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ST600初参戦で優勝を飾った辻村(中央)。
全日本は初勝利 |
全日本ロードレース選手権第2戦はワールドスーパーバイク、スーパースポーツ世界選手権第3戦と併催され、宮城県スポーツランドSUGOで行われた。今戦はST600のみの開催。全日本ライダーたちも加藤大治郎選手の死を悼み、74番のステッカーをヘルメットやマシンに貼りレースに挑んだ。
昨年のチャンピオンである清成龍一はSS600に参戦を決め、ST600とのダブルエントリーが認められないことから全日本をキャンセル。JSBとのダブルエントリーで注目を集める辻村猛(F.C.C.TSR)がST600に初参戦。また、全日本フル参戦は7年ぶりというベテラン和泉美智夫(チームヨシハル)、初のフル参戦となる徳留和樹(チーム高武)らにも注目だ。加えて、全日本125で4度もチャンピオンに輝いた仲城英幸も今季からST600にスイッチした。
金曜日のフリー走行は雨、濃霧という不順な天候となりフリー走行2回目が中止。フリー走行1回目トップは和泉となる。土曜日の予選日には雨は上がったが、前夜の雨の影響から路面は完全ウェットで始まった。予選開始早々にオイルを撒いた車両が出たため中断、コース整備のためにタイムスケジュールが変更された。午後から行われた予選1回目は、ドライコンデションに近くなるが、所々に川が流れるようなウェット部分があるという状態。そこでトップにたったのは和泉。夕方に行われた予選2回目もタイムを更新した和泉がポールポジションを獲得。その和泉に続き2番手には辻村が躍進し、Honda1-2。3番手に鶴田竜二(Kawasaki)、4番手に長谷川克憲(Yamaha)がフロントローに並んだ。
決勝は晴天となり青空が広がった。朝のウォームアップランでも和泉がトップタイプをたたき出し絶好調。しかし、ホールショットを奪ったのは辻村で、そのままトップを快走。和泉がそれを追い、予選9番手から好ダッシュを見せた徳留がつづく。Hondaがトップ3を形成する。だが、その争いから徳留が転倒し脱落。
トップ辻村は次第に2位和泉以下を引き離し、独走体制を築いていく。2位和泉の背後に長谷川、高橋英倫らのYamaha勢が追いつき3台で激しい2位争いを展開。ラスト2ラップで長谷川、高橋の先行を許した和泉は4位へと順位を落としてしまう。首位を守る辻村は誰にも邪魔されることなく、15ラップのレースを走りぬき独走優勝を飾った。辻村にとっては全日本初優勝、GPでは94年以来9年ぶりの嬉しい勝利となった。
2位には長谷川、3位高橋となり表彰台を獲得。和泉は4位でチェッカーを受けた。トップ争いの最中に転倒した徳留は、再スタートして21位でレースを終えた。全日本125で4度のチャンピオンに輝いた仲城は、今季からST600にスイッチ、注目を集めていたが事前テストで転倒、右足のじん帯を伸ばし、左手小指を骨折するというケガを押しての参戦で25位となった。
●辻村猛 (優勝)
「チャンピオンの清成選手もいなかったことや、ライバルたちのマシンが仕上がっていなかったことなどで優位に立てたと思う。だが、セットアップの範囲も狭く、ライダーの腕が勝敗を分けるクラスなので、これからも簡単に勝つことは出来ないと思うが、全力を尽くしたい」
●和泉美智夫 (4位)
「ドライの走行が出来なかったことで、フロントサスペンションのセッティングを詰め切れなかった。決勝ではフロントから3回くらい転倒しそうになり、自分の走りが出来なかったことが残念。次は絶対に負けない」
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