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レース
ツインリンクもてぎ 第8戦 10月30日
ツインリンクもてぎ
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レース情報
Rd. Date
01 4/3 MINEサーキット
02 4/17 鈴鹿サーキット
03 5/15 筑波サーキット
04 5/29 オートポリス
05 8/28 スポーツランドSUGO
06 9/25 鈴鹿サーキット
07 10/16 岡山国際サーキット
08 10/30 ツインリンクもてぎ
第8戦 ツインリンクもてぎ
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JSB1000は2位伊藤真一、3位山口辰也でランキング1-2獲得
GP125は葛原大陽が初優勝。ST600は安田毅史が3位でチャンピオン獲得
決勝日:10月30日(日)
サーキット:ツインリンクもてぎ 天候:晴れ 気温:17.4℃ 観客:8500人

 全日本ロードレース選手権は、ついに最終戦を迎えた。第7戦の岡山国際サーキットでJSB1000の伊藤真一選手(Honda DREAM RT)がチャンピオンを決めたことで、今大会の注目はランキング2位争い。前戦までのランキング2位は、山口辰也選手(Honda DREAM Castrol RT)と柳川明選手(カワサキ)が96ポイントの同点で並んでいた。91ポイントで4位の辻村猛選手(F.C.C.TSR)も上位を狙っていた。

第8戦 ツインリンクもてぎ
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第8戦 ツインリンクもてぎ
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 金曜日のフリー走行は、濃霧のためにタイムスケジュールが変更されたが、白熱した走行が繰り広げられた。トップタイムは1分51秒434で秋吉耕佑選手(スズキ)。2番手は山口選手、3番手は渡辺篤選手(スズキ)、4番手は中冨伸一選手(ヤマハ)で、上位4人が51秒台となった。伊藤選手は5番手につけた。午後には雨が予想されていたこともあり、予選1回目は激しいアタック合戦となった。目まぐるしくリーダーボードのトップライダーが入れ替わり、最終的に秋吉選手がトップ。予選2回目は、雨が少々降ったことでウエット宣言が出された。伊藤選手は雨雲をにらみながら、予選早々にダッシュし、1分50秒679でトップに立った。伊藤選手のタイムを更新しようとライバルたちが果敢なアタックを試みたが、最後まで伊藤選手のタイムは破られることはなく、今季4度目のポールポジションが決定した。2番手は秋吉選手、3番手は中冨選手、4番手は渡辺選手、5番手は山口選手、6番手は辻村選手、7番手は柳川選手、8番手は松戸直樹選手(モリワキMOTULタイガーレーシング)、9番手は出口修選手(DyDo MIU Racing)、10番手は亀谷長純選手(チーム桜井ホンダ)、11番手は須貝義行選手(ドゥカティ)、12番手は森脇尚護選手(Team高武RSC)、13番手は小西良輝選手(Team HARC-PRO.)が付けた。ウオームアップは秋吉選手がトップ。

 決勝レースでホールショットを奪ったのは渡辺選手で、それを秋吉選手、中冨選手、山口選手、森脇選手、亀谷選手、出口選手、伊藤選手が追った。伊藤選手はスタートでの遅れから、追い上げのレースを強いられた。また、辻村選手は転倒によって、早々に戦列を離れた。松戸選手もマシントラブルで急きょピットインし、リタイア。秋吉選手が3ラップ目のV字でトップに立ち、レースを引っ張ることとなった。そこに渡辺選手が食らい付くが、秋吉選手は引き離し始める。伊藤選手はトップと変わらないタイムで追い上げ、4ラップ目にはセカンドグループに入り、激しい2位争いを展開した。7ラップ目に山口選手、8ラップ目に渡辺選手を抜き、2番手の中冨選手の背後に迫るが、中冨選手は伊藤選手を執拗にブロック。抜きあぐねていた伊藤選手が11ラップ目に中冨選手を捕らえ、ついに2位に浮上。トップをいく秋吉選手をターゲットとするが、この時すでに、約3秒7の差がついていた。だが、伊藤選手はアクセルの手を緩めずに秋吉選手にプレッシャーをかけ続けたが、時間切れとなってしまい、秋吉選手は逃げ切り優勝。伊藤選手は1秒1と差を詰めながらも2位となった。3位には山口選手が滑り込んだ。出口選手は7位、小西選手は8位、亀谷選手は9位、森脇選手は10位でチェッカーを受けた。最終ランキングは伊藤選手がチャンピオン。ランキング2位争いは山口選手が制して、Honda勢が1-2を獲得した。

 GP250は第7戦でタイトルを決めた青山周平選手(Team HARC-PRO.)が最終戦に挑んだ。フリー走行は、横江竜司選手(ヤマハ)がトップ。5番手は高橋江紀選手(DyDo MIU Racing)、7番手はラタパァ・ヴィライロー選手(TEAM HONDA CASTROL ENDURANCE)。復帰した高橋巧選手(バーニングブラッドRT)は8番手となった。予選では青山選手がトップタイムを記録し、今季6度目のポールポジションを獲得した。Hondaの「Honda Racing スカラーシップ」(ライダー育成奨学制度)の条件をクリアした青山選手は、「最終戦でも、世界グランプリに行かせたいと皆が思ってくれる走りをしたい」と決意を話した。ウオームアップでも、青山選手はトップタイム。

 決勝レースの序盤は青山選手、横江選手のトップ争いとなったが、終盤には青山選手が独走態勢を築き、今季6勝目を挙げた。2位は横江選手、3位は及川誠人選手(ヤマハ)となり、表彰台に上った。ヴィライロー選手は4位、高橋巧選手は7位でチェッカーを受けた。高橋江紀選手は、12ラップ目の3位争いの最中に転倒リタイアとなった。ランキングは、1位が青山選手、2位が横江選手、3位が高橋江紀選手、4位が及川選手、5位が高橋巧選手、7位がヴィライロー選手でシーズンを終えた。

 GP125は第7戦ですでに菊池寛幸選手(チームウイリー)がタイトルを決めている。フリー走行では、柚木伸介選手(爽風会鈴鹿レーシングチーム)がトップタイム。予選では、井手敏男選手(ヤマハ)がポールポジション。2番手に葛原大陽選手(Jhaレーシング)、3番手に小室旭選手(S-way Racing)、4番手に16歳の大谷和也選手(Jhaレーシング)がつけ、フロントローに並んだ。菊池選手は9番手スタート。ウオームアップでは、小室選手がトップ。

 決勝では仲城英幸選手(Jhaレーシング)がスタートダッシュを決めるが、すかさず柚木選手がトップを奪う。それを仲城選手、小室選手、葛原選手が追う展開。仲城選手は積極的に攻めてトップに立つが、6台が数珠つなぎになり、トップ争いが繰り広げられた。最終的には、トップ争いは仲城選手、菊池選手、柚木選手、葛原選手の4台にしぼられた。13ラップ目には葛原選手がスパートし、首位を奪った。その攻防の中で、柚木選手が転倒。葛原選手を菊池選手と仲城選手が追ったが、葛原選手が逃げ切り初優勝を飾った。2位は菊池選手、3位は仲城選手となった。チャンピオンは菊池選手、ランキング2位は仲城選手、3位は井手選手に決まった。

 ST600は、今大会がチャンピオン決定戦となった。前戦までのランキングトップが88ポイントの安田毅史選手(Team HARC-PRO.)。2位が83ポイントの手島雄介選手(F.C.C.TSR)で、3位が79ポイントの辻村猛選手(F.C.C.TSR)、4位が72ポイントの徳留和樹選手(Team高武RSC)で、4人にタイトルの可能性が残されている。フリー走行では辻村選手がトップ。予選でも辻村選手の好調は変わらず、上位14台がレコードを更新するアタック合戦を最終的に制し、ポールポジションを獲得した。2番手は稲垣誠選手(ヤマハ)、3番手は手島選手、4番手は酒井大作選手(カワサキ)、5番手は徳留選手、6番手は大崎誠之選手(ヤマハ)、7番手は小林龍太選手(DyDo MIU Racing)。安田選手は、8番手に付けた。ウオームアップは、酒井選手がトップ。

 決勝は辻村選手がシグナルグリーンと同時に飛び出し、ファーストラップから首位をキープ。独走態勢に持ち込み、そのままチェッカーを受けて勝利を飾った。注目は2位争いとなり、手島選手、安田選手で争われた。最後は手島選手がスパートし、安田選手を突き放し2位フィニッシュ。安田選手は3位となり、初タイトルを決めた。ランキング2位は手島選手、3位は辻村選手、4位は徳留選手となった。

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コメント

伊藤真一選手 (JSB1000 2位)
「予選ではポールポジションが取れてセットアップも進み、決勝の手ごたえを感じることができました。でも、タイヤの選択で悩み、決勝の朝にフロントタイヤを変えたことが裏目に出てしまいました。序盤の遅れにつながってしまいましたね。スタート直後の1コーナーの混乱で出遅れ、追い上げのレースになりました。勝ってシーズンと締めくくりたかったですね。ですが、自分としては最後まで攻めの走りができたので満足しています。スポンサー、チームスタッフ、ファンの人たちには感謝しています。チャンピオンを取り、シーズンを終えることができました。ありがとうございました」

青山周平選手 (GP250 優勝)
「予選から方向性を変えないまま、大きくセッティングをふりました。方向性は間違ってはいなかったのですが、まだまだ詰め切れていないところがあると感じました。1年間、コースレコードを更新し、チャンピオンを取ってスカラシップの条件をクリアできるようにと頑張ってきました。すべてのレースに満足しているわけではありません。辛いレースもありましたが、昨年に比べれば成長できた部分もあると思っています」

葛原大陽選手 (GP125 優勝)
「最初の5〜6周は、集団について様子を見ようと思っていました。仲城さんも菊池さんも速いので、前に出ても逃げられないと思い、ラスト2ラップで勝負をかけようと思っていました。それで勝てないなら仕方がないと思い、思いっきりいきました。最後は一度も後ろを振り返ることなくて、全力を尽くしました。前半戦はなかなかマシンに慣れていなく、うまくいかないこともありましたが、チームスタッフのサポートもあり、いろいろなところで練習できた成果が優勝につながったと思っています。勝つことができて良かった。本当に嬉しいです」

辻村猛選手 (ST600 優勝)
「もてぎは走りのリズムがつかみにくく、僕にとっては苦手なサーキットでした。これまで、予選が良くても決勝ではうまく結果が残せないこともあり、今回ポールポジションを取っても決勝がうまくいくのか不安がありました。タイトルの可能性はありましたが、とにかく集中して、このレースの優勝だけを考えていました。スタートもうまくいき、独走態勢に持ち込めたのですが、15ラップがとても長く感じたレースでした。苦手のもてぎで勝てたのは嬉しいです」

安田毅史選手 (ST600 3位)
「今シーズンは一度も勝っていなかったので、タイトル争いは勝って決着を付けたいと考えていました。もてぎは地元ですし、初表彰台も初優勝も、もてぎでした。初めてのチャンピオン獲得も、ここできっちり勝って決めたかった。予選では、とても緊張していたのですが、決勝はリラックスして挑めました。でも、最後まで自分の力を発揮することができませんした。ですが、応援してくれたファンやスポンサー、チームスタッフが喜んでくれたので、3位でもチャンピオンを取ることができて良かった。今晩はスタッフと祝杯を上げたいと思います。ありがとうございました」

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決勝リザルト&ポイントランキング
JSB1000
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 26 秋吉耕佑 スズキ 18 33:42.777
2 4 伊藤真一 Honda 18 33:43.959
3 2 山口辰也 Honda 18 33:49.222
4 3 中冨伸一 ヤマハ 18 33:51.321
5 87 柳川明 カワサキ 18 33:54.948
6 7 渡辺篤 スズキ 18 33:55.290


GP250
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 73 青山周平 Honda 16 30:52.331
2 7 横江竜司 ヤマハ 16 30:56.386
3 9 及川誠人 ヤマハ 16 31:03.135
4 59 R.ヴィライロー Honda 16 31:17.075
5 6 徳留 真紀 ヤマハ 16 31:17.470
6 8 秋谷守 ヤマハ 16 31:21.842

GP125
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 19 葛原大陽 Honda 14 28:34.726
2 3 菊池寛幸 Honda 14 28:34.898
3 1 仲城英幸 Honda 14 28:36.066
4 39 山田 亮太 Honda 14 28:37.523
5 22 森 新 Honda 14 28:39.471
6 77 中上貴晶 Honda 14 28:40.234

ST600
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 1 辻村猛 Honda 15 29:18.350
2 48 手島雄介 Honda 15 29:21.357
3 2 安田毅史 Honda 15 29:28.214
4 24 稲垣 誠 ヤマハ 15 29:29.065
5 54 徳留和樹 Honda 15 29:31.836
6 60 大崎誠之 ヤマハ 15 29:33.725
JSB1000
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 伊藤真一 Honda 140
2 山口辰也 Honda 111
3 柳川明 カワサキ 107
4 中冨伸一 ヤマハ 94
5 辻村猛 Honda 91
6 渡辺篤 スズキ 71
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  GP250
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 青山周平 Honda 137
2 横江竜司 ヤマハ 96
3 高橋江紀 Honda 70
4 及川誠人 ヤマハ 69
5 高橋巧 Honda 65
6 秋谷守 ヤマハ 63
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GP125
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 菊池寛幸 Honda 124
2 仲城英幸 Honda 81
3 井手敏男 ヤマハ 78
4 濱本裕基 Honda 66
5 竹内吉弘 Honda 61
6 柚木伸介 Honda 56
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  ST600
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 安田毅史 Honda 103
2 手島雄介 Honda 100
3 辻村猛 Honda 99
4 徳留和樹 Honda 83
5 寺本幸司 スズキ 58
6 沼田憲保 ヤマハ 56
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