全日本第4戦は大分県オートポリスで開催された。全日本ロードレース選手権はこのオートポリスで前半戦を折り返すことになる。第5戦は8月下旬の宮城県SUGO大会となるため、前半の締めくくりの意味を込めた重要な戦いとなった。
今大会は、ST600以外で1回のみタイムアタックという新しい試みで予選が行われた。JSB1000は事前テストから好調の山口辰也選手(Honda DREAM
Castrol RT)がフリー走行からトップタイムを記録。昨年のポールシッターでレコードホルダー、決勝でも優勝をさらった山口選手は「大好きなコース」と語り、初日からライバルを圧倒した。予選でも好調な走りを見せるが、転倒者が出たことで赤旗中断、その後も転倒者続出で黄旗が振られるなど荒れた走行となり、アタックのタイミングをのがし3番手となってしまう。
ポールポジション(PP)は渡辺篤選手(スズキ)、2番手は中冨伸一選手(ヤマハ)、3番手山口選手、4番手に柳川明選手(カワサキ)、5番手に出口修選手(DyDo MIU Racing)、6番手に辻村猛選手(F.C.C.TSR)、7番手松戸直樹選手(モリワキMOTULタイガーレーシング)、8番手森脇尚護選手(Team高武RSC)、9番手には予選中に亀谷長純選手(チーム桜井ホンダ)に追突してしまった伊藤真一選手(Honda DREAM RT)が付けた。伊藤はカゼで体調を崩しており、転倒で頭を打ったことから決勝参戦が危ぶまれた。10番手に中須賀克行選手(ヤマハ)、亀谷選手は12番手。小西良輝選手(Team HARC-PRO.)は2度の転倒があり29番手となった。
ウオームアップは山口選手がトップで決勝への期待を高めた。2番手に中冨選手、3番手には森脇選手が食い込んだ。また、予選での転倒で首を強く打ち、ムチ打ちの症状と診断されながらも参戦を決意した伊藤選手は4番手に付けた。
決勝でホールショットを奪ったのは中冨選手、それを柳川選手、渡辺選手、松戸選手、山口選手、森脇選手が追った。3ラップ目に柳川選手が首位を奪いレースをリードする。それを中冨選手、山口選手、森脇選手が追う。スタートで出遅れた伊藤選手も、トップ集団の背後に迫る。森脇選手は果敢な走りでポジションアップ、柳川選手の背後に迫り激しくプッシュ、ラインをクロスさせるトップ争いでレースを盛り上げた。一時は首位を奪いトップに立つが、柳川選手に交わされ、再び追撃を開始した14ラップ目に転倒してしまう。トップ争いは柳川選手、山口選手、中冨選手、伊藤選手の4台に絞られた。
山口選手は果敢に前に出ようと仕掛けるが、柳川選手のブロックに阻まれる。この4人が最後まで激しいトップ争いを展開するも、最終ラップに大量の周回遅れが絡み、その混戦の中をうまく抜け出した中冨選手が2勝目を挙げた。2位に柳川選手、3位山口選手、4位に伊藤選手が続いた。5位出口選手、6位松戸選手、7位辻村選手、10位に亀谷選手、12位に追い上げた小西選手が入った。伊藤選手は体調不良ながら参戦、トップ争いの末に4位を獲得しポイントを加算したことで、ランキングトップを死守し、後半戦を迎えることになった。
GP250はフリー走行から20歳の青山周平選手(Team HARC-PRO.)が好調でトップタイムをマーク。予選ではトラブルが発生し、走行時間が削られてしまったが、最後の最後にトップタイムを記録してPPを獲得した。2番手横江竜司選手(ヤマハ)、3番手に15歳の高校生、高橋巧選手(バーニングブラッドRT)、4番手徳留真紀選手(ヤマハ)がフロントローを獲得。注目の17歳の高校生、高橋江紀選手(DyDo
MIU Racing)は8番手となった。
ウオームアップは青山選手がトップ。決勝は青山選手のリードで始まり、一度もトップを譲ることなく勝利のチェッカー。文句なしのポールトゥウインを飾った。激しい2位争いは横江選手が制した。3位に徳留選手、4位に高橋江紀選手、6位には高橋巧選手が入った。ランキングトップは青山選手で、初の250タイトルに弾みをつけた。
GP125はフリー走行では仲城英幸選手(Jhaレーシング)がトップタイムで王者復活を示した。だが、予選では井手敏男選手(ヤマハ)がPP、2番手に仲城選手、3番手菊池寛幸選手(チームウイリー)、4番手柚木伸介選手(爽風会鈴鹿レーシングチーム)となった。
ウオームアップランは井手選手がトップ。決勝スタートでホールショットを奪った仲城選手が2位以下を引き離しにかかる。仲城選手は予選タイムを超えるスピードで周回を重ねるが、5ラップ目に転倒し戦列を離れた。その後10台にも膨れ上がったトップ争いをリードした岩田裕臣選手(CLUB
PLUS ONE)が12ラップ目に転倒、替わって井手選手が首位に立ち、6台に絞られたトップ争いを制した。2位には菊池選手、3位柚木選手が入り表彰台に上った。ポイント争いは菊池選手が首位を守った。
ST600のフリー走行では辻村選手がトップ、予選では酒井大作選手(カワサキ)がPPとなった。2番手に徳留和樹選手(Team高武RSC)、3番手に大崎誠之選手(ヤマハ)、4番手沼田憲保選手(ヤマハ)となった。5番手は手島雄介選手(F.C.C TSR)、8番手辻村選手、11番手安田毅史選手(Team HARC-PRO.)となった。
ウオームアップランでは大崎選手がトップ。決勝は徳留選手がスタートダッシュを決めレースをリードするが、それに酒井選手、大崎選手が追いつき、3台の激しいトップ争いとなった。最終的に酒井選手が優勝、2位徳留選手、3位大崎選手でチェッカーを受けた。4位には追い上げた安田選手、5位に手島選手。辻村選手は8位となった。ランキングはコンスタントに上位でチェッカーを受けている安田選手が45ポイントでトップ、43ポイントで手島選手が2位。3位に41ポイントで辻村選手とHonda勢の戦いとなり、後半戦に突入する。
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