決勝日:9月5日(日)
サーキット:スポーツランドSUGO 観客:9800人 天候:雨のち曇り 気温:23℃
全日本ロードレースは約3か月ぶりの開催で、残り3戦となりタイトル争いも終盤戦へと突入する。JSB1000(JSB)のチャンピオン争いはランキングトップの山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)をランキング2位の井筒仁康(チーム桜井ホンダ)が2ポイント差で追う展開で、2人の一騎打ちが注目を集めた。金曜日に行われたフリー走行では、渡辺篤(スズキ)が持つ1分30秒629のレコードを上位4人が破った。トップは山口、2番手井筒、3番手に伊藤真一(DDBOYS
Racing)、4番手は森脇尚護(Team高武)とHonda勢が占めた。予選はさらに上位10台がレコード更新という激戦となった。そのアタック合戦を制したのは伊藤だった。「なかなかクリアラップが取れず最後の1ラップに賭けた」という伊藤が渾身の走りでPPをゲット。2番手に僅差で井筒、3番手に渡辺、4番手に大崎誠之(ヤマハ)。山口は8番手、2列目からのスタートとなった。
決勝朝は雨が降ったり止んだりの天候となり難しい路面コンディションとなった。ウオームアップランでダントツのトップタイムを記録したのは井筒。2番手小西良輝(Team
HARC-PRO)に2秒以上ものアドバンテージを築き、雨でも晴れでも変わらない強さを示した。決勝スタート時には雨も上がりドライでスタートが切られた。ホールショットは渡辺。だが、伊藤は早々にシケインでトップに立つ。それをスタートで遅れた井筒が追い上げた。その井筒が柳川明(カワサキ)と接触しそうになり、再びポジションを落とした。だが、井筒は諦めずにポジションアップし、追い上げて伊藤の背後に迫る。だが、伊藤は独走体制に持ち込み井筒を突き放し、嬉しい優勝を飾った。伊藤にとって菅生での勝利は91年以来となり、ファンを沸かせた。2位には井筒。3位には成長著しい森脇が追い上げて入り、Honda勢が表彰台を独占した。山口は5位でチェッカーを受けた。タイトル争いでは井筒が逆転でランキングトップに立ち、4ポイント差で山口が追う展開となった。
250では、鈴鹿8耐で負った左足首骨折のケガが心配されていたランキングトップの高橋裕紀(DyDo MIU Racing)が復帰し、その走りに注目が集まった。フリー走行は横江竜司(ヤマハ)がトップタイムを記録するが、予選では亀谷長純(バーニング・ブラッドRT)がPP獲得。ウオームアップでは地元の横江がトップ。決勝は中須賀克行(ヤマハ)がホールショットを奪うが、すかさず亀谷が2コーナーでトップに立ち、後続を引き離すハイペースで飛ばした。その亀谷に追いついた青山周平(Team
HARC-PRO)がトップを奪い、2位に藤岡祐三(ENDURANCE)が浮上、亀谷は横江との3位争いを繰り広げながらトップに食らいつくが、横江の転倒の影響で2位との差が開く。だが亀谷は追い上げて藤岡を捉え、2位にジャンプアップ。青山は嬉しい初優勝を飾り、2位に亀谷。3位藤岡が初表彰台に登り、Honda勢が表彰台を独占した。高橋は5位でチェッカーを受け、貴重なポイントを得てランキングトップを死守した。
125は菊池寛幸(チームウイリー)がフリー走行のトップで、ポールポジションは小山知良(ヤマハ)が獲得。ウオームアップランでは菊池がトップに付けていた。レースをリードしたのは仲城英幸(Jhaレーシング)だったが、それに葛原稔永(Honda熊本レーシング)が追いつく。その後、葛原はコースアウトして一時は4番手まで順位を落としたが、ポジションアップしてトップに躍り出て、今季2勝目を飾った。2位には小室旭(デンソーイリジム&S-way)、3位に柚木伸介(爽風会鈴鹿レーシング)が4年ぶりの表彰台となり、Honda勢はこのクラスでも表彰台を独占した。
ST600のフリー走行では、予選で辻村猛(F.C.C.TSR)がトップタイムを記録。頭ひとつ出た印象を残した。決勝は沼田憲保(ヤマハ)、安田毅史(Team
HARC-PRO)、辻村による三つ巴のトップ争いから、辻村が中盤に抜け出しトップに躍り出ると、スパートして独走体制を築き、チェッカーを受けて今季2勝目。最終ラップまで続く激戦を制した安田毅史(Team HARC-PRO)が2位、3位には沼田が入った。 |