決勝日:9月26日(日) サーキット:三重県鈴鹿サーキット 観客:1万5500人 天候:曇り 気温:26.8℃
全日本ロードレースは残り2戦となり、タイトル争いは熾烈さを極めることになる。JSB1000(JSB)のチャンピオン争いは前回SUGOで逆転しランキングトップとなった井筒仁康(チーム桜井ホンダ)を山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)が4ポイント差で追う展開。金曜日に行われたフリー走行は朝からの雨でウエットとなり、午後には豪雨のためタイムスケジュールが変更された。トップは柳川明(カワサキ)となり、3番手に伊藤真一(DDBOYS Racing)、4番手井筒、山口は転倒してしまい右手、右足首を痛めて12番手となった。予選1回目は金曜日の雨の影響が残り、予選2回目が本格的なアタックとなった。鈴鹿を得意とする小西良輝(Team HARC-PRO)がトップタイムを記録するが、最後の最後に伊藤が渾身の走りで逆転しポールポジションをSUGOに続き獲得した。3番手山口、4番手渡辺篤(スズキ)で、決勝に向けてのセットアップに専念していた井筒は6番手2列目からのスタートとなった。
決勝朝のウオームアップランでは伊藤真一が2分10秒台を唯一記録し、絶好調を印象付けた。2番手山口、井筒は5番手となる。決勝では、好スタートを決めてオープニングラップを制した小西が、レースをリード。それを伊藤、井筒が追う展開となった。伊藤は小西をとらえトップに立ち、井筒も小西を交わして2位に浮上し、伊藤との一騎打ちに持ち込む。そのトップ争いに中冨伸一(ヤマハ)が追いついた。井筒は少しずつ後退し、伊藤と中冨のトップ争いとなった。だが伊藤はラストスパートで中冨を突き放し、2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾った。そのまま中冨が2位。思うようにペースの上がらない井筒は小西に追いつかれ、終盤にはテール・トゥ・ノーズの戦いとなった。最終ラップ、130Rの飛び込みで並ぶが、小西が一瞬前に出て3位でチェッカー。井筒は僅差の4位となった。山口はスタートで大きく出遅れ、オープニングラップの通過順位は13位。そこから猛然と追い上げて最終的には6位でチェッカーを受けた。ランキングトップは井筒で、2位の山口に7ポイントのリードで最終戦に臨む。
250は8耐で負った左足首骨折のケガが心配されていた高橋裕紀(DyDo MIU Racing)が前回SUGOで5位に入り、ランキングトップを死守していた。2位には、前回嬉しい初優勝を飾った青山周平(Team HARC-PRO)が3ポイント差で追う。そして3位の亀谷長純(バーニング・ブラッドRT)は青山に1ポイント差という接戦。フリー走行では高橋がトップタイムをたたき出した。予選でも高橋が好調で、唯一2分12秒台にタイムアップしPPを獲得。ウオームアップランでも12秒台に入り1番手。2番手の横江竜司(ヤマハ)が14秒台と、高橋の速さが際立つ。決勝ホールショットは高橋。続く横江、亀谷、青山を加えた4台のトップ争いから高橋、亀谷が抜け出した後、亀谷はコースアウトし後退、高橋が独走優勝を果たした。2位争いは横江、青山の戦いに追いついた中須賀克行(ヤマハ)が制し、3位には横江が入った。青山4位、亀谷5位となり、ランキングでは高橋が10ポイントのリードで最終戦を迎えることとなった。
125は仲城英幸(Jhaレーシング)がランキングトップ。それを小山知良(ヤマハ)が4ポイント差で追う展開。2人ともチャンピオンの経験があり、揃って今季125に復帰という因縁の対決に注目が集まっている。フリー走行では菊池寛幸(チームウイリー)が1番手。予選では小山がトップ、仲城は6番手だった。ウオームアップは仲城がトップ、小山は8番手。決勝ホールショットは仲城で、7台の団子状態のトップ争いから仲城、小山、菊池によるトップ3の攻防となり、仲城が最後の最後に大バトルを制して今季2勝目を飾った。ランキングでも小山に7ポイント差とリードを広げ、チャンピオン決定戦に挑む。
ST600は辻村猛(F.C.C.TSR)と沼田憲保(ヤマハ)が50ポイントで並んでいた。3位に宮崎敦(ヤマハ)が47ポイント、安田毅史(Team HARC-PRO)が45ポイントで続く。有効ポイント制のため、最終戦までもつれるのは必至だ。予選では沼田がトップ、2番手安田、3番手辻村と並んだ。ウオームアップでも沼田が1番手、2番手辻村となる。決勝ホールショットは4戦連続で安田。すかさず沼田がトップを奪うがトップ争いの最中に転倒。辻村、安田の一騎打ちとなり、最終ラップの攻防でスパートした安田が辻村を交わし今季2勝目を飾った。辻村は2位、3位には酒井大作(カワサキ)が入った。最終戦ではランキング首位の辻村と2位の安田がタイトルを賭けて争うことになる。
ランキングトップは4クラス共Hondaライダーであり、全日本ロードレース4クラス制覇をかけた最終戦を迎える。 |