予選は、A、B組に分かれての25分のアタックで上位16台を選抜し、最終予選(トップクオリファイ)でポールポジションを決定する方式を採用。16位以下のライダーはセカンドクオリファイに進み、下位グリッドを決定する。A組はウエット路面で走行が始まるが、その後雨が上がって後半には乾くというコンディション。タイヤ交換のタイミングなどでタイムにバラつきが出た。上位8番手までに入らなければトップクオリファイに残れない厳しさの中で、A組トップは中須賀克行(ヤマハ)。伊藤真一(KEIHIN Kohara R.T.)が9番手、辻村猛(F.C.C.TSR)が10番手、11番手に手島とトップライダーが脱落する波乱の展開。B組は徳留和樹(ホンダドリーム無限RT)がトップとなった。
セカンドクオリファイ(下位最終予選)に参加した手島はバックストレートからヘアピン進入のブレーキングで転倒して腰を強打、救急車で病院に運ばれた。深刻なダメージはないが、さらなる検査が必要で、予選クリアタイムが記録できていないため決勝への参戦を断念した。トップクオリファイは白熱したアタック合戦となり、最終的に徳留がPPを獲得した。8番手に亀谷長純(Team 桜井ホンダ)、9番手に山口辰也(モリワキMOTULレーシング)、10番手に安田毅史(急募.com HARC-PRO.)となった。
決勝日の朝は雨。しかし、JSB1000のスタート時には雨が上がっており、ライン上もドライとなる。ホールショットは徳留だったが、すかさず中須賀がトップを奪いレースをリード。徳留は中須賀をマークしながら周回を重ねる。3番手に柳川が続き、この3台がトップ集団を形成した。4位争いは酒井大作(スズキ)と渡辺、さらに阿部典史(ヤマハ)と山口が続いた。
3周目に9番手で追い上げを見せていた亀谷が痛恨の転倒で戦列を離れる。トップは変わらず、中須賀、徳留、柳川で争われ、それを山口が追う展開。15周目には徳留がラインを外して、2番手を柳川に奪われる。しかし、その柳川が18周目に転倒、2番手争いは追い上げてきた渡辺と徳留で争われることになった。
勢いを増す渡辺は徳留をパスして2番手に浮上。徳留は3番手をキープする。トップは中須賀と渡辺で争われ、中須賀は渡辺を突き放し今季2勝目を飾った。2位に渡辺、3位に徳留が入った。徳留のJSB1000参戦初表彰台に歓声が上がった。4位酒井、5位には追い上げた安田が入った。健闘した山口は7位。伊藤は11位に入り今季初ポイントを獲得、最終戦はポイント獲得ライダーしか参戦できないというレギュレーションがあり、前半戦をケガで欠場していたディフェンディングチャンピオンの伊藤が参戦の権利を得たことにスタッフやファンは安堵していた。12位にはケガから復帰した辻村がつけた。また、岡山国際を得意とする森脇尚護(モリワキMOTULレーシング)もケガから復帰して注目されていたが、4周目に転倒リタイアとなった。
GP250は、宇井陽一(ヤマハ)がこれまで全戦全勝でランキングトップ。2位の及川誠人(ヤマハ)、3位の高橋巧(バーニングブラッドRT)が追う。今回、PPを獲得したのは高橋。決勝ではホールショットを宇井が奪い、その背後に高橋、及川が続く展開となった。宇井は逃げるが、高橋、及川も離れずトップ集団を形成、高橋は4周目の1コーナーで宇井をとらえて首位に立ち、レースをリードする。2番手宇井、3番手及川のオーダーで周回を重ねた。宇井は高橋をきっちりとマークしていたが、終盤には高橋が宇井との差を広げトップでチェッカーを受けた。高橋はこの勝利でランク2位に浮上。2005年からGP250参戦を開始して、デビューイヤーで表彰台に上がり非凡な才能を見せた高橋が、念願の初優勝を飾り、観客を沸かせた。
GP125はランキングトップの岩田裕臣(TEAM PLUS ONE)が予選でもPPを獲得。決勝は雨の中でスタートが切られたが、最後には雨が上がるというコンディションとなった。富沢祥也(TeamProjectμFRS)がホールショットを奪って首位に立つが、菊池寛幸(BATTLE&ミハラレーシング)が富沢をパスしてトップに立つ。山本武宏(チームMARINEコスモス+G)も富沢をとらえて2番手に浮上、富沢は3番手、4番手岩田でトップ争いを繰り広げる。岡山国際マイスターと呼ばれる菊池がレースをリードするが、11周目に富沢が再びトップを奪う。富沢は最終ラップのダブルヘアピンで菊池にかわされるが、最終コーナーで富沢が再び仕掛けて優勝を飾った。2位に菊池、3位山本が表彰台に上がった。4位に岩田が入りランキングトップを死守した。
ST600のランキングトップは高橋英倫(カワサキ)、2位は佐藤裕児(ヤマハ)、3位の小西良輝(急募.com HARC-PRO.)が僅差で続く。決勝は雨からドライへと変化する難しい路面コンディションとなり、タイヤ選択が勝敗を分けた。PPの小西がスタートから飛び出して次元の違う速さで独走、一時は2番手に19秒ものビハインドを築く。路面の回復とともにセカンドグループが小西を追い上げる展開となるが、小西は逃げ切って優勝。ランキングトップに立った。野田弘樹(レーシングチーム ハニービー)はペースアップして小西を追ったが2位でチェッカー。稲垣誠(バーニングブラッドRT)も追い上げて3位を獲得、初表彰台に上がった。 |