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レース
スポーツランドSUGO 第5戦 8月28日
スポーツランドSUGO
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レース情報
Rd. Date
01 4/3 MINEサーキット
02 4/17 鈴鹿サーキット
03 5/15 筑波サーキット
04 5/29 オートポリス
05 8/28 スポーツランドSUGO
06 9/25 鈴鹿サーキット
07 10/16 岡山国際サーキット
08 10/30 ツインリンクもてぎ
第5戦 スポーツランドSUGO
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JSB1000伊藤真一が今季3勝目。2位辻村猛、3位山口辰也と、Honda表彰台独占!! GP250は青山周平、GP125は菊池寛幸、ST600は手島雄介と、全クラスで優勝飾る。
決勝日:8月28日(日)
サーキット:スポーツランドSUGO 天候:曇り時々晴れ 気温:27℃ 観客:1万1500人

 鈴鹿300q耐久ロードレース、鈴鹿8時間耐久ロードレースをはさんでの全日本ロードレース選手権は、約3ヵ月のインターバルとなる長い夏休みを経て、後半戦へと突入した。最高峰JSB1000のランキングトップは伊藤真一選手(Honda DREAM RT)で70ポイント。それを柳川明選手(カワサキ)が56ポイントで追う展開。伊藤選手としては、地元SUGOで勝利し、柳川選手を引き離したいところだ。3番手の中冨伸一選手(ヤマハ)は55ポイント、4番手の辻村猛選手(F.C.C.TSR)は50ポイント、5番手の山口辰也選手(Honda DREAM Castrol RT)は47ポイントと、2位集団はポイントが拮抗しており、今後の展開に注目が集まった。

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 金曜日のフリー走行は、台風の影響で強い雨が降り続いた。トップタイムは柳川選手。2番手に中冨選手、3番手に亀谷長純選手(チーム桜井ホンダ)、5番手に山口選手、9番手に小西良輝選手(Team HARC-PRO.)、12番手に伊藤選手、16番手に出口修選手(DyDo MIU Racing)、18番手にカゼで体調を崩している松戸直樹選手(モリワキMOTULタイガーレーシング)。辻村選手は、出走を見合わせた。森脇尚護選手(Team高武RSC)は、テストで転倒し、首を痛めて参戦をキャンセルした。

 台風も去って、真夏の太陽が戻った予選日。今大会はGP125、ST600以外は予選1回というタイムスケジュールとなった。JSB1000では、1回の予選にかけ、激しいアタック合戦が繰り広げられた。亀谷選手が1分29秒072とトップに立つと、ピットで亀谷選手のタイムを確認した伊藤選手がコースイン。1分28秒890を記録し、首位に立つ逆転劇を見せ、今季3度目のポールポジションを獲得した。2番手亀谷選手、3番手渡辺篤選手(スズキ)、4番手中冨選手、5番手山口選手、6番手小西選手までが、レコードを更新する激戦となった。7番手柳川選手、8番手松戸選手、9番手辻村選手、10番手出口選手も僅差で続き、決勝は激戦が予想された。ウオームアップ走行のトップタイムは山口選手。伊藤選手が2番手で、二人が1分29秒台に入り、さらにレコードを更新した。

 決勝でスタートダッシュをしてホールショットを奪ったのは伊藤選手。伊藤選手は早々に自己ベストを更新し、2位以下を引き離しにかかる。3ラップ目には2位辻村選手との差を1秒3と広げるが、辻村選手がペースアップ。少しずつ伊藤選手とのビハインドを詰めていく。トップ争いは2台に絞られたかに見えたが、セカンド集団の混戦の中から、山口選手が抜け出して二人に迫る。周回遅れを挟みながら、トップ争いは微妙に差を広げたり詰めたりしながら周回を重ねた。山口選手はタイムアップし、18ラップには二人を射程距離に捕え、背後に迫った。3台は息詰まる接近戦を見せたが、終盤にきて伊藤選手が再びペースアップ。辻村選手、山口選手を突き放す。辻村選手は山口選手との2位争いを展開。伊藤選手は逃げ切って、今季3勝目のチェッカーをくぐり抜けた。辻村選手は山口選手を抑え2位、山口選手は3位となり、Honda勢が表彰台を独占した。4位争いは柳川選手と中冨選手が展開し、柳川選手が抑えた。亀谷選手は単独6位。小西選手は出口選手を抑え8位になり、出口選手は9位。松戸選手は10位となった。伊藤選手は獲得ポイントを90に伸ばし、ランキング2位の柳川選手に21ポイントの差を広げた。

 第4戦までのGP250は、青山周平選手(Team HARC-PRO.)が57ポイントでランキングトップ。2番手に48ポイントの高橋江紀選手(DyDo MIU Racing)、3番手に38ポイントの高橋巧選手(バーニングブラッドRT)でSUGOを迎えた。フリー走行では、横江竜司選手(ヤマハ)がトップ。3番手に高橋江紀選手、7番手に青山選手となった。予選では、青山選手が4戦連続のポールポジションを獲得。2番手に横江選手、3番手に徳留真紀選手(ヤマハ)、4番手に高橋江紀選手、5番手にラタパァ・ヴィライロー選手(TEAM HONDA CASTROL ENDURANCE)。高橋巧選手は10番手スタート。

 ウオームアップランで、青山選手は自身が記録したポールポジションタイムを詰めて1分30秒810で首位に立つ。決勝でも鮮やかなスタートダッシュを見せ、ホールショットを奪うと独走態勢を築き、今季3勝目を挙げた。2位争いはヴィライロー選手と横江選手で争われた。ヴィライロー選手は最終ラップまで横江選手の後ろにつけ、チャンスを待った。そして、最終ラップのシケイン立ち上がりで前に出ると2位でチェッカーを受け、全日本初の表彰台を獲得した。3位に横江選手、高橋巧選手は6位でチェッカーを受けた。高橋江紀選手は、2位走行中に1コーナーで転倒、リタイアに終わった。

 GP125は前半戦までで、菊池寛幸選手(チームウイリー)が47ポイントでランキングトップ。初のタイトル獲得に向けて、今レースで勝利が欲しいところだ。フリー走行では、菊池選手がトップ。予選でも好調を維持し、菊池選手は今季初ポールポジションを獲得した。ウオームアップランは、仲城英幸選手(Jhaレーシング)がトップタイムを記録。

 決勝をシグナルグリーンと同時に飛び出したのは、葛原大陽選手(Jhaレーシング)。それを菊池選手、仲城選手が追う展開で、トップ集団は10台にも膨れ上がる激戦となる。そして、菊池選手と仲城選手の首位争いに、井手敏男選手(チーム テック・2&Feel)が割って入った。井手選手は9ラップ目にトップを奪うと、レースをリードするが、17ラップ目には菊池選手がトップになる。その後、菊池選手を井手選手、仲城選手、濱本裕基選手(HAMAMOTO RT&英裕会)が追った。4台に絞られたトップ争いは激しさを増し、最終ラップのシケインで3位を走行していた仲城選手が痛恨のスリップダウンをしてしまう。そのわきを濱本選手がすり抜けた。菊池選手はトップを死守し、2位の井手選手、3位の濱本選手が表彰台に上った。

 第4戦までのST600は、安田毅史(Team HARC-PRO.)が45ポイントで首位。2番手は43ポイントの手島雄介(F.C.C TSR)、3番手は41ポイントの辻村選手、4番手は37ポイントの徳留和樹選手(Team高武RSC)と、タイトル争いが見ものだ。フリー走行では、沼田憲保選手(ヤマハ)がトップ。予選はレコードラッシュとなり、上位12人がコースレコードを記録した。ポールポジションは酒井大作選手(カワサキ)となった。決勝日朝のウオームアップランで、さらに上位9人がレコードを更新。トップは徳留選手の1分33秒403だった。

 決勝のホールショットは安田選手、ポールポジションの酒井選手はオープニングラップで痛恨の転倒。トップの安田選手を徳留選手、大崎誠之選手(ヤマハ)、手島選手が追う形となった。4台がトップ集団を形成する中で、手島選手は積極的に攻め、4ラップ目に大崎選手をパスして3番手に浮上。5ラップ目には、徳留選手を捕え、2番手に躍り出た。手島選手の勢いは止まらず、11ラップ目に安田選手を捕えるとトップに立ち、レースをリードする。その後、トップ集団から大崎選手が転倒で戦列を離れた。トップ争いは3台に絞られるが、その中から徳留選手が遅れ、手島選手、安田選手の一騎打ちとなる。手島選手は安田選手を抑えきり、Honda移籍後に初めての優勝を飾った。2位は安田選手、3位は徳留選手で、Honda勢が表彰台を独占した。手島選手はランキング争いでも安田選手を抜き、トップに立った。

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コメント

伊藤真一選手 (JSB1000 優勝)
「スタートから引き離そうと思っていました。序盤はうまくいったのですが、テスト不足もあり、シケインの突っ込みが甘くなってしまうなど、自分の走りができずに我慢、我慢のレースでした。中盤では走りがバラバラになり、これではいけないとスムーズに走ることを心がけて終盤につなげました。後ろに辻村選手がいるのはわかっていましたから、抜かれたら抜かれたで、作戦を立て直そうと思っていました。今日のレースはほめられた内容ではないので、残りのレースではしっかりと気を引き締めて頑張って走りたい。地元SUGOでの優勝は格別です。勝つことができて良かった」

青山周平選手 (GP250 優勝)
「朝のフリー走行では路面温度も低く、グリップが良かったのでタイムが更新できましたが、決勝では状況が違ってタイムアップできませんでした。レコードをバンバン記録して速く走ろうと思えば思うほど、うまくいかなくなってしまいました。自分をコントロールすることができなくて、反省ばかりです。マシンもタイヤもポテンシャルが上がっているのだから、レコード更新、レースタイム更新は当たり前です。次はきちんと目標タイムをクリアできるように頑張ります」

菊池寛幸選手 (GP125 優勝)
「今回は事前テストもなくSUGO入りしたので、決勝に向けて1から積み上げていかなければなりませんでした。金曜日のフリー走行で身体を慣らし、土曜日はセッティングを出して決勝につなげようと頑張りました。いろいろと問題はあったのですが、ポールポジションをとることができ、決勝でもその問題を抱えたままでしたが、勝つことができました。レース内容が納得できるものではないので素直には喜べませんが、状況がそろっていないのに勝つことができたというのは自信になります」

手島雄介選手 (ST600 優勝)
「3年前にヤマハで初優勝したのがSUGOでした。あれから、ここへ戻ってくるまで、ずいぶんと時間がかかったなというのが素直な気持ちです。今年はチャンピオンチームのTSRさんにお世話になることになり、チャンピオン獲得は当然の目標だと思って走ってきました。今回は昨年の辻村(猛)先輩のSUGOレースのビデオを繰り返し見て、SUGOにやってきました。監督や辻村さんから貴重なアドバイスをもらったことで、今回は勝つことができたと思います。とても嬉しいですが、喜びより、これからが大事だと気を引き締めていきたいと思います」

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決勝リザルト&ポイントランキング
JSB1000
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 4 伊藤真一 Honda 25 37:23.731
2 11 辻村猛 Honda 25 37:25.271
3 2 山口辰也 Honda 25 37:26.040
4 87 柳川明 カワサキ 25 37:33.392
5 3 中冨伸一 ヤマハ 25 37:33.698
6 71 亀谷長純 Honda 25 37:47.525

GP250
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 73 青山周平 Honda 20 30:38.704
2 59 R.ヴィライロー Honda 20 30:59.188
3 7 横江竜司 ヤマハ 20 30:59.405
4 9 及川誠人 ヤマハ 20 31:05.040
5 16 佐藤裕児 ヤマハ 20 31:14.675
6 72 高橋巧 Honda 20 31:15.524

GP125  
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 3 菊池寛幸 Honda 18 29:03.704
2 5 井手敏男 ヤマハ 18 29:03.969
3 15 濱本裕基 Honda 18 29:04.498
4 9 山本武宏 Honda 18 29:06.966
5 7 柚木伸介 Honda 18 29:09.320
6 19 葛原大陽 Honda 18 29:12.716

ST600
順位 No. ライダー マシン 周回数 タイム
1 48 手島雄介 Honda 18 28:12.699
2 2 安田毅史 Honda 18 28:13.391
3 54 徳留和樹 Honda 18 28:18.193
4 12 寺本幸司 スズキ 18 28:26.860
5 13 高橋英倫 Honda 18 28:27.225
6 90 奥野正雄 ヤマハ 18 28:27.619
JSB1000
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 伊藤真一 Honda 90
2 柳川明 カワサキ 69
3 辻村猛 Honda 67
4 中冨伸一 ヤマハ 66
5 山口辰也 Honda 62
6 松戸直樹 Honda 43
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  GP250
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 青山周平 Honda 77
2 高橋江紀 Honda 48
2 高橋巧 Honda 48
4 横江竜司 ヤマハ 45
5 秋谷守 ヤマハ 43
6 佐藤裕児 ヤマハ 30
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GP125
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 菊池寛幸 Honda 67
2 井手敏男 ヤマハ 58
3 濱本裕基 Honda 47
4 柚木伸介 Honda 41
4 山本武宏 Honda 41
6 小室旭 Honda 39
6 竹内吉弘 Honda 39
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  ST600
順位 ライダー マシン 総合
ポイント
1 手島雄介 Honda 63
2 安田毅史 Honda 62
3 徳留和樹 Honda 52
4 辻村猛 Honda 47
5 寺本幸司 スズキ 38
6 高橋英倫 Honda 32
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