全日本ロードも残り2戦となり、白熱したタイトル争いが繰り広げられている。ランキングトップは伊藤真一選手(KEIHIN Kohara R.T.)、2番手には渡辺篤選手(スズキ)がつけ、伊藤選手を3ポイント差で追う展開。タイトル争いは2人の一騎打ちとなりそうだ。ランキング3位争いは秋吉耕佑選手(スズキ)、出口修選手(DyDo MIU Racing)、山口辰也選手(ホンダドリームカストロールRT)の3人がきん差となっているだけに、今回の戦いによっては、大きくポジションが変動する。
また、岡山国際サーキットを得意とする森脇尚護選手(モリワキMOTULレーシング)が参戦。小西良輝選手(team HARC-PRO.)はSUGOテストで負ったケガが癒えず、参戦をキャンセルした。
晴天に恵まれた金曜日に行われたフリー走行のトップは、中須賀克行選手(ヤマハ)。予選は激しいアタック合戦が繰り広げられ、上位4人がレコードを更新する激しさとなった。PPは渡辺選手、2番手に秋吉選手、3番手中須賀選手、4番手に伊藤選手でフロントローに並んだ。山口選手は6番手、辻村猛選手(F.C.C.TSR)が7番手。8番手に亀谷長純選手(Team 桜井ホンダ)。9番手森脇選手、10番手手島雄介選手(F.C.C.TSR)、11番手に出口選手、12番手に徳留和樹選手(ホンダドリーム無限RT)がつけた。
決勝朝のウオームアップランは伊藤選手がトップ。スタートで飛び出すがホールショットを奪ったのは柳川明選手(ヤマハ)だった。それを伊藤選手、秋吉選手、渡辺選手、中須賀選手、手島選手、辻村選手、山口選手、森脇選手、亀谷選手が数珠繋ぎで追う。
2ラップ目に、山口選手が手島選手と接触し、手島選手は転倒リタイアとなってしまう。そして3ラップ目に伊藤選手が首位を奪うと、伊藤選手、秋吉選手、柳川選手、中須賀選手がトップ集団を形成。6ラップ目には秋吉選手がトップとなり、2番手に中須賀選手が浮上、伊藤選手は3番手。それを柳川選手、渡辺選手、山口選手が追った。
12ラップ目には中須賀選手がトップに立ち、レースをリードする。その中須賀選手に伊藤選手が食らいつくが、中須賀選手はペースアップし、伊藤選手を突き放す。3番手争いは柳川選手、山口選手、渡辺選手の間で激しさを増す。残り5周となった20ラップ目に、中須賀選手が痛恨の転倒。伊藤選手はトップとなり、3位争いは2位争いとなり最終ラップまで続く。伊藤選手は安定したペースで逃げ、今季3勝目を挙げて、ランキングトップを守った。
2位には渡辺選手が入り、伊藤選手と渡辺選手のポイント差は3から6へと広がった。3位には柳川選手が入り、表彰台に上った。5位森脇選手、6位辻村選手、7位亀谷選手、8位出口選手、9位徳留選手、10位にアレックス・キャミア選手(モリワキMOTULレーシング)となった。
250ccは、4戦連続ポールポジションから4連勝と勢いに乗っている横江竜司選手(ヤマハ)が、全戦全勝でのチャンピオン獲得を狙う。そして、打倒横江を掲げるラタパー・ウィライロー選手(THAI HONDA CASTROL ENDURANCE)がランキング2位からの躍進を狙う。また、ランキング3位争いはし烈だ。宇井陽一選手(ヤマハ)、高橋巧選手(バーニングブラッドRT)、及川誠人選手(ヤマハ)のポイント争いが激化している。SUGO戦をケガで欠場した高橋江紀選手(DyDo MIU Racing)はもてぎ戦にワイルドカード参戦。岡山国際サーキットで全日本復帰した。
フリー走行トップは横江選手となる。予選でも横江選手が強さを発揮し、5戦連続PPを獲得。2番手にウィライロー選手、3番手及川選手、4番手宇井選手。8番手に高橋江紀選手、9番手に高橋巧選手、10番手に櫻井大幸選手(TEAM KOHSAKA)。小林龍太選手(バーニングブラッド RT)は17番手スタートとなった。ウオームアップは横江選手がトップ、決勝では宇井選手が首位に立ちレースを引っ張るが、横江選手は早々にトップを奪い返し、独走態勢に持ち込むと、そのまま5勝目を挙げた。2位には追い上げたウィライロー選手が入った。3位には宇井選手が入り、4位に高橋巧選手、5位に及川選手、6位高橋江紀選手となった。小林選手は8位でチェッカーを受けた。
125ccでは4連勝している中上貴晶選手(team HARC-PRO.)が、ランキング2位の富沢祥也(FRS)に31ポイントもの大差をつけている。ここで勝利すれば史上最年少チャンピオン決定となる。
フリー走行トップは井手敏男選手(ヤマハ)となるが、予選では中上選手がPPゲット。2番手富沢選手、3番手井手選手、4番手岩田裕臣選手(TEAM PLUS ONE)となった。ウオームアップランでも中上選手がトップ。さらに決勝でも中上選手はホールショットを奪い、レースをリードする。だが、富沢選手、岩田選手が続き、上位3台が4位以下を引き離し、激しいトップ争いを繰り広げる。富沢選手は積極的に中上選手をプッシュ。首位を奪うが、中上選手も負けてはいない。2人のトップ争いから岩田選手が遅れ、一騎打ちとなる。だが、ラスト3ラップに中上選手が首位に立ち、食い下がる富沢選手を突き放し、今季5勝目を挙げ、史上最年少チャンピオンを獲得した。2位に富沢選手、3位岩田選手が入り、表彰台に登った。
ST600は渡辺篤選手(スズキ)がランキングトップ。それを安田毅史選手(team HARC-PRO.)と大崎誠之選手(ヤマハ)が7ポイント差で追う展開。金曜日フリーは岡山国際サーキットを得意とする酒井大作選手(カワサキ)がトップ。予選でも好調を維持してPPを獲得した。2番手渡辺選手、3番手に新垣敏之選手(ヤマハ)。4番手大崎選手、5番手には安田選手となる。6番手に寺本幸司選手(スズキ)で、ここまでがレコード更新。7番手に辻村猛選手(F.C.C.TSR)がつけた。
ウオームアップは渡辺選手がトップ。決勝は安田選手が好スタートを決めるが、勢いに勝る酒井選手がトップを奪う。安田選手と酒井選手の激しいトップ争いが繰り広げられる息詰まる戦いとなるが、最終的に酒井選手が逃げ切り、優勝。安田選手は無念の2位。3位に渡辺選手が入った。ランキングトップは渡辺選手と変わらないが、安田選手はポイント差を5と詰めた。
GP-MONO予選トップは山下祐選手(ヤマハ)。決勝でも山下選手は4台によるトップ争いを制して優勝。2位森隆嘉選手(KRS&PLUS ONE)、3位に斉藤一輝選手(スズキ)が入った。
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