋吉のリードでレースは始まった。2番手に中須賀、3番手に徳留となるが、伊藤が徳留、中須賀をかわして2番手に浮上。3番手中須賀、4番手徳留、5番手に山口のオーダーで周回を重ねる。11ラップ目、徳留が200Rでミス、その間に山口が4番手に浮上、徳留は5番手となる。徳留はリズムを崩し、大崎誠之(ヤマハ)にもかわされ6番手となってしまう。
12ラップ目には激しさを増した中須賀と伊藤のバトルに周回遅れが絡み、中須賀が前に出て2番手、伊藤が3番手となる。13ラップ目、4番手走行のランキングトップの山口がスプーンカーブで周回遅れと絡んで転倒リタイア。秋吉は独走態勢を築いて優勝、2位中須賀、3位伊藤で表彰台に上った。伊藤は全日本選手権2年ぶりの表彰台。4位大崎、5位徳留。6位辻村、7位安田、8位柳川、9位佐藤裕児(ヤマハ)、10位に亀谷となった。
2レース目もスタートダッシュを決めて飛び出したのは秋吉、2ラップ目には2分7秒74に入れて逃げる。2番手は伊藤、中須賀、安田、山口で争われた。その後方は、徳留、大崎、柳川の戦い。辻村はマシントラブルでピットインリタイア。2番手は伊藤、中須賀が激しいつばぜり合いを見せる。
12ラップ目、中須賀がカシオトライアングルで伊藤に仕掛けて2番手に浮上、3番手伊藤となる。秋吉は逃げきり優勝でダブルウイン。2位中須賀、3位伊藤で1レース目と同じ顔ぶれで表彰台に上がった。4番手は安田、大崎、山口、徳留の争いとなり激しさを増すが、そのままの順位でチェッカーを受けた。8位に柳川、9位佐藤、10位亀谷となった。2レースを終えて、中須賀がランキングトップに返り咲き、タイトル争いは最終戦に持ち越された。
GP250は宇井陽一(ヤマハ)がPP。高橋巧(バーニングブラッドRT)が2番手。富沢祥也(Team Project μ FRS)は12番手となる。レースでは宇井がリード、それを高橋が追う展開。スタート直後のS字で山崎郡(ヤマハ)が転倒、その影響もあり宇井、高橋のトップ争いと3位争いが離れて、宇井、高橋の一騎打ちとなる。
高橋は9ラップ目の1コーナーで宇井を捕らえると、主導権を握ってレースを引っ張る。しかし、宇井は離れず最終ラップの勝負となるが、高橋は宇井を突き放して優勝。2位に宇井、3位に関口太郎(ヤマハ)が入った。ランキング2位の富沢が6位、ランキング3位の及川誠人(ヤマハ)が5位となったことで、高橋はポイントを93と伸ばし、ランキング2位の及川に24ポイント差をつけたことで最終戦を待たずチャンピオン獲得を決めた。
GP125は浪平伊織(Honda鈴鹿レーシングチーム)がPPを獲得して、決勝ホールショットも浪平。数珠つなぎのトップ争いは激しく、トップが目まぐるしく入れ替わったが、6ラップ目に首位にたった菊池寛幸(F.C.C.TSR)が主導権を握り、後半にかけてスパート。2番手争いは竹内吉弘(プロマチックアイMS&YUE)、尾野弘樹(BATTLE FACTORY)、浪平、岩田裕臣(DyDo MiU Racing)の4台がポジションを入れ替えながら菊池を追った。
しかし、終盤にきて菊池がスパート。首位を奪って逃げて、今季3勝目を挙げてランキングトップに浮上した。2位には激しい争いを制して尾野が初表彰台、3位には浪平が入りHondaが表彰台を独占した。
ST600は、4連勝中の小西良輝(急募.com HARC-PRO.)がランキングトップで80ポイントと、ランキング2位で45ポイントの野田弘樹(テルル・ハニービーレーシング)に大量リード、ここで小西が8位以内に入ればチャンピオン決定となる。PPはストップ・ザ・小西を掲げる野田。2番手に岩田悟(F.C.C.TSR)。小西は6番手となった。
決勝スタート、ホールショットは野田となったが、ファーストラップを制したのは小西。トップ争いは7台が数珠つなぎとなるが、そこから小西、野田が抜けて一騎打ちの戦い。しかし、4ラップ目の最終コーナーでトップ同士が接触、野田がそのままリタイア、小西は転倒を免れて独走態勢を築くもデグナーで転倒という大波乱。小西はコース復帰するがピットインリタイア。代わってトップは小林龍太(急募.com HARC-PRO.)となるがデグナーでコースアウト。トップは岩田となり、そのまま逃げて初優勝を飾った。2位に出口修(DyDo MiU Racing)、3位に高橋英倫(カワサキ)が入った。4位に小林が入り、タイトル決定は最終戦に持ち越された。
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