決勝日:10月17日(日) サーキット:岡山県TIサーキット英田 観客:2万9800人 天候:快晴 気温:22℃
全日本は最終戦を迎え、ここで全クラスのタイトルが決定する。Hondaは全クラスにチャンピオン候補を擁し、4クラス制覇に注目が集まった。JSB1000ではランキングトップ井筒仁康(チーム桜井ホンダ)がランキング2位の山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)に7ポイントリード、山口が優勝しても3位以内ならタイトル決定となる。事前テストから好調の井筒はフリー走行でもトップ。だが、山口も僅差で2番手につけた。
予選では激しいタイムアタック合戦が繰り広げられ、上位8人がレコードを更新する激戦。井筒は絶好調で予選1回目からレコードを更新、さらに最終予選で自身のタイムを更新し1分30秒001で文句なしのポールポジションを獲得した。2番手に伊藤真一(DDBOYS Racing)、3番手に渡辺篤(スズキ)、4番手は浜口俊之(ホンダドリームカストロールRT)、5番手中富伸一(ヤマハ)、6番手に山口、7番手辻村猛(F.C.C.TSR)、8番手北川圭一(スズキ)となり、し烈な争いが予想された。
晴天に恵まれた決勝日、朝のウオームアップでは伊藤がトップ、2番手に山口、井筒は6番手。決勝でスタートダッシュした井筒は3番手でファーストラップをクリアすると3ラップ目に首位に立ちレースをリード。その井筒をピタリとマークしたのは森脇尚護(Team 高武RSC)だった。2台は後続を引き離し始め、その後方では渡辺、山口、伊藤、中富の4台のし烈な3位争いが繰り広げられていた。
森脇は15ラップ目にトップに出たが18ラップ目には井筒に交わされてしまう。伊藤は3位争いを抜け出してトップ争いへと接近し、遂に森脇をとらえ2位浮上、今度は井筒の背後に迫る。22ラップ目に井筒をとらえると、井筒を従え25ラップのレースを走り切り、今季最多勝となる3勝目を挙げた。2位に入った井筒は念願のタイトルを決め、自身2度目のチャンピオンに輝いた。Hondaは98年以来、6年ぶりの栄冠を得た。井筒は文部科学大臣杯を受け取り頂点に立つ。森脇は3位で今季3度目の表彰台をゲット。山口は4位でランキング2位となった。
250はランキングトップの高橋裕紀(DyDo MIU Racing)を10ポイント差で青山周平(Team HARC-PRO)が追う展開。青山が優勝しても高橋は7位以上であればタイトルが決まる。初チャンピオンがかかった高橋は、フリーから唯一1分31秒台を記録してトップ、予選でも1回目からレコードを約1秒近く詰める1分30秒台にタイムアップし、この時点ではJSBを凌ぐほどの注目を集めた。更なるタイムアップを狙った最終予選では赤旗が出る波乱で、アタックのタイミングがつかめずに更新とはならなかったが、堂々の今季5度目のPP獲得。2番手に横江竜司(ヤマハ)、青山は3番手スタート。好調の高橋はウオームアップでもトップタイムを記録した。
決勝でも好スタートでトップをキープ、それを青山が追った。スタート直後に亀谷長純(バーニング・ブラッドRT)と中須賀克行(ヤマハ)が接触転倒する波乱から、トップ高橋、2位青山の後方は開くことになり、2人の一騎打ちとなった。高橋はペースアップし、青山を突き放して独走優勝、今季4勝目を挙げて初タイトル獲得。Hondaの若手育成制度スカラシップ(グランプリ参戦の権利)を得ることになった。
125は仲城英幸(Jhaレーシング)と小山知良(ヤマハ)がタイトルを争う。仲城は小山が優勝しても3位以内でチェッカーなら5度目のタイトル獲得となる。フリーでは井出敏男(ヤマハ)がトップ。予選は小山がPP、仲城は3番手スタート。ウオームアップでは仲城がトップとなった。仲城はホールショットを決めるとペースアップ、2位以下を引き離す。それを菊池寛幸(チームウイリー)と小山が追った。2人は仲城との差を詰め3人のトップ争いを展開するが、仲城の貫禄勝ち。優勝を決めて自身5度目の王者に輝いた。
ST600は有効ポイント制(6戦中4戦有効)が適応されており、ランキングトップの辻村猛(F.C.C.TSR)と2位の安田毅史(Team HARC-PRO)が優勝回数、2位回数ともに同じため、今大会で先着した者がタイトルを得る。フリーでは辻村がトップ、予選は酒井大作(カワサキ)、3番手辻村、安田は6番手だった。ウオームアップは宮崎敦(ヤマハ)がトップ。決勝スタートでは酒井がホールショットを決めるが、辻村が積極的に攻め、すかさずトップに出ると、最後まで首位を明け渡すことなくゴール。2位酒井、3位安田で、辻村が92年の全日本昇格以来、初のチャンピオンに輝いた。 |