決勝日:5月16日(日) サーキット:茨城県筑波サーキット 観客:1万5200人 天候:曇り時々雨 気温:19.5℃
JSB1000(JSB)は、開幕2連勝を飾った山口辰也(ホンダドリームカストロールRT)が連勝記録を伸ばすかどうかに注目が集まった。金曜日のフリー走行では井筒仁康(チーム桜井ホンダ)が2番手、3番手に山口とHonda勢が上位につけた。予選では激しいアタック合戦となり、1回目予選では井筒がコースレコードを記録してトップに立つ。だが、2回目に渡辺篤(スズキ)がタイムを更新し、ポールポジションを獲得した。2番手には井筒、3番手大崎誠之(ヤマハ)、4番手に伊藤真一(DDBOYS Racing)が付け、フロントローに並んだ。注目の山口は7番手。渡辺と井筒は56秒台で、3番手から13番手までが57秒台に並び、決勝は激戦が予想された。
ドライコンディションで行われたフリー走行・予選とはうって変わって、決勝の朝は雨となった。ウオームアップは小雨の中で行われ、トップは中富伸一(ヤマハ)、井筒は3番手、5番手に小西良輝(Team HARC-PRO)が5番手、7番手に徳留和樹(Team高武RSC)、8番手に山口となった。決勝スタートには霧雨が落ち、各チームはタイヤ選択に頭を悩ませる。ホールショットを奪ったのはレインタイヤを選んだ井筒だった。2ラップ目に渡辺が前に出るが、井筒は渡辺をマークし周回を重ねた。トップ争いは2人に絞られたかに見えた。
カットスリック、スリックを選んだライダーはどんどん遅れをとり、早々に周回遅れが出現する混沌とした状況になって行く。16ラップ目に井筒が渡辺を交わし首位を奪うと、後続を引き離しにかかった。安定したペースでトップを行く井筒は勝利に向かって周回を重ねるが、終盤には雨が上がり、ライン上が乾き始めた。スリックを選んだ中冨が猛然とした追い上げを開始し、ラスト5周で4番手に上がるとトップとの差を削り始める。中冨は最終の30ラップ目で井筒の背後に迫ると、すかさずトップに躍り出てチェッカーを受けた。2位に井筒、3位には小西が入り初の表彰台に上がった。山口は8位に入りランキングトップを死守。伊藤は一時周回遅れとなったが、挽回して9位でフィニッシュ。徳留は10位となった。
250のフリー走行は昨年の覇者、亀谷長純(バーニング・ブラッドRT)がトップタイム。予選では高橋裕紀(DyDo MIU Racing)がPPを獲得。決勝朝のウオームアップでも高橋がトップタイムで決勝に挑んだ。雨が上がり、路面が乾き始めるという状況の中で、高橋はホールショットを奪うと58秒台にタイムアップ。追いすがる亀谷を突き放し、今季初優勝を飾った。高橋も亀谷もスリックタイヤをチョイスしたが、青山周平(Team HARC-PRO)はカットスリックを選び苦戦するも3位に入った。高橋、亀谷、青山のオーダーでHonda勢が表彰台を独占した。
125は葛原稔永(Honda熊本レーシング)がフリー走行トップ、予選では菊地寛幸(チームウイリー)がPPを獲得した。今回は、元世界チャンピオンの坂田和人がスポット参戦したが、予選1回目で転倒し腰を強打する。一時は決勝を断念するも、痛みをおして出場した朝のウオームアップランではトップに立ち、決勝でも先頭争いに食い込みレースを引っ張る。その争いの最中に菊地が転倒、坂田、小室旭(デンソーイリジウム&S-Way)が巻き込まれて転倒リタイアとなった。変わってトップに立った小山知良(ヤマハ)と、追う仲城英幸(Jhaレーシング)の一騎打ちとなる。その争いを制したのは小山で、2位の仲城と3位の波多野祐(18GARAGE RT&AMAZING)は今季初の表彰台に立った。
ST600のフリートップは安田毅史(Team HARC-PRO)だったが、PPを獲得したのは沼田憲保(ヤマハ)。決勝では安田がスパートしてトップに立つ。しかし、独走体制に持ち込もうとした矢先に痛恨の転倒を喫した。トップは沼田が奪い、今野由寛(スズキ)の追撃を交わして8年ぶりの優勝。2位に今野、3位に宮崎敦(ヤマハ)が入った。 |