今回の予選はノックアウト方式が採用された。勝ち抜き戦で3セッションが行われ、最終予選を走るためには2度のセッションで上位12番手までに残らなければならないというシビアなもの。伊藤真一(KEIHIN Kohara R.T.)、柳川明(カワサキ)らベテランライダーが最終予選に進むことができないという番狂わせがあり、最終予選は緊迫したムードとなった。開始早々、中須賀克行(ヤマハ)が、レコードタイムを叩き出し、それを超えようと安田毅史(急募.com HARC-PRO.)、清成らが果敢なアタックを見せたが届かず。中須賀がポールポジション、2番手に安田、3番手清成でフロントローとなった。
1レース目決勝、スタート直前に小動物がコース上に迷い込むというアクシデントがあり、赤旗が提示された。タイヤウオーマーを外してしまっていたため、タイヤの温度が気になる状況となった。スタート進行が再開されサイティングラップで山口辰也(モリワキMOTULレーシング)と横江竜司(ヤマハ)が接触転倒でリタイアの波乱。さらにタイヤの温度を上げようとした安田がデグナーでコースアウト、幸いコース復帰してグリッドについた。
決勝スタートでホールショットを奪ったのは清成、それを中須賀、安田、酒井大作(スズキ)が追う展開となった。レースをリードする清成に中須賀が迫るが、清成は突き放す。安田は時速287.1kmの最速スピードを記録、それを武器に中須賀に急接近して12ラップ目には2番手を奪う。だが、中須賀も食いつき、激しいバトルとなる。2位争いが激しくなるにつれ、清成は独走態勢となり勝利に突き進んだ。最終的には清成がトップでチェッカー、2位争いは安田が制した。3位に中須賀、4位酒井、5位にスタートの出遅れから追い上げた亀谷長純(Team 桜井ホンダ)となった。
2レース目は1レース目より路面温度が上昇。スタート時に秋吉耕佑(スズキ)のマシンにトラブルが発生してリタイアしたことで、再びスタート進行がやり直された。だが、清成は再びホールショットを奪い、逃げる。2ラップ目には2分7秒755のファステストラップを記録して、早くも独走態勢。誰にも脅かされることなく優勝のチェッカーをくぐり抜け、ダブルウインを達成した。2位には果敢な走りを見せた安田が入り連続2位。3位には酒井が入り、表彰台に上った。亀谷は追い上げて4位。伊藤も後半に怒とうの追い上げを見せて6位に滑り込んだ。最終ランキングはチャンピオンが渡辺、2位に今季からJSB1000に参戦したばかりの安田。5位に亀谷、6位徳留、7位山口。11位に今季ケガに泣いた辻村猛(F.C.C.TSR)、森脇尚護(モリワキMOTULレーシング)は13位。昨年のチャンピオン伊藤は18位でシーズンを終えた。
GP250は2戦連続で高橋巧(バーニングブラッドRT)がレコードタイムを叩き出してポールポジションをゲット。2番手に宇井陽一(ヤマハ)。3番手に濱本祐基(ヤマハ)がフロントローに並んだ。ダブルエントリーの富沢祥也(TeamProjectμFRS)は予選でマシントラブルが発生してタイムを記録することができず、嘆願書を提出して最後尾グリッドに並んだ。
決勝では高橋がホールショットを決めて快調に飛ばし、早々に独走態勢に持ち込んで危なげない走りで2連勝を飾った。これでランキング2位を獲得してシーズンを終えた。2位には単独走行となった宇井が入りタイトルを得た。3位には山崎郡(ヤマハ)が入り、初表彰台。富沢は追い上げて8位でチェッカーを受け、ランキングも8位となった。
GP125は仲城英幸(TEAM ASPIRATION)が昨年の開幕戦以来のポールポジション。2番手には中学生ライダー、13歳の日浦大治朗(Team NOBBY)、3番手に山本武宏(チームMARINEコスモス+G)がつけた。ダブルエントリーの富沢は7番手。タイトル決定がかかる岩田裕臣(TEAM PLUS ONE)は23番手8列目からの苦しいスタートとなった。
決勝のホールショットを奪ったのは仲城。仲城がレースをリードするが、トップ争いは8台に膨らんだ。追い上げた富沢が仲城の背後に迫り、息詰まるトップ争いへと発展。最終ラップの最終コーナーで並ぶが、仲城が逃げて今季初優勝を飾った。2位に富沢、3位には追い上げた井手敏男(ヤマハ)が滑り込んだ。日浦は8位でチェッカー。岩田は11位に終わったが、初チャンピオンの栄冠に輝いた。富沢はランキング3位。仲城はランキング4位となった。ランキング3位の富沢はアカデミーユースでトップとなり、表彰を受けた。
ST600は小西良輝(急募.com HARC-PRO.)が2戦連続ポールポジション。ホールショットは野田弘樹(レーシングチーム ハニービー)、その背後につけた小西がすかさず首位に立つ。2番手野田、3番手高橋英倫(カワサキ)がトップグループを形成する。しかし、小西と野田が高橋を引き離し、一騎打ちの様相。最終ラップまで続いた戦いは小西が野田を突き放して優勝し、同時に2003年以来、2度目のタイトルを獲得した。3位には4台によるし烈な争いを制した武田雄一(Team 桜井ホンダ)が入り、Hondaが表彰台を独占した。野田はランキング4位、武田はランキング5位でシーズンを締めくくった。 |