JSB1000は手島が3位に入り、今季初表彰台獲得!
GP250はケガを押して参戦した高橋が2連勝を飾る!
GP125菊池は3年ぶりの勝利
ST600は小林が2位、小西は3位となった
※ST600決勝における小西へのペナルティを無効とする裁定が下され、小西の優勝が確定した(2008年5月21日MFJ発表)。
2008年5月11日(日)
決勝 |
会場:茨城県・筑波サーキット
天候:雨のち曇り
気温:13℃
観客:1万5800人 |
JSB1000は、開幕戦もてぎのフリー走行で転倒し、ケガをした安田毅史(急募.com HARC-PRO.)の代役として、HondaのMotoGPマシンの開発テストライダーである岡田忠之が第2戦筑波と第3戦オートポリスに参戦することになった。岡田は世界選手権ロードレース(WGP)の元トップライダーであり、現在でも鈴鹿8時間耐久ロードレースで勝利を狙えるライダーとして現役で活躍している。筑波サーキットを走るのは14年ぶりとなるが、茨城県出身の岡田にとってはホームコースであり、ここから巣立っただけに注目を集めた。大先輩の岡田の参戦で、手島雄介(DREAM Honda Racing Team 48)、徳留和樹(DREAM Honda Racing Team 11)らの奮起も期待された。
今回は、安全性の問題からグリッド数が24台までに限られたため、土曜日の予選は激しいタイムアタック合戦となった。当日はあいにくの雨模様となり、降ったり止んだりの天候のため、路面は終始ウエット。ここでトップタイムを記録した手島が、全日本昇格後、初めてのポールポジション(PP)を獲得した。2番手には秋吉耕佑(スズキ)、3番手の酒井大作(スズキ)までがフロントロー。8番手に徳留がつけた。ドライコンディションで行われた金曜日のフリー走行では2番手につけてポテンシャルの高さを示した岡田だが、予選ではウエット路面に苦戦、タイム更新はならずで予選落ちに終わったが、シード枠で最後尾の24番グリッドを得た。
スターティンググリッドにはMotoGPライダーの中野真矢や、引退した井筒仁康、原田哲也らが応援に駆けつけ、華やかな顔ぶれにファンの注目が集まった。
決勝の朝は本降りの雨で、ウオームアップランはウエット。しかし午後には雨も上がり、JSB1000の決勝は完全なドライとなった。PPスタートの手島は好ダッシュで1コーナーに飛び込んでいくが、ホールショットは中須賀克行(ヤマハ)。2番手に手島が続く。3番手に秋吉、4番手山口辰也(モリワキMOTULレーシング)、5番手亀谷長純(Team 桜井ホンダ)と続いた。
3ラップ目に秋吉が手島をパスして中須賀に接近、5ラップ目には手島は山口にパスされて4番手に後退した。手島は酒井大作(スズキ)にもパスされて5番手に落ちた。トップは中須賀、秋吉で激しく争われ、3番手争いは酒井、山口、手島の戦いとなる。一時ポジションを落とした手島だったが、ペースアップして12ラップ目に山口をとらえ、27ラップ目には酒井をかわして3番手に浮上すると、トップグループを追う。しかし、3位争いを繰り広げている間にトップの2台は逃げ、手島にとっては苦しい展開となった。
最終的に30ラップのレースを制したのは中須賀で2連勝、2位秋吉、3位に手島と次々にチェッカーを受けた。4位酒井、5位山口、伊藤真一(KEIHIN Kohara R.T.)は6位フィニッシュ。岡田は最後尾スタートから10位まで浮上して、観客の大声援を浴びた。徳留は11位。亀谷はトラブルのため21位。辻村猛(F.C.C.TSR)はスタート直後に転倒リタイアを喫した。
GP250の予選では、フリー走行で非公式ながらレコードタイムを記録するなど好調な高橋巧(バーニングブラッドRT)が転倒、右足のじん帯を痛めたものの10番手となった。PPは関口太郎(ヤマハ)、富沢祥也(Team ProjectμFRS)は7番手となった。
決勝でホールショットを奪ったのは富沢だが、すぐに高橋がトップを奪い返してレースをリード。オープニングラップでチャンピオンの宇井陽一(ヤマハ)が転倒リタイアする波乱もあったが、高橋は富沢を突き放してリードを広げた。だが、富沢もペースアップして高橋に肉薄、トップ争いは2人に絞られた。しかし、接近戦の中で高橋が富沢を突き放し、2連勝を飾った。3位には渡辺一樹(ヤマハ)が入った。
GP125は菊池寛幸(F.C.C.TSR)がPP。決勝は雨が残り、レース中に乾いていくという難しいコンディションとなった。ホールショットは尾野弘樹(BATTLE FACTORY)が奪い、それを柳沢祐一(18 GAREGE RACING TEAM)、菊池らが数珠つなぎで追う。4ラップ目に柳沢がトップを奪うが、8ラップ目には菊池が首位に立ち、2番手柳沢とトップ争いを展開した。勝負は最終ラップの最終コーナー、菊池が柳沢を抑えて3年ぶりの勝利を飾った。3位には徳留真紀(ヤマハ)が入った。
ST600は高橋英倫(カワサキ)がPP。2番手に小西良輝(急募.com Team HARC-PRO.)がつけた。ST600も決勝の路面はウエットからドライへと変わるという微妙なコンディション。ライン上はほぼ乾いており、スタートから激しい攻防が繰り広げられた。
オープニングラップの第1ヘアピンで多重クラッシュが起き、救急車が出動する波乱となるが、レースは続行。小西は2ラップ目にトップに立つと、レースをリードして独走態勢を築きトップでチェッカー。2位には寺本幸司(スズキ)、3位に武田雄一(ヤマハ)が入った。しかし、小西は白旗無視により2順位降格、寺本はマーキングされていないタイヤを使用したことで失格となった。武田が繰り上げ優勝、2位に小西のチームメートの小林龍太という結果になった。
※ST600クラス決勝レースにおける1号車(小西)の「白旗区間における追越し」の事実検証と罰則ついての控訴を受けて国内規律裁定委員会が開催され、該当区間での追い越しは認められず規則違反とは判断できないことから、大会審査委員会決定を無効とする最終決定が下された(2008年5月21日MFJ発表)。
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