年に一度2輪、4輪の最高峰クラスが同時開催される2&4が三重県鈴鹿サーキットで行われた。2輪はJSB1000のみの戦い。鈴鹿8時間耐久レースを見据えての参戦ライダーも多く、
エントリーは62台、参加台数57台となり、AとBの2組に分かれての走行となった。開幕戦を怪我のためキャンセルした小西良輝選手(Team
HARC-PRO.)はここもキャンセルし、代役としてST600の安田毅史選手(Team
HARC-PRO.)が参戦。また、第1戦のウオームアップランで転倒して脳震盪を起こしたことからドクターストップとなり、決勝グリッドに並ぶことができなかった森脇尚護選手(Team高武RSC)は元気に復帰した。
4輪走行後の路面コンデションは、滑りやすく難しい状況であることや、通常の予選より走行時間(40分)が長いことからタイヤ選択に頭を悩ますことになる。金曜日に行われた1回目のフリー走行では、松戸直樹選手(モリワキMOTULタイガーレーシング)がトップタイムを記録するが、2回目に伊藤真一選手(Honda DREAM RT)が逆転トップとなり、開幕勝利にひき続き好調さが際立った。土曜日に行われた予選では、激しいアタック合戦となり、A組では辻村猛選手(F.C.C TSR)が終盤に2分10秒030のトップタイムをマークすると、すかさず伊藤選手が予選用タイヤを装着。バックマーカーが多くクリアラップが取れなかったにもかかわらず、2分9秒211と素晴らしいタイムを記録し、自身が持つレコードを更新してトップにたった。B組は渡辺篤選手(スズキ)が2分9秒998と10秒台を切ると、中冨伸一選手(ヤマハ)が2分9秒881とさらにタイムを短縮し、B組トップとなった。だが伊藤選手のタイムには届かず、伊藤選手が堂々のポールポジションを獲得した。2番手中冨選手、3番手渡辺選手、4番手辻村選手がフロントローに並ぶ。5番手に山口辰也選手(Honda DREAM Castrol RT)、6番手に森脇選手、8番手に松戸選手、9番手に出口修選手(DyDo MIU Racing)、10番手に安田選手が付けた。
晴天に恵まれた決勝、スタンドをHonda応援団が陣取り大きな声援を送った。朝のウオームアップ走行で、山口選手が2分10秒372を記録しトップタイム。2番手辻村選手、3番手中冨選手、4番伊藤選手までが10秒台に入り、熱戦を期待させた。ここで松戸選手が転倒してダメージが心配されたが、グリッドに並んだ。決勝スタートのシグナルグリーンでホールショットを奪ったのは辻村選手。辻村選手はレースをリードし、渡辺選手、中冨選手、伊藤選手、森脇選手、柳川明選手(カワサキ)が続いた。伊藤選手はヘアピンでインから鮮やかに中冨選手をパスすると渡辺選手も捕らえ、トップの辻村選手に迫る。3ラップ目に130Rで辻村選手に迫ると、一気に首位に立った。トップグループに食らいついていた森脇選手は、ヘアピンで転倒リタイアとなってしまう。トップの伊藤選手は、10秒台のハイペースでレースを引っ張り、その伊藤選手を辻村選手、中冨選手が追った。また、そのトップグループにスタートで大きく出遅れた山口選手が猛攻を見せて迫る。山口選手は7ラップ目で3位に浮上すると、辻村選手に襲い掛かった。13ラップ目の1コーナーで仕掛けた山口選手が辻村選手を捕らえ、2位に浮上。今度のターゲットは伊藤選手だった。伊藤選手との差は約1秒2で、山口選手は伊藤選手の背中を見つめてアクセルを開けた。だが、伊藤選手のペースは落ちない。そして、次から次へと現れるバッグマーカーが、ふたりのバトルを阻んだ。勝敗を分けたのは最終ラップ。伊藤選手は縦横無尽にバックマーカーを避け、優勝を飾った。昨年末の3連勝から数えると開幕戦、鈴鹿2&4と5連勝になる貫禄の勝利を挙げた。2位には猛烈な追い上げを見せた山口選手。3位には中冨選手が入った。辻村選手は惜しくも4位となった。出口選手は6位、松戸選手は8位、9位には安田選手が入った。
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