モータースポーツ > 全日本ロードレース選手権 > 第3戦 オートポリス 決勝
リザルト ポイント
第2戦 筑波サーキット 第2戦 筑波サーキットview

JSB1000は山口辰也がHonda最高位の5位
GP250は高橋巧が3連勝!
GP125は菊池寛幸が2連勝!
ST600は小西良輝が接戦を制して3連勝を飾った

2008年5月25日(日)
決勝
会場:大分県・オートポリス
天気:晴れ
気温:19℃
観客:2万9100人

ミルクロードと呼ばれる農道を上った緑豊かな山間にあるオートポリスは、晴れれば最高のロケーションとなるサーキットだ。しかし、今大会の予選は土砂降りの雨が降ったかと思えば上がり、濃霧が出るという天候で、各クラスで大幅にタイムスケジュールが変更された。

JSB1000は、スーパーポールが中止となり、午前中の予選順位でグリッドが決まった。ポールポジションは秋吉耕祐(スズキ)、2番手に伊藤真一(KEIHIN Kohara R.T.)、3番手に手島雄介(DREAM Honda Racing Team 48)がフロントローに並ぶ。4番手の中須賀克行(ヤマハ)、5番手が山口辰也(モリワキMOTULレーシング)と続き、亀谷長純(Team 桜井ホンダ)は7番手、徳留和樹(DREAM Honda Racing Team 11)は11番手となった。

決勝は雨上がりの難しいコンディションではあるが、ドライコンディションでスタートが切られた。手島はジャストミートでスタートダッシュを決めてホールショットを奪い、トップ争いに加わるが、リズムをつかめず後退。主導権を握ったのは秋吉で、それを中須賀、手島、山口、徳留が数珠つなぎとなって追う展開。秋吉、中須賀のトップ争いに加わろうと3番手に浮上した徳留を、山口、酒井大作(スズキ)、手島が激しい争いを繰り広げながら追う。だが、猛然と追い上げてきた柳川明(カワサキ)が、その争いの前に出て、柳川と酒井の3位争いへと発展。ほかは大きく遅れてしまう。

手島は思うような走りができずに8番手を走行、徳留はトラブルのためにピットインする事態となり、リアタイヤ交換してレースに復帰するも、トップ集団は遠く離れていた。それでもあきらめずにプッシュするが、マシンの状態は変わらず、再度ピットインしてレースをあきらめることになった。優勝は秋吉、2位中須賀、3位酒井でチェッカー。山口は5位、伊藤はトラブルを抱えるも我慢の走りで6位、手島は8位、亀谷は11位となった。

GP250は、豪雨のため予選時間が変更されてのアタックとなった。雨の降るタイミングでタイムにばらつきが出てしまう走行の中で、宇井陽一(ヤマハ)がPP。高橋巧(バーニングブラッドRT)が3番手、富沢祥也(Team ProjectμFRS)は9番手となる。

決勝はドライで行われ、ホールショットは宇井、高橋は若干スタートで出遅れてオープニングラップ5番手となるも、6ラップ目にはトップに浮上し、宇井、及川誠人(ヤマハ)が高橋を追う。7ラップ目には宇井が高橋の前に出るが、再び高橋が首位に立つ。及川が次第に遅れていき、2台は一騎打ちとなる。終盤、再び及川が追いつき、3台のトップ争いとなるが、高橋が主導権を握って3連勝目のチェッカーを受けた。2位宇井、3位及川、4位に富沢が入った。

GP125は、菊池寛幸(F.C.C.TSR)が2戦連続のPP。決勝は霧が出たためスタート進行が遅れ、スタート直前は小雨が降っていた。その雨が上がってのスタートとなり、次第にライン上は乾くという難しいコンディションとなった。

ホールショットは浪平伊織(Honda鈴鹿レーシングチーム)。すぐに徳留真紀(ヤマハ)がトップを奪うが、菊池が猛然と追いつき、浪平、徳留、菊池の3台のバトルに発展。そこから浪平が遅れ、徳留と菊池の一騎打ちとなる。1コーナーで前に出る菊池、しかし第2ヘアピンでは徳留が前に出るという息詰まる展開となったが、最終ラップにスパートした菊池が徳留を抑えて2勝目を挙げた。2位に徳留、3位に浪平が表彰台に上がった。

ST600は豪雨の予選となり、稲垣誠(バーニングブラッドRT)が自身2度目、今季初PP。決勝は小西良輝(急募.com Team HARC-PRO.)がホールショットを奪ってレースをリード、そこに宮崎敦(ヤマハ)、寺本幸司(スズキ)、予選13番手5列目グリッドから追い上げた野田弘樹(テルル・ハニービーレーシング)、小林龍太(急募.com Team HARC-PRO.)らが続き、激しいトップ争いへと発展。目まぐるしくポジションを入れ替えながら周回を重ねた。

最後は小西、寺本の争いとなり、最終ラップのヘアピンの攻防で寺本が転倒して争いに終止符、小西が今季3連勝のチェッカーをくぐり抜けた。2位には宮崎とのバトルを制した野田が入り、3位に宮崎となった。

また、前回の筑波戦の競技結果に対しハルクプロ(代表本田重樹氏、小西良輝選手)より、国内規律裁定委員会に控訴が提出され、5月19日に国内規律規定委員会が開催された。委員会は小西選手の「白旗区間における追い越し」は認められず規則違反とは判断できないと決定。大会審査委員会決定を無効とし、小西選手のレース結果を復元し1位として武田雄一選手以下を順次繰り下げることとなった。

コメント

手島雄介(JSB1000 8位)

「スタートがうまくいきホールショットが取れて、序盤の流れはよかったのですが、後半セクションではうまくリズムがつかめずに順位を落としてしまいました。トップ争いに加わることができなくて残念でした。8位をキープするのが精一杯でした。後半戦までには時間があるので、きちんとセットアップを詰めて、確実に前進したいと思います」

徳留和樹(JSB1000 リタイア)

「オートポリスは地元サーキットなので、いい流れをつかみたいと事前テストからがんばっていたのですが……。3位まで追い上げて、それからトップ争いに追いついていこう、まずは2位の中須賀君に追いつこうと、思っていた矢先のトラブルで、どうにもならなかった。このまま走り続けるのは危険と判断してピットイン。タイヤの選択ミスと思いリアタイヤを履き替えてコースに戻りましたが、症状は改善されなかったので、ピットに戻りリタイアすることを決めました。とても残念です。後半戦に向けて自分を追い込んで、確実にトップ争いをするようにしたいと思っています」

松原輝明|DREAM Honda Racing Team 監督

「ファンのみなさんの期待に応える結果を残すことができず、本当に申し訳なく思っています。手島に関してはスタートもよく、順調な滑り出しでしたが、セッティング不足が出てしまったようです。徳留もいいペースで追い上げ、トップ争いに加わってくれるだろうと思っていたのですが、トラブルでそれもかないませんでした。ピットイン後にレースに復帰し、1ポイントでもポイントを得ようとしたのですが、それも難しかったようです。トラブルの原因究明が緊急課題としてあり、きちんと対策をして後半戦に挑みます」

高橋巧(GP250 優勝)

「予選ではタイミングがつかめず、PPをとることができなかったのですが、フロントローだったので、きっちりスタートしようと思ったのに出遅れてしまいました。でも、トップ争いに加わり、宇井さんに離れずに勝負ができたのでよかった。最終ラップできっちりと勝負できるようにと考えて走りました。なんとか3連勝することができてよかった。後半戦もしっかりがんばって連勝記録を伸ばすことができるようにしたいと思います」

菊池寛幸(GP125 優勝)

「金曜日のフリーから徳留(真紀)選手のタイムが抜きん出ていたので、それに追いつくためにはどうすればいいのか考えていましたが、土曜日は雨だったこともあり、事前テストのときのセットアップに戻して挑みました。徳留選手とのバトルはどうなるかと思いましたが、詰めることができてよかった。スタッフがマシンを仕上げてくれて、毎戦楽しくレースができる状況を作ってもらっているので、それに応えることができてうれしい。この調子でがんばっていきたい」

小西良輝(ST600 優勝)

「前戦の筑波の判定に対して納得がいかずに告訴するなどお騒がせしましたが、1位と確定し、晴れやかな気持ちでオートポリスに挑むことができました。ですが、ここで勝つことができれば全日本開催サーキットをすべて勝ち、グランドスラムを達成することになるので、なんとか昨年のSUGOから6連勝したかった。ラインはドライでしたが雨上がりの滑りやすいコンディションで苦しい展開となりました。でも勝てると信じて、最後まであきらめずに集中力をきらすことなく走りきり、勝つことができて本当にうれしい」

野田弘樹(ST600 2位)

「金曜日から安定してタイムを記録できていたのでドライならと思っていたのですが、雨の予選となり、うまくいかなかったのでグリッドが5列目でした。序盤で前に出なければと思っていました。トップグループに追いついたのですが、ラスト5ラップでラインが完全にドライになったときに、うまく走れず詰めきれなかった。ゼッケン1を止めることを常に考えているのに、いまだに止めることができずにいます。でも今回のレースは学ぶことも多かったので、次こそ優勝できるようにがんばります」

決勝リザルト

JSB1000

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 64 秋吉耕佑 スズキ 18 33:25.599
2 21 中須賀克行 ヤマハ 18 33:27.194
3 39 酒井大作 スズキ 18 33:32.825
4 87 柳川明 カワサキ 18 33:33.235
5 19 山口辰也 Honda 18 33:45.312
6 33 伊藤真一 Honda 18 33:47.062
8 48 手島雄介 Honda 18 33:58.930
RT 11 徳留和樹 Honda 9 19:21.625

GP250

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 2 高橋巧 Honda 15 28:41.805
2 41 宇井陽一 ヤマハ 15 28:42.410
3 3 及川誠人 ヤマハ 15 28:43.379
4 48 富沢祥也 Honda 15 29:06.500
5 5 濱本裕基 ヤマハ 15 29:06.604
6 11 渡辺一樹 ヤマハ 15 29:10.662

GP125

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 8 菊池寛幸 Honda 14 28:08.043
2 2 徳留真紀 ヤマハ 14 28:08.100
3 11 浪平伊織 Honda 14 28:19.245
4 7 山田亮太 Honda 14 28:25.779
5 1 岩田裕臣 Honda 14 28:26.808
6 46 日浦大治朗 Honda 14 28:26.965

ST600

順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 1 小西良輝 Honda 16 31:42.905
2 4 野田弘樹 Honda 16 31:43.468
3 72 宮崎敦 ヤマハ 16 31:43.649
4 73 小林龍太 Honda 16 31:46.593
5 77 出口修 Honda 16 31:52.438
6 18 高橋江紀 Honda 16 32:03.064

ポイントスタンディング

JSB1000

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 中須賀克行 ヤマハ 72
2 酒井大作 スズキ 60
3 山口辰也 Honda 52
4 柳川明 カワサキ 48
5 秋吉 耕佑 スズキ 47
6 手島雄介 Honda 46
13 徳留和樹 Honda 22

GP250

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 高橋巧 Honda 60
2 富沢祥也 Honda 47
3 及川誠人 ヤマハ 43
4 渡辺 一樹 ヤマハ 33
5 山崎郡 ヤマハ 31
6 伊藤勇樹 ヤマハ 21

GP125

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 徳留真紀 ヤマハ 45
2 山田亮太 Honda 44
3 菊池寛幸 Honda 40
4 日浦大治朗 Honda 31
5 浪平伊織 Honda 30
6 柳沢祐一 Honda 28

ST600

順位 ライダー マシン 総合ポイント
1 小西良輝 Honda 60
2 野田弘樹 Honda 45
3 小林龍太 Honda 41
4 武田雄一 ヤマハ 27
5 稲垣誠 Honda 24
6 宮崎敦 ヤマハ 21

フォトギャラリー

  • 第2戦 筑波サーキット
  • 第2戦 筑波サーキット
  • 第2戦 筑波サーキット
  • 第2戦 筑波サーキット
  • 第2戦 筑波サーキット
  • 第2戦 筑波サーキット