開幕戦は3年ぶりの全日本開催となるMINEサーキットで行われた。最高峰クラスJSB1000は04年チャンピオンの井筒仁康が引退し、03年チャンピオンの北川圭一(スズキ)が世界耐久選手権へ参戦を決めたことから、ライダーの顔ぶれが大きく変わった。Honda勢は昨年3勝を挙げ最多勝となった伊藤真一(Honda
DREAM RT)、開幕2連勝を飾った山口辰也(Honda DREAM Castrol RT)、小西良輝(Team HARC-PRO.)、辻村猛(F.C.C
TSR)、森脇尚護(Team高武RSC)、出口修(DyDo MIU Racing)が引き続きエントリー、GP250からスイッチした亀谷長純が井筒の抜けたチーム
桜井ホンダから参戦する。また、今季からフル参戦となったモリワキから松戸直樹(モリワキMOTULタイガーレーシング)が加わった(残念ながら小西はテスト中のケガのため開幕戦をキャンセル)。ライバル勢のヤマハは中富伸一、スズキは渡辺篤、カワサキは柳川明らが参戦、熱戦が期待された。
フリー走行トップは中富で、予選もポールポジション(PP)を獲得した。僅差で2番手伊藤、辻村、柳川、森脇、山口、亀谷、出口が続いた。ウオームアップでは山口辰也がトップに顔を出す。この走行で期待の森脇が転倒し、決勝をキャンセルすることになった。
決勝日には寒気が流れ込み、路面温度は15℃と下がった。ホールショットは中富、だが、1ラップ目に転倒、トップは中須賀克行(ヤマハ)となりレースをリード。だが、すかさず追いついた伊藤がトップを奪うと独走態勢を築いて行く。2位には山口がジャンプアップし伊藤を追うが、マシントラブルでリタイア。代わって2位には柳川が浮上、それを辻村が追う展開。4位争いが激しくなり、出口、渡辺、中須賀、松戸が目まぐるしく順位を入れ替えた。14ラップ目あたりから細かい雨が落ち始め、17ラップ目にはどしゃぶりとなり赤旗提示。その周にトップの伊藤は最終コーナーで転倒、再スタートでチェッカーを受けた。レース義務周回数をクリアしていることからレース成立。優勝伊藤、2位柳川、3位辻村が雨の表彰台に登った。注目の4位争いは渡辺が制した。
GP250は昨年のチャンピオン高橋裕紀がHonda Racing スカラーシップで世界へ行きチャンピオン不在。フリー走行では横江竜司(ヤマハ)がトップタイムを記録した。予選はチャンピオンを狙う青山周平(Team
HARC-PRO.)がPP、ウオームアップは徳留真紀(ヤマハ)がトップ。決勝は雨となり完全ウエットでスタートが切られた。横江がトップに立ちレースをリード、2位以下に約23秒ものリードを築いたが、8ラップ目に痛恨の転倒。代わって青山が首位に立つ、2位に高橋裕紀の実弟、江紀(DyDo
MIU Racing)となり激しいつばぜりあいを見せた。最終ラップの攻防で高橋が競り勝ち劇的優勝。2位に青山、3位秋谷守(ヤマハ)が入り表彰台に登った。
GP125は仲城英幸(Jhaレーシング)が6度目のタイトルに挑む。フリーで柚木伸介(爽風会 鈴鹿レーシング)がトップタイムを記録、予選では仲城が王者の貫禄を示しPP獲得。ウオームアップでは葛原大陽(Jhaレーシング)がトップに立った。決勝は仲城がホールショットを奪い、それを追う激しいバトルを展開。それに井手敏男(チーム
テック・2&Feel)らが追いつき5台のトップ争いとなるが、その中から柚木が脱落、仲城、井手の一騎打ちとなった。その攻防は最終ラップまで続いたが、仲城が優勝、2位井手、3位争いを制したのは全日本初表彰台となった濱本裕基(HAMAMOTO
RT&英裕会)だった。仲城は全日本25勝目となり歴代優勝回数1位の平忠彦の25回に並んだ。
ST600は、徳留和樹(Team高武RSC)がフリートップ。予選は大崎誠之(ヤマハ)、ウオームアップは徳留がトップ。決勝スタート直前にどしゃぶりの雨が降り、タイムスケジュールが変更された。スタート前には路面は乾きシグナルグリーン。ホールショットは徳留、それを大崎、沼田憲保(ヤマハ)、奥野正雄(ヤマハ)が追った。4台のトップ集団の中から、奥野が転倒で戦列を離れ、大崎も遅れる。トップは2台の争いとなるが、沼田が転倒、トップ争いは徳留、大崎に絞られた。激しい攻防を見せるが、大崎が転倒してしまい、徳留が単独トップとなりレースをリード。その5秒後方では安田毅史(Team
HARC-PRO.)、手島雄介(F.C.C TSR)、の争いとなる。徳留は独走優勝のチェッカーを受け感涙。2位争いは安田が制し3位に手島となった。
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